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第126話 王都にて
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ここは、セインツ王国、王都の中央に位置する王城の謁見の間である。
玉座に座る国王エドガード・マイヤー・セインツがいつものように隣に控える近衛騎士所属第一部隊隊長であるレギアス・バトラーに話しかける。
「のう、レギアス」
「はっ」
「今頃ルーク殿はどこにいるのだろうな」
「気になるのですか?」
レギアスが国王に尋ねる。
「当然であろう。なんせ儂の代行者なのだからな」
「それもそうですね。メリッサの話だとルーク殿は今、ゼーラの街にいるようです」
レギアスがついこの前会ったメリッサから聞いていたことを話す。
「ほほう。ゼーラの街か、南に向かったのだな。古巣の軍支部の方とは反対に行きたくなる気持ちも分からんではない」
国王がルークの心情を考える。
「ルーク殿はいつ『国王代行』権を使うと思う?」
「どうでしょうね。ゼーラの街は平和そのものですから無いとは思いますが、、、」
レギアスが考えながら答える。
「失礼致します!!」
そんな時謁見の間を守る兵士が少し慌てた様子で入ってくる。
「何事だ?」
国王の代りにレギアスが問いかける。
「はっ!近衛騎士第二部隊隊長のメリッサ様が至急お会いしたいと来ていらっしゃいます。いかがしましょうか?」
「メリッサが・・・」
レギアスが何か嫌な予感をしつつ国王を見ると頷いているため、メリッサの来訪を許可する。
「通して構わん」
「はっ!」
兵士が部屋を出て数分の後、メリッサがやってくる。
「国王様、レギアス様、失礼致します」
「メリッサよ何があった?」
国王がメリッサに向かって問いかける。
「はい・・・領主バストロ様が街の騎士に拘束されたという情報が入りました。どうやら領主ケビン様を捕らえ、暴行をしていたところを現行犯でということのようです」
「なっ!」
メリッサの報告にレギアスは驚くが、国王はニヤリと笑う。
「ほほぅ。そうか。メリッサよ、お主はどう見る?」
「恐らく、国王様と同じ考えを私もしております。ルーク殿とミリーナ君が関与しているのでしょう」
「はーはっはっ」
メリッサの言葉を聞き、国王が突然笑い出す。
「国王様?」
レギアスが尋ねるが、国王は気にせず笑い続ける。
「あ~、まさかこんなに早く結果を出すとはのぅメリッサよ」
「はっ!おっしゃる通りかと存じます」
「いやいや、まだルーク殿とミリーナ特別班長が関わっていると決まったわけでは無いだろう」
国王とメリッサがルークたちの関与が確定しているという体で話していることをレギアスが止める。
「ふふふ、間違いなく関与しておる。だが、確認は必要だのぅ。メリッサよ。まずは真相を明らかにして参れ」
「はっ!畏まりました」
「頼んだぞ。レギアス、大臣たちを集めよ。対策会議を行う。次の領主を決めねばならん」
「はっ!畏まりました!」
メリッサやレギアスが謁見の間を出て各々の役目を果たしに行くのを眺めながら国王は笑みを浮かべる。
(まさか、こんなにも早くきな臭い話がある中で証拠がつかめず、儂でも中々手を出せなかったバストロの奴の対処をしてしまうなんてな。あの男を『国王代行』に任命しておいて正解だったわい)
今日の国王はとても機嫌が良かったという。
しばらくして、ケビンやミリーナ、バストロを確保した騎士から情報が集まってくるのだが、『国王代行』の権利など全く行使していなかったことを聞いて驚愕するのだがそれはもう少し先の話である。
玉座に座る国王エドガード・マイヤー・セインツがいつものように隣に控える近衛騎士所属第一部隊隊長であるレギアス・バトラーに話しかける。
「のう、レギアス」
「はっ」
「今頃ルーク殿はどこにいるのだろうな」
「気になるのですか?」
レギアスが国王に尋ねる。
「当然であろう。なんせ儂の代行者なのだからな」
「それもそうですね。メリッサの話だとルーク殿は今、ゼーラの街にいるようです」
レギアスがついこの前会ったメリッサから聞いていたことを話す。
「ほほう。ゼーラの街か、南に向かったのだな。古巣の軍支部の方とは反対に行きたくなる気持ちも分からんではない」
国王がルークの心情を考える。
「ルーク殿はいつ『国王代行』権を使うと思う?」
「どうでしょうね。ゼーラの街は平和そのものですから無いとは思いますが、、、」
レギアスが考えながら答える。
「失礼致します!!」
そんな時謁見の間を守る兵士が少し慌てた様子で入ってくる。
「何事だ?」
国王の代りにレギアスが問いかける。
「はっ!近衛騎士第二部隊隊長のメリッサ様が至急お会いしたいと来ていらっしゃいます。いかがしましょうか?」
「メリッサが・・・」
レギアスが何か嫌な予感をしつつ国王を見ると頷いているため、メリッサの来訪を許可する。
「通して構わん」
「はっ!」
兵士が部屋を出て数分の後、メリッサがやってくる。
「国王様、レギアス様、失礼致します」
「メリッサよ何があった?」
国王がメリッサに向かって問いかける。
「はい・・・領主バストロ様が街の騎士に拘束されたという情報が入りました。どうやら領主ケビン様を捕らえ、暴行をしていたところを現行犯でということのようです」
「なっ!」
メリッサの報告にレギアスは驚くが、国王はニヤリと笑う。
「ほほぅ。そうか。メリッサよ、お主はどう見る?」
「恐らく、国王様と同じ考えを私もしております。ルーク殿とミリーナ君が関与しているのでしょう」
「はーはっはっ」
メリッサの言葉を聞き、国王が突然笑い出す。
「国王様?」
レギアスが尋ねるが、国王は気にせず笑い続ける。
「あ~、まさかこんなに早く結果を出すとはのぅメリッサよ」
「はっ!おっしゃる通りかと存じます」
「いやいや、まだルーク殿とミリーナ特別班長が関わっていると決まったわけでは無いだろう」
国王とメリッサがルークたちの関与が確定しているという体で話していることをレギアスが止める。
「ふふふ、間違いなく関与しておる。だが、確認は必要だのぅ。メリッサよ。まずは真相を明らかにして参れ」
「はっ!畏まりました」
「頼んだぞ。レギアス、大臣たちを集めよ。対策会議を行う。次の領主を決めねばならん」
「はっ!畏まりました!」
メリッサやレギアスが謁見の間を出て各々の役目を果たしに行くのを眺めながら国王は笑みを浮かべる。
(まさか、こんなにも早くきな臭い話がある中で証拠がつかめず、儂でも中々手を出せなかったバストロの奴の対処をしてしまうなんてな。あの男を『国王代行』に任命しておいて正解だったわい)
今日の国王はとても機嫌が良かったという。
しばらくして、ケビンやミリーナ、バストロを確保した騎士から情報が集まってくるのだが、『国王代行』の権利など全く行使していなかったことを聞いて驚愕するのだがそれはもう少し先の話である。
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