2 / 3
第2話
しおりを挟む
(・・・なんだ、ここは?)
俺が目を覚ました時は辺りが真っ暗な空間だった。
(あれ?声が出ない)
俺はいつものように独り言を口にしたつもりだったが言葉が出ないことに気が付く。
(何だ・・・一体何が起きているんだ?)
俺はパニックになりそうな頭を抑え、自分に起きた事を思い出そうとする。
(・・・たしか、大したスキルが貰えなかった事実に絶望して当てもなく歩いていたんだったな・・・)
俺は思考をゆっくりと進める。
(そうだ、良く分からない遺跡に辿り着いて魔法陣?みたいなものに触れて・・・)
俺は愕然とした。
それからの記憶が全くなかったからだ。
(とにかく・・・この場から出ないと・・・)
俺は自分の記憶を振り返ると、それ以上に困った事態に気が付いた。
何故か体が動かせないのだ。
体が自分の体でない感覚、俺はその状態に途方に暮れた。
(・・・まいったな。もしかして、俺は死んだのか?)
魂というものがあるとしたらこういう感覚なのかもしれない。
その事に気づいた俺は、自分が死んだのではと考えた。
(まぁ、いい。どうせ、俺は神に見放されたんだ。上手く生き延びたとしても直ぐに死んでいたに違いない)
俺は何かを考えることを放棄した。
そうすることで、天国・・・は無理としても地獄くらいにはいけると思ったからだ。
(ん・・・なんだ)
今までは気が付かなかったが、無心でいたら違和感に気が付いた。
(声が聞こえる)
聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。
(これは・・・俺の声か?)
聞き覚えのある声なわけだ。
聞こえてきたのは自分の声だった。
(あれ、待てよ。俺はここにいるのに俺の声が聞こえるというのはどういう訳だ?)
俺は当然の疑問が頭をよぎる。
(・・・あっちか)
考えるのは後にして、俺は声が聞こえると思われる方向に向かう。
手足は無いが、そちらに意識を集中することで声の方向に近づけるようだ。
(う・・・なんだ)
段々と近づく声がはっきりとした時、俺は自分の意識がよりはっきりすることに気が付いた。
『はーはっはっはっ!?雑魚ばかりだなぁ!!』
(っ!?)
意識がはっきりすると信じられない光景が見えてきた。
魔物たちを手足を使って倒していたのだ。
しかも、俺の声で好戦的な声を上げながら。
(・・・どういうことだ?これは、俺の体か?)
自分の体かどうか不安に思ったのは、普段見慣れている体よりも大きくなっていたからだ。
『ふん。甘いっ!!』
俺が考えている間にも声の主が体を反転させ魔物を葬る。
(声は俺の声だな・・・ということは、誰かが俺の体を操っているという事か!?)
俺は、聞こえた声からやはり自分の体だということに気が付いた。
そして、当然の結論に至る。
(おいおい、一体何年経ったんだよ・・・)
そう。明らかに自分の体が成長していたのだ。
少なくとも数年は経過しているだろう。
(ちっ・・・一体何だって言うんだ)
体を動かそうとして見たが一向に動かせなかった。
(何者かが俺の体を使って生きているんだ。それも何年間も・・・)
俺は確定した事実に驚く事しか出来なかった。
(なるほど、そう動けばいいのか)
俺は今日も自分を操る何者かの動きを見て体の動かし方を学んでいた。
気が付いた当初は何もする気が起きず、あの世に連れて行ってくれることを望んで待っていたがいつまで経ってもお迎えが来なかった。
それを受けて、正直やることが無くなった俺は自分を操る様子を見て勉強することにした。
初めは呆然と見ていただけだが、それが前向きなものに変わるはすぐであった。
冒険者を目指して体を鍛えていたからすぐに分かった。
体の動かし方、駆け引き、何もかもがハイレベルなものに見えたからだ。
何故かは分からないが、何者かは俺の体を使ってひたすらに魔物や獣との戦いに明け暮れる毎日を送っていたのだ。
そのため、動きを学ぶ機会は沢山あった。
(といっても、真似る体は無いんだが・・・)
体が動かせる訳でもないため、体の動かし方を学ぶ方法はイメージトレーニングだけであった。
それが意味のある事とは思っていなかったが、何しろ他にやることが無いのだ。
俺はただただひたすらにそのような生活をずっと続けていくのみであった。
俺が目を覚ました時は辺りが真っ暗な空間だった。
(あれ?声が出ない)
俺はいつものように独り言を口にしたつもりだったが言葉が出ないことに気が付く。
(何だ・・・一体何が起きているんだ?)
