他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第398話

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「ありがとうございます。グレイの代わりにお願いしたいことは一つです」

アリシアは姫の言葉に礼を言った後、姫だけでなく、今ここにいる人たちに目をやる。

その中の何人か、アリシアの父親であるゾルムと学園長に限ってはアリシアが何を言おうとしているかを理解しているのか少しだけ苦笑いを浮かべている。

(ふふふ、グレイの考えを伝えるとなるとそう言う表情になるのも無理はありませんわね)

アリシアは内心笑みを浮かべ、ゆっくりと口を開く。

「グレイが姫様をお救いした件に関してここにいる方々以外には秘密としてください。可能であれば、本日起こったことも含めて」

「っ!?」

アリシアの言葉が予想外過ぎたのか、いつもは冷静な姫が驚きの表情に変わる。

隣に座っている聖女や近くに立っているマズローも驚いた表情をしている。

なお、アリシアが言う事を予想していたゾルムや学園長はやっぱりかという表情をしていた。

アリシアの隣にいるグレイはというと自分が言いづらかったことをアリシアがはっきりと伝えてくれてほっとしていた。

「・・・聞き間違えですか?内緒にして欲しいと言われた気がするのですが・・・」

平常心を取り戻そうとしている姫が自分の聞いたことが信じられずアリシアに再度確認を取る。

(流石に、三大貴族のバルム家の次期当主であるアリシアが自分の配下の功績を秘匿として欲しいなどというはずがありませんわよね?いくら穏健派のバルム家とは言え、地位の維持、向上のために使えるものは何でも使うはずですし・・・)

貴族の世界はとにかく上下関係に敏感だ。

誰もが上に立とうと虎視眈々《こしたんたん》とチャンスを狙っているのが普通なのだ。

王族である姫は反乱でも起こらない限りはそういった対象にはならないが貴族と接する機会は多いため、「常に相手の上に立とうとする」「周りに弱みを見せない」という貴族達の考え方をよく理解していた。

だからこそ、アリシアの言葉は理解できなかった。

(お願いですから、私の聞き間違えであってください)

姫はアリシアが否定することを願いながら返答を待つ。

「姫様の聞き間違えではありませんわ。秘密にしてくださいとお願い致しました」

だが、姫の願いも虚しく、アリシアははっきりと否定する。

「・・・そうですか・・・」

姫は自分の今までの常識が音を立てて崩れる感覚に陥いっていた。
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