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4.君を重ねた罰として
しおりを挟む白み始めた空。
次第に人が増え始めた。
適当なベンチに座り込む。
俺を一瞥するその人たちも、次の瞬間にはここには誰もいなかった。そう解釈されることだろう。
「はあ……」
それにしても……完全に時間の無駄だった。
適当に入った宿泊施設。
一緒に入りはしたが、フロント係が見たのは‘これ‘一人だけ。
俺は隣にいたが。
俺はいなかった。
認識しない。
床に散乱した服。
乱れたシーツ。
壊れたレイ似の者。
そのままにして引き上げて、今に至る。
「俺は汚された……」
一夜の過ち。
時間を戻したい。
そもそも当の本人に手を出すこともない。
なんでこんなことをしたのか自分で理解できない。
ただ後悔のようなものだけが残った。
「あんな紛い物に……レイを重ねた罰か。すまない、レイ」
一人呟いたとしても、誰も耳にも入らない。
そして何より――この街……国の人間の髪色は白銀。掻き乱される。
それより……加護の力は竜からの授かり物だったな。俺でも加護は与えられるのだろうか?
試してみる価値はある。
単純に力が欲しい人間を探して試すか。
俯いていた顔を上げた。
既に口角は上がっているのがわかる。
試すのが楽しいのだ。そして、やがてはあの子の力になる。
「……力に溺れたいなら、こちらも好都合だ」
ギルドーー強欲の巣窟。実験には、うってつけだった。
ある程度の目標の思考思想は決めている。
ーー加護を欲し、竜を信じる者。
ーー加護を欲し、竜を嘲る者。
どういう反応をするだろうか?
やはり狂ってしまうのだろうか?
蝶には広報部を……と思ったが、今から二人に力を与えるのだ。
折角だから彼らに壊してもらおう。
哂い、立ち上がった。
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