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第15章・共謀する聖人
◆ 14・再生する城(前) ◆
しおりを挟む「彼らがそうなんだ……、チャーリー、彼らはこの城の管理人だよ!」
「管理人? 不使用の別荘を掃除とかしてくれるアレ?」
我が家も多くの所領館を、現地の村民に任せている。家というものは放置していると荒れるからだ。
だが――。
充分荒れてるんですけど?? 穴だらけどころか崩れかけの風化じゃないの!! 管理人失格、我が家ならクビだわ!
ダメよ、チャーリーっ、立場は同列じゃないの! 相手は犬のくせに言葉を発する化け物よ?
落ち着いて、笑顔で話すのよっ。
「働きに対する返礼、お金でどう?」
犬は無言で佇んでいる。
ぼんやり白光しているせいで、目らしきくぼんだ部分とでっぱった鼻など、輪郭しか分からない。
「チャーリー、彼らは城を保護管理し次代に繋げる存在。動力源となるものは、多分お金じゃないよ」
「……丁寧な指摘ありがとう……」
彼らの身体を動かすために、魂から引き算されていくなんて冗談ではない。それで助かるのは次代の悪役であって私ではないだろう。
「あの……城の管理ありがとう。でも間に合ってます、いりません」
「チャーリー、彼らはそういうシステム変更は無理だよ。出来る範囲での抜け道を選ばないと」
「……あんたが悪役だったら良かったのにね……、あんたなら、なんか聖女も勇者も倒せそう」
「チャーリー……」
彼は困ったように視線を落とし、首を振る。
「自信を持って、チャーリー。チャーリーは向いてるよ! だから大丈夫」
慰めかもしれない。
いや、慰めにしても目指す先が悪役である以上、私はキレるべきだ。
向いてるって何よ。
「それに彼らには彼らの規律や道理があってその中で存在しているから、動は読みやすいよ。今の彼らの見た目も便宜上の姿でしかないんだと思う。書物や過去を通してみた限り、色々な姿をしていたよ」
「それじゃ、なるべくコイツらとは関わらずにやっていくわ。命持っていかれるなんて冗談じゃない」
自ら危険を呼びこむこともない。
関わらなければいいだけの話だ。
「彼らは城を保護管理しているわけだから、彼らとの接触がスタートだと思うよ? いわゆる『城を入手』の入手とはどの形かっていう話で」
「こんなボロい城なんて欲しくないけど」
「でも城を入手しないとエイベルのレベルアップはないし、何よりヨーク侯の命令なわけだから、国にも戻れないよ?」
改めて犬を見る。
彼らに命を差し出してまで叶えて欲しい願いなどない。だが城を手に入れなければならないというなら――。
「許容量ってあるわね……、あー、命令を一つするわ。この城がイイ感じに動くようにしてもらえる? もちろん、支払う命の量は、最低限中の最低限量でできる範囲で!」
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