他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第402話

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「さあ、着きましたわよ、グレイ」

中々の早足で移動したアリシアに追い付くかという時、アリシアはちょうど立ち止まり、グレイに語り掛ける。

アリシアの表情は既にいつも通りに戻っている。

(ほっ、いつも通りの表情だ)

グレイはその事に内心でほっとしながら口を開く。

「着いたってどこに?」

そこはグレイには見覚えの無い建物であった。

「?もしかして初めてでしたか?こちらの建物に今回の医務室が設けられているのですよ」

アリシアはグレイの言葉に疑問符を浮かべながらそう答える。

「っ!?アリシア!それでどの部屋に行けばいいんだっ!?」

グレイはアリシアの言葉を聞いた瞬間に先ほどまでの様子を一変させ、どこに医務室があるのかを尋ねる。

とても3大貴族に見せる剣幕ではなかったが幸いにも周りに人は居なかった。

「グレイ、落ち着いてください。1階全てが医務室ですわ」

「っ!?そうか、分かった。ありがとう!すまないが先に行く!!」

グレイはアリシアに言葉に一度驚いた後、直ぐに断りを入れて医務室に駆けて行く。

「あっ、お待ちくださいグレイ」

飛び出していったグレイの後を慌てて追いかけるアリシア。



「・・・これは酷いですわね・・・」

グレイを追いかけて医務室に入ったアリシアが目にしたのはたくさんのベッドで横になる怪我人達とその傍に寄り添う家族や友人、そしてそのフォローをする教諭たちであった。

「グレイは・・・あ、あそこですわね」

沢山の人が居る中でも何故かアリシアはグレイを直ぐに見つけることが出来た。

すぐにそちらに向かうアリシア。

グレイに近づくにつれ様子が変な事に気が付く。

(あれは・・・震えていますわ・・・)

グレイはあるベッドの前で俯きながら震えていた。

「・・・ちくしょう・・・やっぱりあいつを治療してやるんじゃなかった」

アリシアが近づいたのが分かったのかグレイは拳を握りしめ、呟く。

「・・・」

アリシアはグレイの言葉に反応する前にベッドのそばに書かれた患者の名前と症状について読む。

そこには、こう書かれていた。

『患者名 マードッグ・ゾルゲ、症状 意識不明、』と。

「・・・そんな・・・ゾルゲさん」

昔からの顔なじみであるゾルゲの様子にアリシアは思わず声を漏らす。

ベッドに横たわったゾルゲは顔の半分を包帯で巻かれて眠りについていた。
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