他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第184話

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「では、本日はここまでと致しましょう」

「ありがとうございました」

アリシアの言葉にグレイは礼を言う。

どちらかと言うとアリシアに指導して貰っている立場のグレイはしっかりと頭を下げる。

グレイは顔を上げると、腕輪の力でグラスを3つ出し、【エリクサー】を注ぐとアリシア、イズの順に差し出す。

「ありがとうございます」

『ありがとう』

「では・・・」

3人がグラスを持つとそれぞれのグラスを近付ける。

そして、

チィン

「「「お疲れ様(ですわ)!」」」

グラスを重ねるとそれぞれが【エリクサー】を飲んでいく。

実戦訓練の後に三人で乾杯する。

いつの間にか、これが終わりの挨拶になっていた。

ちなみにグラスを手で持つことが出来ないイズは羽根を上手く使ってグラスを持っている。

「相変わらず、とても美味しいですわ。先程までの疲れも一瞬で抜けておりますし、訓練後に飲む物としては特に最高ですわね」

「うん。本当に美味しいね」

『全くだ』

三人ともが【エリクサー】の感想を言い合う。

これも日課になっていた。

「私《わたくし》達は本当に贅沢なことをしておりますわね」

アリシアが感慨深げに呟く。

現代ではまずお目にかからない【エリクサー】を使って乾杯しているのだ。

いくら3大貴族のバルム家の長女であるアリシアだとしてもここまでの贅沢はしたことがない。

「まあ、これは世に出せないし、秘密を知る俺達が飲むくらいしないと勿体無いし、いいんじゃないかな」

グレイは楽観的に答える。

腕輪に大量にある【エリクサー】は外にしばらく出すと効果が無くなってしまう上、腕輪の力はグレイしか使えない。

グレイが死んだ場合には次に腕輪を使ったものが所有者にはなるがグレイが腕輪に入れたものは使うことが出来ない。

そのため、グレイが【エリクサー】を使うしか無いのだが、他の人間に知られると【エリクサー】を巡って争いが起きることが明白だ。

となればグレイの事情を知っているこの三人で【エリクサー】を使うことへの抵抗は薄れる。

「そうですわね。使わないのも勿体ないですし」

そこまで考えたアリシアがグレイの言葉に同意する。

『気にすることはあるまい。これはあの【迷宮】にあった物だ。【迷宮踏破者】であるグレイが使わずして誰が使うというのだ?』

イズがあっけらかんとそう言う。

もしかしたらイズの場合は【エリクサー】と言えば身近に延々と湧き出ている物だったから大した物ではないと考えているのかもしれないが。

『それに・・・飲んでいる効果が出てきているぞ。グレイもアリシアも段々と基礎魔力量が上がってきているぞ』

イズがグレイとアリシアを見てニヤリと笑いながら衝撃的な発言をしたのであった。
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