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31 デート
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「すごく賑やかなお店ですね」
ファーガス様に案内されてやってきたのは非常に庶民的な飲み屋だった。
仕事帰りのおじさんからお姉さんまで、三~五人ほどがひとつのテーブルを囲んで飲み食いしている。
四人座れるテーブル席をふたりで使っているのはかなり贅沢だといえるのではないだろうか。
高級店に連れていかれたらどうしようとドキドキしていたけれど、それは心配無用だった。
この店に来ると決めていたというよりも、普段から身軽なのだろう。今夜のファーガス様の格好は青い綿のシャツは洗いざらしで、羽織っていたジャケットも短い丈のカジュアルなものだった。
質でいえば私の着ているものとそれほど大差ない。
「ここは学生の頃に僕が働いていた場所なんだ」
「ファーガス様が働いていたんですか」
ワインの入ったグラスを揺らすファーガス様からはとても信じられない発言が飛び出した。
王族が酒場で働く?
「社会勉強のようなものかな」
「それにしても、他にもっと勉強になる場所があったのではないですか?」
「酒が好きなんだ」
「その理由で許されるのがすごいですね」
「学生の間は何でも許される。それに以前はもう少し静かで、ゆっくり飲める店だったんだ。店主が年を取ってさみしくなったようで、一年まえに趣向を変えしまった」
私の場合は逆に自由がなかったけどれどなあ、と準備校時代を思い出してしまう。
「パトリシアはお酒を飲まないの?」
「ええ、卒業後にダナと飲んで、どれくらい強いものかと試してみたんですけど、私の場合は気が大きくなって余計なことを口走ってしまうみたいで、とめられてるんです」
「でも飲めるのに飲まないのは勿体ないな。人生の楽しみは酒だと言う人もいるのに」
「食事だけで充分です」
そろそろお酒が回ってきていい時間なのか、周りのお客さんのお喋りも弾み、たまにどっと笑う声と、木の床を踏みならす音がする。
「ごめん、少し挨拶してくるよ。ここを動かずにいい子に待ってて」
ファーガス様は店主に挨拶したいといい、席を立って勝手にカウンターの中に入っていってしまった。
大人しく目の前にある店の名物だというキッシュを口に放り込む。
「おいしいっ」
店の雰囲気にのまれているのもあるだろうけど、キッシュはとても美味しい。正直期待していなかったけれど、これはダナにも教えたいレベルだ。
「へえ、俺も食べたいなぁ」
「は?」
誰。明らかに声が違う人が目の前に座ってしまう。
「あれ、席間違えたかな。でも可愛い子を見つけたから、ここにいようかな。すごくラッキー」
かなり酒臭くて、同じ年頃の優男が左右を見る。席を間違えるほど酔っているらしい。
「そこは連れの席なんでごめんなさい」
「ええっ、冷たくない? 戻ってくるまででいいからさ」
「だめです」
「いいじゃーん」
いい加減しつこいので、こちらに伸びてくるその手をフォークで刺してやろうかと思っていると、助けの手が入った。
どん! とテーブルの上にグラスが二つ置かれたのだ。
「俺の友人の大切な子に手ぇ出さないでくれるか?」
ひとつ泡ののったビールで、もうひとつは綺麗なピンク色の飲み物。どちらも頼んた覚えのないものだ。
「お前最近よく来る奴だな。加減を知れ」
説教するような声の主を見ると、この店のエプロンをかけた三十代くらいの男性が立っている。
妙に熊っぽいのは口周りに髭があるからだろう。
