『十五人囃子の不在』

かおるこ

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登場人物紹介

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『十五人囃子の不在』登場人物紹介

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## ■ 佐伯 真帆(さえき まほ)35歳

― 第1話「一番親王:埃を払う」

都市部で働く独身女性。
実家の雛人形を二十年ぶりに出す。

「早く出さないと、行き遅れるよ」

母の言葉に縛られてきたが、
それが“自分の中の声”だったと気づく。

家族の長女。
物語の静かな起点。

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## ■ 佐伯 由紀(さえき ゆき)58歳

― 第2話/第10話

真帆と浪人生の母。
専業主婦。

三人官女の“口を閉じた一体”に自分を重ねる。
小さな配置換えという、ささやかな反抗をする。

「全部ひとりでやるより、楽しいかもしれません」

沈黙から、声へ。

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## ■ 佐伯 陽太(さえき ようた)19歳

― 第5話「左大臣の涙」

浪人生。真帆の弟。

「努力すれば報われるって、誰が言ったんだろう」

雛壇の端にいる左大臣に、自分を重ねる。
知恵と現実の間で揺れる青年。

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## ■ 佐伯 恒一(さえき こういち)63歳

― 第4話「右大臣の傷」

退職した祖父。
右大臣の顔の傷に、自分の過去を重ねる。

「昔はな……女は前に出るもんじゃなかった」

無意識の価値観と向き合う。

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## ■ 美咲(みさき)17歳

― 第3話「五人囃子:不協和音」

高校生。由紀の娘。

「こんなの古いじゃん」

伝統を嫌うが、
父の不器用な笛の音に耳を澄ます。

家族の“不協和音”を受け止める世代。

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## ■ 由紀の夫(美咲の父)

笛を練習する男。
音は不器用だが、合わせようとする。

「家族って、最初から合ってるわけじゃない」

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## ■ 里奈(りな)30歳

― 第8話「御輿入れ」

結婚を控えた女性。
第2話の娘。

「全部持っていくの?」

嫁入り道具に、役割の重さを見る。

移動ではなく“選択”を選ぶ。

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## ■ 遺品整理業者(名は語られない)

― 第6話「仕丁の箒」

孤独死した老女の部屋で、
豪奢な七段飾りを見つける。

「誰のために出してたんだろう」

雛人形は身代わりになれなかった。
だが、誇りは守っていたと知る。

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## ■ 植物園職員(トランスジェンダー)

― 第7話「桃の枝」

「女の子の節句って言葉、苦手で」

桃の花の“咲くこと”に、自分を重ねる。

緋色の段ではなく、
グラデーションの世界を生きる存在。

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## ■ 離婚を決意した妻

― 第9話「流し雛」

「幸せな家族、返します」

身代わりではなく、自分の足で歩くと決める。

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# この連作の構造

雛壇=社会構造
緋色=祝祭と圧力
箱=家制度
身代わり=女性の自己犠牲
不在=役割から降りた存在

そして最後に残る空白。


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