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第127話 次へ
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「またいつでも来てください。ルークさんとミリーナさんならいつでも歓迎します」
「そうよ。いつでも来て頂戴」
「「ありがとうございます」」
領主の館の入口でケビンとアンナがルークとミリーナに言う。
「ルーク様、ミリーナちゃん。また、会えますよね?」
最後にはイリアが所在なさげに言ってきた。
「ああ、また来る」
「はい!またお会いしましょう、イリアさん」
「はい!お待ちしておりますわ!!」
ルークとミリーナの言葉を聞いて元気になるイリア。
「ですが、本当に謝礼の方は良かったんですか?」
ケビンが何度目かの確認をルークにとる。
「はい。落ち着ける部屋に空間、美味しい料理を堪能させて戴きましたので充分ですよ、なぁ、ミリーナ?」
「はい!ルークの言う通りです。これ以上戴いたらバチが当たっちゃいます」
「ですが・・・」
「あなたったら、本人たちが良いと言っているのだからいいじゃありませんか。また来てくれた時にもてなすということでいいでしょう?」
尚も納得のいかないケビンにアンナがアイディアを出す。
「それはいい考えだね、アンナ。ルークさん、ミリーナさん何度何日来てももてなしますから是非してくださいね!」
「「・・・はい。ありがとうございます」」
ケビンの圧に負け、思わず返事をするルークとミリーナ。
「あ、すみません。もしかしたら私の上司であるメリッサ隊長から手紙なり使いの者なりが来るかもしれませんがよろしくお願い致します」
ミリーナが思い出したことを3人に告げる。
護衛の報酬代を貰って問題ないかの確認のときに一回、そしてバストロの一件の報告のために一回ミリーナからメリッサに手紙を送っていたので何かしらのリアクションは充分考えられる。
「分かったわ。メリッサちゃんの対応は任せて」
アンナが代表して返事をする。
「よろしくお願い致します!」
こうしてルークとミリーナは館を離れていった。
「行ってしまわれましたわ」
イリアが二人の姿が見えなくなってからボソっと呟く。
「そうだな。・・・イリア、これからはもっと外に出てもいいからやりたいことがあったら遠慮なく言うんだよ」
「えっ!急にどうされたのですか御父様」
イリアがケビンの突然の言葉に驚く。
ケビンは恥ずかしそうに、
「実は昨日イリアが食堂を飛び出した後、ルークさんに言われちゃってね」
「え、あの時ですの?ルーク様はなんと?」
全く想定外のケビンの言葉に尋ねるイリア。
「『イリア様は、本人の意思とは無関係にこの館にいることを義務付けられている。いつかは結婚して主人とともにこのゼーラの街を導いて行くようになるんだ。外の世界を知るべきだ。バストロのようなどうしょうもない奴もいるが世の中そんな人間の方が稀だ。本人が望むのであればどうか背中を押してあげて欲しい』っだったわよね。あなたったら私が何度言ってもイリアのことに関してだけは全く耳を貸そうとしないのにあの子が言うところっと意見を変えちゃうんだもの、嫌になっちゃうわ」
アンナがルークが言ったであろう言葉を言った後、ケビンをからかう。
言われたケビンは申し訳無さそうにしている。
「ルーク様がそんなことを」
何て人なのだろう。イリアを救い、ケビンを救い、さらにイリアの今後のことまで考えてくれていたのだ。
(まずいですわ。ミリーナちゃんには冗談のつもりで言ったのですのに)
本気で惚れてしまうじゃないか。
(次会う時までにミリーナちゃんがルーク様の関係が今のままなら・・・私が、ルーク様と結婚しちゃいますわよ!)
