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女の子がぺろぺろする話(文芸・コメディ)
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「甘党女子とその仲間の日常」というテーマで書いたマーケティングSSです。とても反省しております。
*
「ねえ、私ってさ。甘党女子なのよ」
「ふうん、それで?」
「だからさ、私、君のこと好きかも! だって君、スイーツ男子でしょ?」
「まあ、どちらかと言えばそうなのかな。俺は肉食系って感じじゃないし、甘え上手で恋愛ごとにも興味があるほうだ。いや、こういうのをスイーツ男子っていうのかどうかよくわかんないけど、性格だってまあ柔和なほうだし」
「じゃあ、私たち相性ばっちりだね! 君のこと買っちゃおうかな?」
「いや、とっくに購入済みでしょ。煮るなり焼くなり、好きにするといいさ」
「わかった。じゃあ、とりあえずペロっと舐めちゃうね」
「舐めるって……何処を?」
「決まってるでしょ……? 女の私に言わせないでよ。君の、その……先端をペロっと。もしくはパクっと」
「バカやろう。袋を破って直ぐだなんて、焦りすぎなんだよ」
「え? そうかな?」
「まあ、なんでもいいや。咥えるなら早くしろよ? その……あんまり待たせると俺、柔らかくなっちゃうからさ」
「えー。ちょっと早いんじゃないの? もうちょっと我慢しなさいよね男でしょ? ほら、段々と表面が濡れてきちゃった」
「しょうがないだろ……お前の鼻息が荒いからだ」
「鼻息って! 失礼ねえ! あ、そうだ。友だちの恭子と玲も呼んできていいかな? みんなで君を舐めたいの」
「ああ、それは構わない……ってバカ走るんじゃない! そんなに急ぐと──」
べちゃ。
──あ。
地面に落下した棒アイスの成れの果てを見つめ、私は呆然と佇んだ。
「ちょっと律、酷い! なんであたしのアイス地面に落としてるのよ!」
ここは栃木県宇都宮市にある、とあるテーマパーク。トイレから戻ってきた親友の楠恭子が、土の上に落下しただの水色の物体に変わったソーダアイスを指さした。
「いやーだってさ。恭子たちのトイレがあんまり長いもんで、待ちくたびれて一人漫才をしているうちに溶けちゃったといいますか」
私がそう弁明すると、恭子が不満気に下唇を突き出した。
「しょうがないでしょ! トイレめっちゃ混んでたんだもん。まあ、遅くなったのはあたしにも非はあるけど。あるのかな?」
「端的に言う。律が走らなければ、アイスはきっと落ちなかった。私の計算が確かならば、あと二分四十秒耐えられた」
「ウルトラ兄弟の中で格闘が得意なやつ!?」
親友のもう一人、立花玲の冷静な分析に、私は思わず声を荒げて突っ込んだ。
愛須棒太郎の日常──完。
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「ねえ、私ってさ。甘党女子なのよ」
「ふうん、それで?」
「だからさ、私、君のこと好きかも! だって君、スイーツ男子でしょ?」
「まあ、どちらかと言えばそうなのかな。俺は肉食系って感じじゃないし、甘え上手で恋愛ごとにも興味があるほうだ。いや、こういうのをスイーツ男子っていうのかどうかよくわかんないけど、性格だってまあ柔和なほうだし」
「じゃあ、私たち相性ばっちりだね! 君のこと買っちゃおうかな?」
「いや、とっくに購入済みでしょ。煮るなり焼くなり、好きにするといいさ」
「わかった。じゃあ、とりあえずペロっと舐めちゃうね」
「舐めるって……何処を?」
「決まってるでしょ……? 女の私に言わせないでよ。君の、その……先端をペロっと。もしくはパクっと」
「バカやろう。袋を破って直ぐだなんて、焦りすぎなんだよ」
「え? そうかな?」
「まあ、なんでもいいや。咥えるなら早くしろよ? その……あんまり待たせると俺、柔らかくなっちゃうからさ」
「えー。ちょっと早いんじゃないの? もうちょっと我慢しなさいよね男でしょ? ほら、段々と表面が濡れてきちゃった」
「しょうがないだろ……お前の鼻息が荒いからだ」
「鼻息って! 失礼ねえ! あ、そうだ。友だちの恭子と玲も呼んできていいかな? みんなで君を舐めたいの」
「ああ、それは構わない……ってバカ走るんじゃない! そんなに急ぐと──」
べちゃ。
──あ。
地面に落下した棒アイスの成れの果てを見つめ、私は呆然と佇んだ。
「ちょっと律、酷い! なんであたしのアイス地面に落としてるのよ!」
ここは栃木県宇都宮市にある、とあるテーマパーク。トイレから戻ってきた親友の楠恭子が、土の上に落下しただの水色の物体に変わったソーダアイスを指さした。
「いやーだってさ。恭子たちのトイレがあんまり長いもんで、待ちくたびれて一人漫才をしているうちに溶けちゃったといいますか」
私がそう弁明すると、恭子が不満気に下唇を突き出した。
「しょうがないでしょ! トイレめっちゃ混んでたんだもん。まあ、遅くなったのはあたしにも非はあるけど。あるのかな?」
「端的に言う。律が走らなければ、アイスはきっと落ちなかった。私の計算が確かならば、あと二分四十秒耐えられた」
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親友のもう一人、立花玲の冷静な分析に、私は思わず声を荒げて突っ込んだ。
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