他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第361話

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『・・・なるほどな。確かにアリシアの言う通りかもしれないな。では、我はしばらく待機しておこう』

イズも貴賓席の様子を改めて確認したのだろう。

少しのタイムラグの後、アリシアの意見に同意する。

「ありがとうございますわ」

アリシアはイズに礼を言った。

「アリシア?小声でぼそぼそとどうかしたの?もしかして、どこかまだ怪我が残っているのでは?」

アリシアが無事だったことを喜んでくれていた姫は俯いた顔を上げると何かを呟いていたことに気が付き心配をする。

「御心配くださり、ありがとうございます。体は何ともありませんので大丈夫ですわ」

アリシアは慌てて姫に礼を言うと体調が万全なことを体を動かしてアピールする。

「そう。なら良かった。では、私《わたくし》は元の場所に戻りますね。・・・あの方の戦いを見届けないといけませんから・・・」

姫は安心したように頷くと、自分の席に向かって行く。

(・・・あの方ってまさか・・・)

姫の最後の呟きが耳に入ったアリシアはあの方というのが誰の事かすぐに分かった。

(マドッグのことを言っている訳はありえませんから、当然グレイの事ですわね。どうして姫様がグレイのことを知っているのでしょうか・・・いえ、考え過ぎですわね。襲って来たマドッグに対して懸命に戦ってくれているグレイの戦いを見届けたい意味ですわねきっと・・・)

「・・・心配しましたよ、アリシア」

アリシアがひとまず、そう考えようとして頭を切り替えようとした時、さらに別の人間から声を掛けられる。

「セリス・・・ご心配をお掛けしました」

それは聖女であった。

聖女はアリシアの言葉に首を何度も振ると、アリシアの体に両手の平を向ける。

「失礼しますね」

聖女がそう言うと直ぐに体が光に包まれる。

アリシアは聖女が何をしたかったのかが分かったので抵抗もせずに受け入れる。

「・・・驚きました。本当に完治されているのですね。先ほど、ユリア・フォン・マギル様の治療も行ってみたのですがあちらも完治されておりました」

「・・・」

アリシアは聖女のこの言葉に思わず無言になる。

(私《わたくし》が意識を失っている状態でのことなので分かりませんが、グレイは【エリクサー】を使ったに違いありませんわ。とすると・・・不味いですわね)

アリシアは嫌な予感を覚えながら、聖女に探りを入れることにした。

「私《わたくし》は気絶していたのでどうなったか把握していないのですが、セリスはどんな光景の見たのですか?」

(グレイがマドッグを撃退したとして、【エリクサー】の事が発覚してしまうと不味いことになります。【エリクサー】の事にまで考えが及ぶ可能性があるのは歴代の【聖女】の知識を継承しているセリスでしょう。逆に言えばセリスがそこまで思い至らなければ問題は大きくはならないはずですわ)

アリシアは緊張しながらセリスの返事を待った。
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