お酒が入っているのか頬の部分だけが赤くなっている。この季節なのに寒さを感じない体なのか、袖の短いTシャツ姿。おおきな体は脂肪じゃなくて、筋肉でできているらしい。すぐにでも騎士や傭兵になれそう。
優男は意外と気概がなくて、何も言わずにさっと席を離れる。まあこの人を見れば勝て気はしないだろう。
「助けてくださってありがとうございます。あの、ファーガス様ならさっきカウンターから裏に入っていきましたけど」
「そうなんだ? 忙しすぎてずっとドリンク運んでたからな」
店主さんの片手には銀のトレイがあり、そこには種類も色もとりどりのお酒がたくさん乗せられていた。
「ファーガスがここに知り合いを連れてくるのは初めてなんだ」
「そうなんですか。てっきり隊の行きつけの店かと思ってました」
「ここは若いころの彼が逃げ込んでいた特別な場所だからね。そう簡単には連れては来ない。男も女も家族も関係なく、正真正銘、君が初めてだよ。だからこれは初めて記念で俺からのおごりね」
「いいんですか?」
「ああ、ゆっくりしていって。ここでお酒を飲まないなんて人生の半分を損してるよ」
人のよさそうなオーナーさんはウインクを残しフロアを泳ぐようにして去って行った。
せっかくだから、飲もうかな。
水滴のすいたグラスは、早く飲んだ方が美味しいと言っているみたいだ。
せっかく持って来てくれたんだし。
私は迷わずピンク色の方を手に取り、舐めるように口をつける。
「甘い。冷たいっ」
つまり美味しい。
それにアルコールも強くない感じがする。
これくらいなら大丈夫よね。
ファーガス様も戻ってこないことだい、私はテーブルに広がる皿から適当にツマミを取り、交互に口をつける。
焼いた鶏の塩気にはやっぱりお酒が合うものだと、グラスが空になるのは早かった。
あつい、あっつい……
目の裏までも暑くて、私はテーブルにつっぷしていた。
「おい、どうなってるんだ」
「どうって、俺はお酒を差し入れただけ……あー、もしかして、あの男かもしれない。この子ナンパされてたんだ」
「ナンパだと!?」
「ここ数日、女の子のグラスに仕込まれることが度々あったんだ。媚薬みたいなもんが。町に出回ってるもんで、それを仕込んで連れ出そうと思う輩がいるんだろう。出所は怪しいが副作用があるとは聞いてないぞ」
「冗談じゃない」
「アイテッ! ちょっとは加減しろよ。まあ、店の中の出来事だから俺の責任でもあるわな。このまま帰れはしないだろう。部屋は貸す」
ファーガス様とオーナーさんかな、ふたりの会話が頭の上で交差している。
目をどうにか開けようとするけど、開かない。瞼がめっちゃくちゃ重いの。
何より今は暑くて暑くてしかたない。
「こら、待て、パトリシア……ここで脱いでは!」
ぎゃーぎゃーとうるさいファーガス様の顔が面白すぎて、胸にパンチしながら、私はへらへらと笑っていた。
ファーガス様に案内されてやってきたのは非常に庶民的な飲み屋だった。
仕事帰りのおじさんからお姉さんまで、三~五人ほどがひとつのテーブルを囲んで飲み食いしている。
四人座れるテーブル席をふたりで使っているのはかなり贅沢だといえるのではないだろうか。
高級店に連れていかれたらどうしようとドキドキしていたけれど、それは心配無用だった。
この店に来ると決めていたというよりも、普段から身軽なのだろう。今夜のファーガス様の格好は青い綿のシャツは洗いざらしで、羽織っていたジャケットも短い丈のカジュアルなものだった。
質でいえば私の着ているものとそれほど大差ない。
「ここは学生の頃に僕が働いていた場所なんだ」
「ファーガス様が働いていたんですか」
ワインの入ったグラスを揺らすファーガス様からはとても信じられない発言が飛び出した。
王族が酒場で働く?
