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てかるヌガー
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子供だと思っていたマイカは少年ではなく青年の十八才だとわかって引いた。ドン引きした。
その年齢にしては何もかも未発達に見えるからだ。正直、人型をとった僕と同じ年くらいに見える。
どうやらこの国での成人は十六才らしく、マイカは大人に分類される。僕は明らかに成人前の子供で、マイカとヒューゴさん二人の意見をすり合わせて、十四才くらいではないかという結論になった。
緩く巻いてしまうくせ毛の白銀色。瞳の黒は馴染みがあるからかえってそれでよかった。マイカたちの鼻筋の通った西洋顔とは違っていて、やっぱりアジア民族に近い顔立ち。
鏡に映る自分は可もなく不可もない容姿。マイカと並ぶと見劣りするけど、こんなもんかって感じだ。
下の体毛は薄くて、あるかないかだった……そっちの方が気になった。
人型年齢十四才かぁ。
日本人って若く見られるんだよね。でも今は日本人じゃないのか……じゃあやっぱり十代で正解なのか。
ちょっと僕も色々混乱中。
僕はもっともっと長く生きてきたつもりだったけれど、それは違ったみたいだ。ずっと一人だったから流れる時間がゆっくりでもどかしかったんだけど。
人型になった僕は発声にも問題なく会話にも困らない。鳥でも文字は読めていたからそっちは心配する必要もなかった。
これまで街中に降りる度に、それぞれの国の市井のあれこれを自然に学んでいたし、こちらの人間社会の面倒臭さも井戸端会議のおばちゃんたちから仕入れている。
前世の記憶は薄ぼんやりあるし、それとは違うこの世界でも共通する事はあって、意外と不自由なくやれる自信はあった。
それでも、すぐに問題はやってきた。しかも、人型がとれるようになった数時間後の事。
それは、人型になった時の……排泄だった。
最初はおちんちんの部分がむずむずして、その正体わからないままを我慢していたら、最後にはお腹が痛くなった。
それが尿意だって教えてくれたのはマイカだった。人型になって取る食事は最高で、僕はこれまでの分を取り返すように飲み食いしていたのだ。
待望のチョコレートはもちろん、その後に出てきたナッツたっぷりヌガーに身を奪われて蕩けた。
お腹もぱんぱんで腰回りがきつい。がっつきすぎてマイカが呆れるんじゃないかって思ったけど、僕のほおばる姿をにこにこ顔でずっと見ていた。
マナーよりも大事だけど、出された物を残さず美味しそうに食べる人を見るのが好きって面白い。
「じゃあ、行こうか」
マイカが僕の肩を抱くようにして部屋の外へと連れ出した。
マイカの部屋を出て少し歩いた所にあった四畳ほどの部屋。トイレと呼ぶにはもったいない空間。
部屋の前でサヨウナラだと思っていたマイカは、僕と一緒に入って来て、当たり前のように僕のズボンのボタンを解いて、躊躇いなく下着ごと下ろしたのだった。
「さあシャツを濡らさないようにしっかり持って」
マイカの言う通りに、シャツの端を掴んでお臍の辺りまで捲り上げる。子供に言い聞かせるような柔らかい声は母親のよう。
どうやらトイレトレーニングが始まるらしい。
どうしよう。トレーニングいらないんだけど……
うだうだとそんな事を考えていると、マイカが後ろから腰を抱きしめるように手を回してきて、僕のちんこを摘んだ。
……
……
……どうしたらいいんだ。
目の前には絵付きの陶器、個室の角には女神像まで置かれている。
陶器の柄がマイカの部屋に飾ってあったのと似てるし、ここにしていいの? 本気!? って最初は思ったんだけど、それどころじゃない、何で僕の握ってるの!?
「ほら、ノア、力を抜いて、しーしー」
「えっと……僕子供じゃないんだけど……」
「しーしー」
僕を綺麗に無視するマイカ。
ペカペカキラキラのトイレ、そこで下半身丸出しで力を抜けって、ちょっと難しい。それ以上にこの状況があり得ない。
「頑張れノア」
いや、トイレに応援はいらない。
しーしーって……凡そ十四才の男に唱える呪文じゃない。さっきからちっとも効いてこないし。
我慢してると病気になるって、でも力を抜くってやろうと思ってやれる事じゃない。
うううっ……
出したいのに出せないって辛くて、僕は結んだ口の端から声を漏らした。
未開通って辛い。
この状況って辛い。
頼りになるはずのヒューゴさんは一体、どこに行っちゃったの??
