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第16話

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未だ解明されておらず、憶説が飛びかうだけである。



ではどのように、海術士とクラフトを見分けるかというと、このことがこの少年の海術士か否かわからないことにつながってくる。海術士同士から生まれた子には、みなに等しく海術士になるための6年間の教育がかせられる。そこで海術が使えれば海術士、使えなければクラフトといったことである。



この教育は義務ではない、が海術士だと認められなければ世間から後ろ指を指される。



なおかつ、教育費は国が負担してくれる。これは、受けないわけにはいきますまい。差別をなくそうとしている国が差別を生じさせる教育にたいしてお金を負担するなんておかしいだろ?と思う人がいるかもしれないが、差別が生じることよりも皆の知的向上を重視している結果、このようなことが起きているのだ。そのため、名目上はクラフトでも教育を受けることは可能なのだ!しかし、未だ残っている差別意識からかもうすでにクラフトと判明しているものが教育をうけることなどないと言っても過言ではない。あたしは教育受けたかったんだけど、家を養わなければならない状況になってしまったから・・・。
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