「社会勉強のようなものかな」
「それにしても、他にもっと勉強になる場所があったのではないですか?」
「酒が好きなんだ」
「その理由で許されるのがすごいですね」
「学生の間は何でも許される。それに以前はもう少し静かで、ゆっくり飲める店だったんだ。店主が年を取ってさみしくなったようで、一年まえに趣向を変えしまった」
私の場合は逆に自由がなかったけどれどなあ、と準備校時代を思い出してしまう。
「パトリシアはお酒を飲まないの?」
「ええ、卒業後にダナと飲んで、どれくらい強いものかと試してみたんですけど、私の場合は気が大きくなって余計なことを口走ってしまうみたいで、とめられてるんです」
「でも飲めるのに飲まないのは勿体ないな。人生の楽しみは酒だと言う人もいるのに」
「食事だけで充分です」
そろそろお酒が回ってきていい時間なのか、周りのお客さんのお喋りも弾み、たまにどっと笑う声と、木の床を踏みならす音がする。
「ごめん、少し挨拶してくるよ。ここを動かずにいい子に待ってて」
ファーガス様は店主に挨拶したいといい、席を立って勝手にカウンターの中に入っていってしまった。
大人しく目の前にある店の名物だというキッシュを口に放り込む。
「おいしいっ」
店の雰囲気にのまれているのもあるだろうけど、キッシュはとても美味しい。正直期待していなかったけれど、これはダナにも教えたいレベルだ。
「へえ、俺も食べたいなぁ」
「は?」
誰。明らかに声が違う人が目の前に座ってしまう。
「あれ、席間違えたかな。でも可愛い子を見つけたから、ここにいようかな。すごくラッキー」
かなり酒臭くて、同じ年頃の優男が左右を見る。席を間違えるほど酔っているらしい。
「そこは連れの席なんでごめんなさい」
「ええっ、冷たくない? 戻ってくるまででいいからさ」
「だめです」
「いいじゃーん」
いい加減しつこいので、こちらに伸びてくるその手をフォークで刺してやろうかと思っていると、助けの手が入った。
どん! とテーブルの上にグラスが二つ置かれたのだ。
「俺の友人の大切な子に手ぇ出さないでくれるか?」
ひとつ泡ののったビールで、もうひとつは綺麗なピンク色の飲み物。どちらも頼んた覚えのないものだ。
「お前最近よく来る奴だな。加減を知れ」
説教するような声の主を見ると、この店のエプロンをかけた三十代くらいの男性が立っている。
妙に熊っぽいのは口周りに髭があるからだろう。
お酒が入っているのか頬の部分だけが赤くなっている。この季節なのに寒さを感じない体なのか、袖の短いTシャツ姿。おおきな体は脂肪じゃなくて、筋肉でできているらしい。すぐにでも騎士や傭兵になれそう。
優男は意外と気概がなくて、何も言わずにさっと席を離れる。まあこの人を見れば勝て気はしないだろう。
「助けてくださってありがとうございます。あの、ファーガス様ならさっきカウンターから裏に入っていきましたけど」
「そうなんだ? 忙しすぎてずっとドリンク運んでたからな」
店主さんの片手には銀のトレイがあり、そこには種類も色もとりどりのお酒がたくさん乗せられていた。
「ファーガスがここに知り合いを連れてくるのは初めてなんだ」
「そうなんですか。てっきり隊の行きつけの店かと思ってました」
「ここは若いころの彼が逃げ込んでいた特別な場所だからね。そう簡単には連れては来ない。男も女も家族も関係なく、正真正銘、君が初めてだよ。だからこれは初めて記念で俺からのおごりね」
「いいんですか?」
「ああ、ゆっくりしていって。ここでお酒を飲まないなんて人生の半分を損してるよ」
人のよさそうなオーナーさんはウインクを残しフロアを泳ぐようにして去って行った。
せっかくだから、飲もうかな。
水滴のすいたグラスは、早く飲んだ方が美味しいと言っているみたいだ。
せっかく持って来てくれたんだし。
私は迷わずピンク色の方を手に取り、舐めるように口をつける。
「甘い。冷たいっ」
つまり美味しい。
それにアルコールも強くない感じがする。
これくらいなら大丈夫よね。
ファーガス様も戻ってこないことだい、私はテーブルに広がる皿から適当にツマミを取り、交互に口をつける。
焼いた鶏の塩気にはやっぱりお酒が合うものだと、グラスが空になるのは早かった。
あつい、あっつい……
目の裏までも暑くて、私はテーブルにつっぷしていた。
「おい、どうなってるんだ」
「どうって、俺はお酒を差し入れただけ……あー、もしかして、あの男かもしれない。この子ナンパされてたんだ」
「ナンパだと!?」
「ここ数日、女の子のグラスに仕込まれることが度々あったんだ。媚薬みたいなもんが。町に出回ってるもんで、それを仕込んで連れ出そうと思う輩がいるんだろう。出所は怪しいが副作用があるとは聞いてないぞ」
「冗談じゃない」
「アイテッ! ちょっとは加減しろよ。まあ、店の中の出来事だから俺の責任でもあるわな。このまま帰れはしないだろう。部屋は貸す」
ファーガス様とオーナーさんかな、ふたりの会話が頭の上で交差している。
目をどうにか開けようとするけど、開かない。瞼がめっちゃくちゃ重いの。
何より今は暑くて暑くてしかたない。
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