他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第390話

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『ふぅ。やっと姿が見せられるな』

グレイとアリシアが歩いていると、イズが姿を現す。

「イズ、窮屈な思いをさせてすまん」

「イズさん、申し訳ございませんでした」

グレイとアリシアがイズに謝る。

イズは器用に肩をすくめる仕草をすると、

『二人とも気にすることはない。我も目立つのは避けておいた方が良いからな』

グレイとアリシアに返事をする。

「いつもありがとうな・・・そうだ、今回も助かったよイズ」

グレイがイズに改めて礼を言う。

「本当にありがとうございますわ。イズさんが居なかったらと思いますとぞっと致しますわ」

グレイに続き、アリシアも礼を言う。

イズの結界を破壊する能力さえなければグレイがアリシアを助けることも貴賓室の結界を破ることも出来なかっただろう。

『・・・気にするでない。我は我にしか出来ぬ事をしたまでだ』

イズがぶっきらぼうに答える。

何だかんだで付き合いが長くなっているグレイとアリシアにはイズが照れ隠しをしようとしていることが良く分かった。

グレイとアリシアは顔を見合わせると、

「ははっ」

「ふふふっ」

笑みを深めた。

『・・・むぅ』

イズは何かを言ってもこの二人には通じない事を理解しているため呻くのみであった。



「アリシア、じゃあ俺たちはここで待っている」

「はい。では、すぐに戻ってきますね」

グレイの言葉を聞いたアリシアは部屋のある建物に入っていく。

「ふぅ」

アリシアを見送ったグレイは近くのベンチに向かい、座る。

『お疲れさん』

「・・・ああ。ありがとう」

イズの言葉に聞いて返事をするグレイ。

(今日は本当に疲れたな・・・)

グレイはぼーっと目の前の光景を見つめる。

『・・・それにしても沢山の人が出ていくな』

イズがグレイと同じ光景を見ながら周りに聞こえないように呟く。

今、グレイとイズの前では【魔法武闘会】に来るために訪れていた観客達が魔法学園から出ていこうとひっきりなしに移動を始めてた。

「そうだな・・・あれだけの騒ぎが起こったらさっさと帰りたいだろうよ」

グレイは今日起こった事を思い出す。

(まったく、マドッグの奴め完全にぶち壊してくれたな・・・)

グレイは内心で溜息を吐く。

『そうだな・・・というか不味く無いかグレイ?』

イズがふと思い出したようにグレイに尋ねる。

「ん?何が??」

グレイが気を抜いてベンチに腰掛けたままイズに返事をする。

『マドッグの奴がグレイ目当てだって事が分かったらグレイも責任を取らされる・・・という事にはならないか?』

「うっ・・・」

グレイはイズの言葉を聞いて呻く。

「いやいや・・・流石にそうはならないだろ?・・・ならないよな??」

グレイは額に汗を垂らした。
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