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第189話 剣術大会㊱

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「さぁて、皆様!お昼はゆっくり休めましたか?もちろん我々は休んでる暇などありませんでした~!!!」

赤服運営長が冗談を交えながら挨拶を始める。

人柄なのだろうか、ぎすぎすした予選会場が和む気がした。

「さて、では早速これより二次予選を行います。ご承知の通り二次予選は一組50人のバトルロワイヤルとなっております。組み合わせは前方の掲示板をご確認ください!」

赤服運営長の言葉に合わせて組み合わせが掲示される。

ルークの位置からだと見えないが、中々大きく表示している。

「それでは、詳細ルールをご説明致します。今回のバトルロワイヤルでは各々の武器は使用禁止です。これから一組ずつ番号を呼んで参りますのでその際に武器を運営にお預けください。そして、武器を預けた方は好きな木製の武器を取り、リングに上がってください!」

リングは4つ用意されており、それぞれのところに色々な形の木製武器が置かれているのが見える。

「ご承知の方も多いでしょうが木製武器にするのは予選での人死にを避けるためです。過去に圧倒的力量差で多くの人が亡くなりました。それ以降、予選では木製武器を使用することになりました」

(なるほどな、予選でまで人死にが出るとなると毎年の運営にも響いてくると言うわけか)

ルークは赤服運営長の言葉を聞いて、向こうが善意から木製武器を用意しているわけではないとルークは悟る。

毎年のイベントを盛り上げるためには参加者を減らさない工夫が不可欠なのだ。

「さて、勝利の条件ですがリングの上で最後まで立っていることです。即ち場外は負け、気絶しても負け、降参したら負けとなります。あと、相手を殺してしまった場合も予選では負けとなりますのでご注意ください」

(木製武器が壊れても負けになるわけではなさそうだな)

ルークは赤服運営長の説明を聞きながら安堵する。

正直、普段から護命剣という絶対に壊れないといっても良い武器を使っているルークにしてみれば木製武器を壊さず戦えるか不安しか無かった。

「それでは一組目から四組目まで一度に行いますので番号を呼ばれたら速やかに移動してください!また、呼ばれなかった方は控え室の方で待機してください!公平をきすため予選での戦いを見るのは禁止としております」

そして順番に呼ばれていくがルークの名前は呼ばれなかったため控え室にて待機することになった。
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