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第0章
お誕生日なのに、波乱万丈
しおりを挟む爽やかナイスガイな顔立ちの義父、
アーノルドに抱き上げられ、
アリスは壇上に立った。
とんでもなく煌びやかに装飾された会場に少し緊張する。
ランファーリの庭は、普通の住宅20個分位あるのだが、その庭全てに色の付いた綿毛や、星の装飾などが飾られ、可愛らしい雰囲気のパーティー会場になっていた。
アーノルドの隣に立ちながら、
こちらを見上げている方々のお顔を
確認する。
よかった…全員お名前が分かる。
ほっ、とバレない程度に息を吐いて
アーノルドの挨拶を聴く。
「みんな、今日は娘のパーティーに来てくれてありがとう!」
盛大な拍手を眺めつつ、父を横目に見やる。
今日で私は8歳になるのだが、
アーノルド伯爵は確か今、28歳だった気がする。
お父さんってよりは、お兄ちゃんって感じだよねぇ…
アーノルドは、18歳で義母のリリーと婚約し
子供を作ろうとするが機能不全であえなく断念。
2年前に引き取られた時は、
酷く落ち込んでいた。
それでもお互いに愛し続け、
養女を取っても本当の子供以上に溺愛してくれるこの夫婦は、
日本でもこの世界でも最高の夫婦だと思う。
「さて、それでは今回の主役。アリスに挨拶してもらおう。アリス出来るね?」
「はい、お父様!…」
無事アーノルドの前説が終わり、
私も定型文の様な挨拶をする。
にっこりと笑みを浮かべながら
丁寧な口調で話せば、皆表情を和らげて見てくれる。
…こ、これがヒロイン補正…なのか?、
だけど、そこで解放ではなかった。
壇上での挨拶を終えれば、
次は挨拶回りだ。
今日来てくれた人達一人一人に
父とレイルと一緒に挨拶をして周る。
自分の為に来てくれたんだから
挨拶は礼儀だよなぁ、と気合いを入れて
挨拶回りをしていく。
すると、ご子息と一緒居る夫婦に挨拶する事になった。
「本日は誠におめでとうございます、アリス嬢。」
歳は同じ位だろうか?
黒ベースに青みがかった光が天使のリングを作ってる艶やかな髪は何処か悪役令嬢を思わせる。
男の子は右手を自身の胸に添え左足を引いてお辞儀するとにっこりと笑みを浮かべた。
綺麗な子だなぁ、と思いつつ私も令嬢としてのお辞儀を返す。
「こちらこそ、わざわざ遠い場所までお越しくださいまして、ありがとうございます。アリス・ランファーリと申します。どうぞ宜しくお願い致します。」
「はっはっは!やはり、可愛らしいねぇ。うちの子もアリス嬢ほど上品だと良いのだけれど。」
微笑ましそうに声を掛けてきたのは、その男の子の後ろに控えていた男性だった。おそらく、父親なのだろう。
…なんだろう?凄く違和感が。
「アリス嬢、」
不意に名を呼ばれ父親の方から視線を戻し男の子の方を見る。
「アリス嬢、僕はライザ・グリモアと申します。どうぞお見知り置きを。」
「…へっ????????」
え????
はぁぁああぁっ?!!!!!
まさかの展開についていけず、
私の心は時を止めた。
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