イリアはまずは自分磨きをしようと決心したのだった。
「くちゅん」
ちょうどイリアが決心した時、ミリーナがくしゃみをする。
「ん?風邪か??大事を取って宿を取るか?」
ルークがミリーナの様子に気づき声をかける。
「ううん。大丈夫。ありがとう」
体に何の異常もないことを確認し、ミリーナが答える。
「そうか、なら行こうか」
(今日は早めに休むとしよう)とルークは考えをまとめながら呟く。
「ええ!」
こうしてルークとミリーナはゼーラの街を後にしたのだった。
「そうよ。いつでも来て頂戴」
「「ありがとうございます」」
領主の館の入口でケビンとアンナがルークとミリーナに言う。
「ルーク様、ミリーナちゃん。また、会えますよね?」
最後にはイリアが所在なさげに言ってきた。
「ああ、また来る」
「はい!またお会いしましょう、イリアさん」
「はい!お待ちしておりますわ!!」
ルークとミリーナの言葉を聞いて元気になるイリア。
「ですが、本当に謝礼の方は良かったんですか?」
ケビンが何度目かの確認をルークにとる。
「はい。落ち着ける部屋に空間、美味しい料理を堪能させて戴きましたので充分ですよ、なぁ、ミリーナ?」
「はい!ルークの言う通りです。これ以上戴いたらバチが当たっちゃいます」
「ですが・・・」
「あなたったら、本人たちが良いと言っているのだからいいじゃありませんか。また来てくれた時にもてなすということでいいでしょう?」
尚も納得のいかないケビンにアンナがアイディアを出す。
「それはいい考えだね、アンナ。ルークさん、ミリーナさん何度何日来てももてなしますから是非してくださいね!」
「「・・・はい。ありがとうございます」」
ケビンの圧に負け、思わず返事をするルークとミリーナ。
「あ、すみません。もしかしたら私の上司であるメリッサ隊長から手紙なり使いの者なりが来るかもしれませんがよろしくお願い致します」
ミリーナが思い出したことを3人に告げる。
護衛の報酬代を貰って問題ないかの確認のときに一回、そしてバストロの一件の報告のために一回ミリーナからメリッサに手紙を送っていたので何かしらのリアクションは充分考えられる。
「分かったわ。メリッサちゃんの対応は任せて」
アンナが代表して返事をする。
「よろしくお願い致します!」
こうしてルークとミリーナは館を離れていった。
「行ってしまわれましたわ」
イリアが二人の姿が見えなくなってからボソっと呟く。
「そうだな。・・・イリア、これからはもっと外に出てもいいからやりたいことがあったら遠慮なく言うんだよ」
「えっ!急にどうされたのですか御父様」
イリアがケビンの突然の言葉に驚く。
ケビンは恥ずかしそうに、
「実は昨日イリアが食堂を飛び出した後、ルークさんに言われちゃってね」
「え、あの時ですの?ルーク様はなんと?」
全く想定外のケビンの言葉に尋ねるイリア。
「『イリア様は、本人の意思とは無関係にこの館にいることを義務付けられている。いつかは結婚して主人とともにこのゼーラの街を導いて行くようになるんだ。外の世界を知るべきだ。バストロのようなどうしょうもない奴もいるが世の中そんな人間の方が稀だ。本人が望むのであればどうか背中を押してあげて欲しい』っだったわよね。あなたったら私が何度言ってもイリアのことに関してだけは全く耳を貸そうとしないのにあの子が言うところっと意見を変えちゃうんだもの、嫌になっちゃうわ」
アンナがルークが言ったであろう言葉を言った後、ケビンをからかう。
言われたケビンは申し訳無さそうにしている。
「ルーク様がそんなことを」
何て人なのだろう。イリアを救い、ケビンを救い、さらにイリアの今後のことまで考えてくれていたのだ。
(まずいですわ。ミリーナちゃんには冗談のつもりで言ったのですのに)
本気で惚れてしまうじゃないか。
(次会う時までにミリーナちゃんがルーク様の関係が今のままなら・・・私が、ルーク様と結婚しちゃいますわよ!)
イリアはまずは自分磨きをしようと決心したのだった。
「くちゅん」
ちょうどイリアが決心した時、ミリーナがくしゃみをする。
「ん?風邪か??大事を取って宿を取るか?」
ルークがミリーナの様子に気づき声をかける。
「ううん。大丈夫。ありがとう」
体に何の異常もないことを確認し、ミリーナが答える。
「そうか、なら行こうか」
(今日は早めに休むとしよう)とルークは考えをまとめながら呟く。
「ええ!」
こうしてルークとミリーナはゼーラの街を後にしたのだった。
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