他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第224話

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あれから1日が過ぎ【魔法武闘会】の予選当日となった。

「グレイ、おはようございます」

「おはようございます。アリシア様」

貴族女子寮の前で挨拶を交わすアリシアとグレイ。

最近はこの後、すぐに校舎へ向かうのだが今日はもう一人いた。

「・・・おはよう。久しぶりね」

「ああ。おはようセリー。体調を崩していたって聞いたけどもう大丈夫なのか?」

アリシアの少し後ろから現れたのは久しく顔を見ていなかったセリーであった。

「ええ。予選には出ないけど試合を見に行く分には問題ないわ」

セリーが微笑を浮かべる。

「そうか、なら良かった」

「さあ、参りましょうか」

会話が一段落したのを見計らいアリシアが声を掛けると3人で校舎へ向かう。

アリシアとセリーが前を歩き、グレイが少し後ろを歩くといった構図だ。

「ああっ!アリシア様もセリー様もお綺麗ですわ!」

「ほんとね!後ろにいる平民さえいなければ最高の朝だったのに・・・」

「あの野郎。アリシア様だけでなくセリーちゃんとまで一緒に登校するなんて許せん」

相変わらず、自分に対するネガティブな発言を聞き流しながらグレイは思う。

(あれ?アリシアの人気は当然としてセリーってこんなにも人気だったんだ・・・)

セリーも貴族のはずだがちゃん付けで呼ばれているのは礼儀的に大丈夫なのかとも思いながらも少し意外に感じるグレイである。

「ねぇ、アリシア」

グレイが頭の中で考えているとセリーがアリシアに話しかけるのが聞こえてきた。

「セリーどうしたの?」

アリシアの言葉にセリーはグレイの方を一瞬見た後、

「グレイは予選に参加するんでしょ?大丈夫なの?」

アリシアもつられてグレイを一瞬見た後、

「そう言えばセリーは余りグレイの実力を見たことがありませんでしたわね」

「うん。ゾルゲとの戦いを見ただけ」

セリーはおや?と思いながらもアリシアの言葉に応える。

「グレイは強いですから御心配には及びませんわ」

アリシアははっきりと告げる。

「・・・そう。なら、安心して観戦できるわね。それよりも・・・」

セリーは余り感情を表情出さない。

淡々とした様子で応えると、

「アリシア、いつの間にかグレイと呼び捨てられる位仲良くなったのね。もしかして男女の仲にでもなったの?」

と言ったので後ろで聞いていたグレイはぎょっとする。

(セリーって自然に聞くんだな・・・アリシアはどう答えるんだろう)

グレイは内心で動揺しながらアリシアの言葉を待つ。

「・・・セリーったら突然何を言うのですか。私《わたくし》とグレイはまだ『主と付き人』の関係ですわ。仲は深まってはおりますけど・・・」

セリーの言葉にアリシアは表面状は落ち着いた様子で返事をする。

(アリシア、内容ぉぉぉぉ!?)

グレイはアリシアの返答内容にめちゃくちゃ驚いた。

(いや・・・アリシアが俺のことを好意的に思ってくれているのはとても嬉しいんだけどさ・・・)

アリシアの返答にグレイの左肩にいるであろうイズが大爆笑しているのだろう。

姿は見えないが先程からグレイの左肩の上でジタバタしているのが感触で分かる。

「・・・そうなのね」

セリーもアリシアの言葉の意図には気づいたのだろう。

だが、「まだ」という言葉には触れずにスルーする。

「・・・」

(えっ?私《わたくし》は先程何て答えたのかしら・・・)

アリシアはセリーの反応から自分が不味いことを言ったかと先程の言葉を心の中で反芻する。

するとすぐに原因に気づいた。

(ああああっ!『まだ』って言ってしまいましたわぁぁぁぁぁ!!)

恥ずかしさの余り無言になるアリシア。

後ろから見ていたグレイがアリシアの耳が真っ赤に染まっているように見えたのは気の所為では無いのだろう。

(アリシアは弁解したいんだろうけど、セリーが流してくれた手前、何も言えないんだろうな・・・)

グレイはアリシアとの付き合いはまだ数ヶ月程度ではあったが何を考えているかは雰囲気で察することができた。

(・・・教室に着くまで黙っておこう)

結局、アリシアは内心の動揺を抑えるのに必死で無言、セリーはアリシアの心情を理解してそっとするため無言、グレイは今は何も言わない方が良いと思い無言という具合に誰もが沈黙したまま移動して行くことになった。

(さっきの言葉は少なくとも俺は嬉しかったな。心の中のメモをしておこう)

グレイはアリシアの先程の言葉を脳内で繰り返しては喜びながらも今のやり取りを忘れないようにしようと思ったのであった。
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