他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第401話

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「ふぅ。ありがとうアリシア。助かったよ」

学園長室から出て、1階まで降りた後に周りに誰もいないことを確認したグレイがアリシアに礼を言う。

「ふふふ、大したことではありませんからお気になさらないでください」

アリシアは少し後ろから付いてくるグレイを振り返ってみると笑みを浮かべる。

次にアリシアは目を細め、

「それにしてもグレイが姫様やマズローさんの危機をお救いになっていたとは思いもよりませんでしたわ」

グレイの反応を観察するようにわざわざ立ち止まってじっと見つめる。

その目はまるで、『そのような事態に遭遇したのに何故教えてくれなかったのですか?』と言っているようであった。

「う・・・」

アリシアのまっすぐな目を受け、思わず呻くグレイ。

『アリシアよ、そのような目で見てやるな。グレイがアリシアに伝えていなかった訳ではなく先程まで本当に忘れていたのだろうよ。無理もない、あの時はあり得ぬくらいの強行軍で進んでいたからな。当然、お主と一刻も早く再会するためにな』

そのやり取りを見て、イズが助け舟を出す。

もちろん、最後にはニヤニヤ顔になっていたが。

「そ、そう言うことでしたら仕方がありませんわね・・・さぁ、参りましょう」

イズの言葉を受けてアリシアは顔をさっとグレイから外し前を向くと歩みを再開させる。

イズの言葉を聞いてアリシアも理解したのだろう。

グレイがどれだけ無茶な事をしてナガリアに捕まっていた自分を助けに来てくれたかを。

(人を救ったことでさえ忘れてしまうくらい私《わたくし》の事を思って駆けつけてくれたのですわね・・・いけませんわ。しばらくグレイの顔を直視できそうにありません・・・)

イズに言われてグレイが必死で森を駆け抜けた様子を思い描き、その理由について考える。

自然と顔だけでなく耳まで熱くなっていることを感じながらアリシアはいつもより若干早足で歩く。

「・・・イズ、助かった。ありがとう」

先を行くアリシアの後ろ姿を眺めながら、グレイはイズに礼を言う。

『なに、事実を言っただけだ。気にするな』

イズが肩を竦める。

グレイはイズのその様子を見て微笑んだ後、もう一度アリシアの方を見て呟く。

「それはそうとアリシアはなんで急に様子が変わったんだ?」

『・・・お主、変な所で鈍感だな?』

グレイのセリフに呆れるイズ。

「ん?なんか言ったか?」

『・・・いや、何でもない。それより早く追いかけた方が良いぞ』

「っ!?そうだな」

グレイはいつの間にかかなり先まで進んでしまったアリシアの後を慌てて追いかけたのであった。
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