マイカが背中にぴったりくっついてくるから、僕のちんこは一回りも縮んで要らぬ力が入ってしまうんだ。
頭の距離が近いから、マイカが喋る度に、生ぬるい風が僕の耳をなぞる。
その度に腰から震えがぶるって這い上がってきて、僕は何度も身を縮めた。
「どうした、寒い?」
「……違う」
マイカが熱すぎるんだ。
親切心から手伝ってくれるマイカに、僕はモジモジするだけで何も言えなかった。あっちに行っててよっなんて言ったらマイカは傷つくだろう。
この辺りは前世の日本人の奥ゆかしさを引き継いでいるのかも。
前世で入院中ちんこにカテーテルを入れた時と同じ位に緊張している。
あの時は渋い三十代の男性医師が処置してくれる事になって、チューブが入って来る感覚どんながだろうって、少しだけわくわくして……
あれ……ちょっと待って……こういう知識がある僕って、前世薄幸なだけの青年じゃなくて、意外と探求心のある、そこそこエロい男子だったのかも……
それに、ただの物語でしかなかった前世が、遥か過去にあった僕自身の経験に近くなっている気がする……
あ、えっ、ちょっと待ってマイカ。
「なっ、何してるの」
「フフッ」
僕のちんこを支えていただけのマイカの手が、不埒に動き始めたのだ。
根元から先端へ、そして先端から根元へと戻る。
その連続の動きがもどかしい程にゆっくりで、僕の反応を見ているのがわかる。
後ろで喉が大きくごくりと鳴る。もしかしたら、マイカって欲情してるの? 僕に?
そう思った途端に下半身がビリビリした。
次第に縦から横への動きへと変わる。力を持って立ち上がってきたタイミングだった。
マイカの手の平の中で僕のちんこの先っぽが包まれる。
優しく撫でるように上から押し付けられ、時折ご褒美みたいに、先の割れた部分を指で割開くように刺激する。
いつしか滑りがよくなって、クチクチと粘りのある音だけが繰り返していた。
いま口を開いたら、僕は甘い息しか出せない。僕は堪えるためにシャツをぎゅっと握りこむ。
マイカの大きな手の中にある僕の小さなちんこが、赤味を帯びて苦しそうに喘いでいる。さっき食べたばかりのヌガーのシロップみたいに、表面がてらてら光っていて、僕が見てもいやらしい。
自分がどう反応しているかなんて見ていられなくて、一生懸命顔を上にあげてそれを視界から追い出した。
気持ちいい。だけど気持ちいいって言ってもいいの?
「あぁ、ノアがどんな顔してるか見たいな……」
いつもより低い声。年上の男性らしい声に、膝ががくがくした。
マイカの顔が僕の髪に埋まる。そこから熱を吹き込まれて全身にまわる。
腰の深い場所にある塊が暴れて、外に出たいってパンパンになる。はちきれそうだ。
「マイカ、ここのままじゃ、出ちゃう……」
「うん。出して」
「無理。はなしてよ」
手を放してくれないと出せない。
なのに、マイカの手に力が入って、僕をどんどん追いたてる。
「いいんだよ、出して……」
「……んっ……まいかぁ……」
高まりが頂点へと全力で向かう中、出し抜けにコンコンと扉を叩くノックの音が響いた。
「マイカ様ノア様、随分時間がかかっているようですが、いかがなさいましたか? 少々ご相談したい事があるのですが、よろしいでしょうか」
「……ヒューゴか、今いくよ」
マイカの動きはもう止まっていて、通る声も冷静だった。まだ手の中にいる僕はまだ硬さを保ち、物欲しげだ。
「ごめんね。これじゃ辛いよね。でも続きはまたで、いい?」
「……うん」
僕のかすれた声が聞こえたかわからないけれど、力が入らない僕の体を支えて、壁際に置いてあるベンチ型のふかふか椅子へと導く。
「やっぱり、かわいい。その顔、誰にも見せちゃだめだよ」
体を壁に預ける。降ろしていたズボンは足首でぐしゃぐしゃになっていて、お尻は丸出し、酷い格好で全然可愛くないのに。
マイカは身なりを整えようとしてくれるけれど、僕は手でやんわり拒否して、できるだけ体を丸めた。
「落ち着いたら出ておいで、しばらくしたらヒューゴを迎えにこさせるから、ね」
僕の腰をなぞるような動きをしてマイカは出て行った。
体にはまだ熱の名残があって、何かの刺激があればまた火が着きそう。この状態をどうしたらいいの。泣きそう。でも、全然嫌じゃなかったんだ。だから困る……
「マイカのばか、ヒューゴさんのあんぽんたん……!」
結局僕は、数分後にヒューゴさんが外から声をかけて来ても起き上る気力がなくて、しばらくそこに居座り続けた。
その年齢にしては何もかも未発達に見えるからだ。正直、人型をとった僕と同じ年くらいに見える。
どうやらこの国での成人は十六才らしく、マイカは大人に分類される。僕は明らかに成人前の子供で、マイカとヒューゴさん二人の意見をすり合わせて、十四才くらいではないかという結論になった。
緩く巻いてしまうくせ毛の白銀色。瞳の黒は馴染みがあるからかえってそれでよかった。マイカたちの鼻筋の通った西洋顔とは違っていて、やっぱりアジア民族に近い顔立ち。
鏡に映る自分は可もなく不可もない容姿。マイカと並ぶと見劣りするけど、こんなもんかって感じだ。
下の体毛は薄くて、あるかないかだった……そっちの方が気になった。
人型年齢十四才かぁ。
日本人って若く見られるんだよね。でも今は日本人じゃないのか……じゃあやっぱり十代で正解なのか。
ちょっと僕も色々混乱中。
僕はもっともっと長く生きてきたつもりだったけれど、それは違ったみたいだ。ずっと一人だったから流れる時間がゆっくりでもどかしかったんだけど。
人型になった僕は発声にも問題なく会話にも困らない。鳥でも文字は読めていたからそっちは心配する必要もなかった。
これまで街中に降りる度に、それぞれの国の市井のあれこれを自然に学んでいたし、こちらの人間社会の面倒臭さも井戸端会議のおばちゃんたちから仕入れている。
前世の記憶は薄ぼんやりあるし、それとは違うこの世界でも共通する事はあって、意外と不自由なくやれる自信はあった。
それでも、すぐに問題はやってきた。しかも、人型がとれるようになった数時間後の事。
それは、人型になった時の……排泄だった。
最初はおちんちんの部分がむずむずして、その正体わからないままを我慢していたら、最後にはお腹が痛くなった。
それが尿意だって教えてくれたのはマイカだった。人型になって取る食事は最高で、僕はこれまでの分を取り返すように飲み食いしていたのだ。
待望のチョコレートはもちろん、その後に出てきたナッツたっぷりヌガーに身を奪われて蕩けた。
お腹もぱんぱんで腰回りがきつい。がっつきすぎてマイカが呆れるんじゃないかって思ったけど、僕のほおばる姿をにこにこ顔でずっと見ていた。
マナーよりも大事だけど、出された物を残さず美味しそうに食べる人を見るのが好きって面白い。
「じゃあ、行こうか」
マイカが僕の肩を抱くようにして部屋の外へと連れ出した。
マイカの部屋を出て少し歩いた所にあった四畳ほどの部屋。トイレと呼ぶにはもったいない空間。
部屋の前でサヨウナラだと思っていたマイカは、僕と一緒に入って来て、当たり前のように僕のズボンのボタンを解いて、躊躇いなく下着ごと下ろしたのだった。
「さあシャツを濡らさないようにしっかり持って」
マイカの言う通りに、シャツの端を掴んでお臍の辺りまで捲り上げる。子供に言い聞かせるような柔らかい声は母親のよう。
どうやらトイレトレーニングが始まるらしい。
どうしよう。トレーニングいらないんだけど……
うだうだとそんな事を考えていると、マイカが後ろから腰を抱きしめるように手を回してきて、僕のちんこを摘んだ。
……
……
……どうしたらいいんだ。
目の前には絵付きの陶器、個室の角には女神像まで置かれている。
陶器の柄がマイカの部屋に飾ってあったのと似てるし、ここにしていいの? 本気!? って最初は思ったんだけど、それどころじゃない、何で僕の握ってるの!?
「ほら、ノア、力を抜いて、しーしー」
「えっと……僕子供じゃないんだけど……」
「しーしー」
僕を綺麗に無視するマイカ。
ペカペカキラキラのトイレ、そこで下半身丸出しで力を抜けって、ちょっと難しい。それ以上にこの状況があり得ない。
「頑張れノア」
いや、トイレに応援はいらない。
しーしーって……凡そ十四才の男に唱える呪文じゃない。さっきからちっとも効いてこないし。
我慢してると病気になるって、でも力を抜くってやろうと思ってやれる事じゃない。
うううっ……
出したいのに出せないって辛くて、僕は結んだ口の端から声を漏らした。
未開通って辛い。
この状況って辛い。
頼りになるはずのヒューゴさんは一体、どこに行っちゃったの??