俺はパニックになりそうな頭を抑え、自分に起きた事を思い出そうとする。
(・・・たしか、大したスキルが貰えなかった事実に絶望して当てもなく歩いていたんだったな・・・)
俺は思考をゆっくりと進める。
(そうだ、良く分からない遺跡に辿り着いて魔法陣?みたいなものに触れて・・・)
俺は愕然とした。
それからの記憶が全くなかったからだ。
(とにかく・・・この場から出ないと・・・)
俺は自分の記憶を振り返ると、それ以上に困った事態に気が付いた。
何故か体が動かせないのだ。
体が自分の体でない感覚、俺はその状態に途方に暮れた。
(・・・まいったな。もしかして、俺は死んだのか?)
魂というものがあるとしたらこういう感覚なのかもしれない。
その事に気づいた俺は、自分が死んだのではと考えた。
(まぁ、いい。どうせ、俺は神に見放されたんだ。上手く生き延びたとしても直ぐに死んでいたに違いない)
俺は何かを考えることを放棄した。
そうすることで、天国・・・は無理としても地獄くらいにはいけると思ったからだ。
(ん・・・なんだ)
今までは気が付かなかったが、無心でいたら違和感に気が付いた。
(声が聞こえる)
聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。
(これは・・・俺の声か?)
聞き覚えのある声なわけだ。
聞こえてきたのは自分の声だった。
(あれ、待てよ。俺はここにいるのに俺の声が聞こえるというのはどういう訳だ?)
俺は当然の疑問が頭をよぎる。
(・・・あっちか)
考えるのは後にして、俺は声が聞こえると思われる方向に向かう。
手足は無いが、そちらに意識を集中することで声の方向に近づけるようだ。
(う・・・なんだ)
段々と近づく声がはっきりとした時、俺は自分の意識がよりはっきりすることに気が付いた。
『はーはっはっはっ!?雑魚ばかりだなぁ!!』
(っ!?)
意識がはっきりすると信じられない光景が見えてきた。
魔物たちを手足を使って倒していたのだ。
しかも、俺の声で好戦的な声を上げながら。
(・・・どういうことだ?これは、俺の体か?)
自分の体かどうか不安に思ったのは、普段見慣れている体よりも大きくなっていたからだ。
『ふん。甘いっ!!』
俺が考えている間にも声の主が体を反転させ魔物を葬る。
(声は俺の声だな・・・ということは、誰かが俺の体を操っているという事か!?)
俺は、聞こえた声からやはり自分の体だということに気が付いた。
そして、当然の結論に至る。
(おいおい、一体何年経ったんだよ・・・)
そう。明らかに自分の体が成長していたのだ。
少なくとも数年は経過しているだろう。
(ちっ・・・一体何だって言うんだ)
体を動かそうとして見たが一向に動かせなかった。
(何者かが俺の体を使って生きているんだ。それも何年間も・・・)
俺は確定した事実に驚く事しか出来なかった。
(なるほど、そう動けばいいのか)
俺は今日も自分を操る何者かの動きを見て体の動かし方を学んでいた。
気が付いた当初は何もする気が起きず、あの世に連れて行ってくれることを望んで待っていたがいつまで経ってもお迎えが来なかった。
それを受けて、正直やることが無くなった俺は自分を操る様子を見て勉強することにした。
初めは呆然と見ていただけだが、それが前向きなものに変わるはすぐであった。
冒険者を目指して体を鍛えていたからすぐに分かった。
体の動かし方、駆け引き、何もかもがハイレベルなものに見えたからだ。
何故かは分からないが、何者かは俺の体を使ってひたすらに魔物や獣との戦いに明け暮れる毎日を送っていたのだ。
そのため、動きを学ぶ機会は沢山あった。
(といっても、真似る体は無いんだが・・・)
体が動かせる訳でもないため、体の動かし方を学ぶ方法はイメージトレーニングだけであった。
それが意味のある事とは思っていなかったが、何しろ他にやることが無いのだ。
俺はただただひたすらにそのような生活をずっと続けていくのみであった。
6
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる