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第15話
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「ええそうよ、あなたは」
この言葉に初めて少年は沈痛な顔をした。
「ルフトってこと以外わからないだ・・・」
あたしはこの時理由を悟った。
この世界には二種類の人間がいる。
すなわち海術士とクラフトだ。
海術士とは海術を使うもの達のことをいう。
では海術とは何か?
それにはこの世界がどうしてできたかを話さねばなるまい。
言い伝えによると、今から二万年程前、世界には神と悪魔が住んでいた。
彼らは何万回にも及ぶ戦いを経ていたらしい。
理由はあったのか、なかったのか、それはわからない。
とにかく争いがあったということが何故か語り継がれているのだ。
あるとき、神と悪魔が戦っているときに、偶然、本当に偶然世界のなかに世界が出現した。
おそらく、すさまじい戦いの余波によるものなのだろう。
その世界は、少しずつ成長していった、空気が満ち草木が生え、動物達が生まれ、ついには人間が誕生した。
それが私たちの世界だとされている。
ちょうど今から五千年くらい前のことだ。
神と悪魔が住む世界とあたしたちが住む世界には、ほとんど差異などなかった・・・が、一つだけ違った点があった。
それは“海(カイ)”と呼ばれる神と悪魔が住む世界に満ちあふれている存在の有無である。
“海(カイ)”とはあたしたちの世界で言う空気みたいなもので、青白い光を自ら放つ液体である。
それを召喚し、行使することができるのが海術士である。
そのメカニズムはよく分かっていない。逆に“海”を召喚できない人たちのことをクラフトという。
彼ら・・・っていうかあたしたちは、海術が使えないからなのだろう、海術士らと比べて明らかに身体能力が高いのだ。
それならば、あたし達のほうが海術士達よりも強いのかというとそうではなかった。あえてなかったといったのには訳があった。
あたしたち人間が誕生した。当初は海術士とクラフトはほぼ同数いたらしい、しかし今から五百年前に長い戦争が起こった。
きっかけが何だったのか記録は残っておらず、戦争が起きたという事実のみが分かっている。
その戦争は三百年にも及び、クラフトは絶滅寸前まで人口が少なくなった。
身体能力の高いクラフトが海術士に滅ぼされかけたのには、厳然たるわけがあった。クラフトが接近戦を主たるものとしていたためである。
いまみたいに、建物が立ち並び、障害物が多ければなんとかあたし達にも分があったんでしょうけど・・・まあ、いまさらいってもしかたないわ。
海術士一人一人の力で召喚できる“海”は大したことはなかったが、何千人も集まれば話は別だった。
この言葉に初めて少年は沈痛な顔をした。
「ルフトってこと以外わからないだ・・・」
あたしはこの時理由を悟った。
この世界には二種類の人間がいる。
すなわち海術士とクラフトだ。
海術士とは海術を使うもの達のことをいう。
では海術とは何か?
それにはこの世界がどうしてできたかを話さねばなるまい。
言い伝えによると、今から二万年程前、世界には神と悪魔が住んでいた。
彼らは何万回にも及ぶ戦いを経ていたらしい。
理由はあったのか、なかったのか、それはわからない。
とにかく争いがあったということが何故か語り継がれているのだ。
あるとき、神と悪魔が戦っているときに、偶然、本当に偶然世界のなかに世界が出現した。
おそらく、すさまじい戦いの余波によるものなのだろう。
その世界は、少しずつ成長していった、空気が満ち草木が生え、動物達が生まれ、ついには人間が誕生した。
それが私たちの世界だとされている。
ちょうど今から五千年くらい前のことだ。
神と悪魔が住む世界とあたしたちが住む世界には、ほとんど差異などなかった・・・が、一つだけ違った点があった。
それは“海(カイ)”と呼ばれる神と悪魔が住む世界に満ちあふれている存在の有無である。
“海(カイ)”とはあたしたちの世界で言う空気みたいなもので、青白い光を自ら放つ液体である。
それを召喚し、行使することができるのが海術士である。
そのメカニズムはよく分かっていない。逆に“海”を召喚できない人たちのことをクラフトという。
彼ら・・・っていうかあたしたちは、海術が使えないからなのだろう、海術士らと比べて明らかに身体能力が高いのだ。
それならば、あたし達のほうが海術士達よりも強いのかというとそうではなかった。あえてなかったといったのには訳があった。
あたしたち人間が誕生した。当初は海術士とクラフトはほぼ同数いたらしい、しかし今から五百年前に長い戦争が起こった。
きっかけが何だったのか記録は残っておらず、戦争が起きたという事実のみが分かっている。
その戦争は三百年にも及び、クラフトは絶滅寸前まで人口が少なくなった。
身体能力の高いクラフトが海術士に滅ぼされかけたのには、厳然たるわけがあった。クラフトが接近戦を主たるものとしていたためである。
いまみたいに、建物が立ち並び、障害物が多ければなんとかあたし達にも分があったんでしょうけど・・・まあ、いまさらいってもしかたないわ。
海術士一人一人の力で召喚できる“海”は大したことはなかったが、何千人も集まれば話は別だった。
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