マイカが背中にぴったりくっついてくるから、僕のちんこは一回りも縮んで要らぬ力が入ってしまうんだ。
頭の距離が近いから、マイカが喋る度に、生ぬるい風が僕の耳をなぞる。
その度に腰から震えがぶるって這い上がってきて、僕は何度も身を縮めた。
「どうした、寒い?」
「……違う」
マイカが熱すぎるんだ。
親切心から手伝ってくれるマイカに、僕はモジモジするだけで何も言えなかった。あっちに行っててよっなんて言ったらマイカは傷つくだろう。
この辺りは前世の日本人の奥ゆかしさを引き継いでいるのかも。
前世で入院中ちんこにカテーテルを入れた時と同じ位に緊張している。
あの時は渋い三十代の男性医師が処置してくれる事になって、チューブが入って来る感覚どんながだろうって、少しだけわくわくして……
あれ……ちょっと待って……こういう知識がある僕って、前世薄幸なだけの青年じゃなくて、意外と探求心のある、そこそこエロい男子だったのかも……
それに、ただの物語でしかなかった前世が、遥か過去にあった僕自身の経験に近くなっている気がする……
あ、えっ、ちょっと待ってマイカ。
「なっ、何してるの」
「フフッ」
僕のちんこを支えていただけのマイカの手が、不埒に動き始めたのだ。
根元から先端へ、そして先端から根元へと戻る。
その連続の動きがもどかしい程にゆっくりで、僕の反応を見ているのがわかる。
後ろで喉が大きくごくりと鳴る。もしかしたら、マイカって欲情してるの? 僕に?
そう思った途端に下半身がビリビリした。
次第に縦から横への動きへと変わる。力を持って立ち上がってきたタイミングだった。
マイカの手の平の中で僕のちんこの先っぽが包まれる。
優しく撫でるように上から押し付けられ、時折ご褒美みたいに、先の割れた部分を指で割開くように刺激する。
いつしか滑りがよくなって、クチクチと粘りのある音だけが繰り返していた。
いま口を開いたら、僕は甘い息しか出せない。僕は堪えるためにシャツをぎゅっと握りこむ。
マイカの大きな手の中にある僕の小さなちんこが、赤味を帯びて苦しそうに喘いでいる。さっき食べたばかりのヌガーのシロップみたいに、表面がてらてら光っていて、僕が見てもいやらしい。
自分がどう反応しているかなんて見ていられなくて、一生懸命顔を上にあげてそれを視界から追い出した。
気持ちいい。だけど気持ちいいって言ってもいいの?
「あぁ、ノアがどんな顔してるか見たいな……」
いつもより低い声。年上の男性らしい声に、膝ががくがくした。
マイカの顔が僕の髪に埋まる。そこから熱を吹き込まれて全身にまわる。
腰の深い場所にある塊が暴れて、外に出たいってパンパンになる。はちきれそうだ。
「マイカ、ここのままじゃ、出ちゃう……」
「うん。出して」
「無理。はなしてよ」
手を放してくれないと出せない。
なのに、マイカの手に力が入って、僕をどんどん追いたてる。
「いいんだよ、出して……」
「……んっ……まいかぁ……」
高まりが頂点へと全力で向かう中、出し抜けにコンコンと扉を叩くノックの音が響いた。
「マイカ様ノア様、随分時間がかかっているようですが、いかがなさいましたか? 少々ご相談したい事があるのですが、よろしいでしょうか」
「……ヒューゴか、今いくよ」
マイカの動きはもう止まっていて、通る声も冷静だった。まだ手の中にいる僕はまだ硬さを保ち、物欲しげだ。
「ごめんね。これじゃ辛いよね。でも続きはまたで、いい?」
「……うん」
僕のかすれた声が聞こえたかわからないけれど、力が入らない僕の体を支えて、壁際に置いてあるベンチ型のふかふか椅子へと導く。
「やっぱり、かわいい。その顔、誰にも見せちゃだめだよ」
体を壁に預ける。降ろしていたズボンは足首でぐしゃぐしゃになっていて、お尻は丸出し、酷い格好で全然可愛くないのに。
マイカは身なりを整えようとしてくれるけれど、僕は手でやんわり拒否して、できるだけ体を丸めた。
「落ち着いたら出ておいで、しばらくしたらヒューゴを迎えにこさせるから、ね」
僕の腰をなぞるような動きをしてマイカは出て行った。
体にはまだ熱の名残があって、何かの刺激があればまた火が着きそう。この状態をどうしたらいいの。泣きそう。でも、全然嫌じゃなかったんだ。だから困る……
「マイカのばか、ヒューゴさんのあんぽんたん……!」
結局僕は、数分後にヒューゴさんが外から声をかけて来ても起き上る気力がなくて、しばらくそこに居座り続けた。
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