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見つけた幸せ
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ノエルが気が付いた時、あたりはもう明るくなっていた。
「ん……」
ふと横を見るとアランがこちらを見ていた。
前髪を上げ、とても澄んだ瞳と凛々しい眉。信じられないほどの男前。
「おはよう、エル」
アランが当たり前のように口づけをする。
「ひゃっ! お、おはようございまっす」
ノエルは動揺して身を離そうとした瞬間、グイっとアランに抱き寄せられた。
「あ、アラン?!」
お互い何も身に着けておらず、密着するアランの肌がすべすべして温かい。それを心地よく感じるまえにノエルの足に何か固いものが押し当てられているのに気が付いた。
「エルの前では堪えられないらしい」
苦笑しながらアランが、ハムハムとノエルの唇を愛おしむようについばむ。
恥ずかしさで身を引こうとするノエルの頭は手で支えられ、するりと舌が侵入してくる。
一晩中快感にさらされ、アランの愛を教え込まれたノエルの身体はいとも簡単に反応しアランを喜ばせる。
再び獰猛な狩人のようになったアランに昨夜以上に愛され、気が付いたときには少し日が暮れかけていた。
窓から入る夕日の日差しにまぶしそうに目を細めながら部屋を見渡すと、部屋の中には自分しかいなかった。
少し寂しさを感じ身を起そうとしたが身体のあちらこちが痛み、思わず声が出る。
「っててて」
なんとかベッドの上で体を起こしたものの、下着一枚つけていない格好の自分に気が付きシーツを巻き付ける。
シーツにくるまったまま立ちあがろうとしたが、思った以上にがくがくした足腰のせいでそのまま床に倒れこんでしまった。
「痛ったあ!」
何とか痛む体を叱咤してベッドに戻ろうともぞもぞしているとドアが勢いよく開いた。
「大丈夫か⁈ 落ちたのか?」
走り寄ってきたアランが軽々とノエルを抱き上げてベッドに戻してくれた。
「あ、ありがとう」
「一人にさせて悪かった。ほとんど一日飲まず食わずだから食事の用意をしていたんだ。エルが起きたときに食べられるようにと思って」
「そうだったんだね、ありがとう。アランを探しに行こうと思って……力が入らなくて」
「あれだけすればね」
アランの言葉に顔が真っ赤になる。
昨日のユーグのことなどアランのおかげで頭の中からすっかり消えていた。今のノエルの頭にはアランの事しかない。まさか飲食を忘れて愛し合うとは思いもしなかった。
「ありがとう、エル。俺を受け入れてくれて。これまでの人生が何だったのかと思うほど俺は幸せだ。これから大事にするからずっとそばにいて欲しい」
その言葉にノエルの目からまた涙が落ちる。
「ありがとう、僕も本当にうれしい。アランに会えて本当に良かった」
ノエルは自然にアランに抱き着くことが出来た。
「また……泣いてばっかりで恥ずかしいよ」
「これまで誰にも頼ることが出来ず、ずっと気を張って生きてきたんだろ。強くなるしかなかったんだと思う。俺にはいくらでも頼ってほしい。いくらでも甘えて泣いていいんだよ」
ぎゅうっと抱きしめ返してくれるアランにまた涙を落すノエルだった。
「落ち着いたところで、食事にしようか」
「うん」
「今日はここで食事しよう。すぐに運んでくるよ」
「ありがとう」
動けないノエルのためにワゴンに食事を乗せてアランは運んできてくれた。
「アラン、ちょっと待って。食べる前に僕服を着たいんだけど」
相変わらずシーツを巻き付けたままのノエルは訴えた。
「え? 服など今日はいらないだろう?」
「え? 服がいらない事なんてないでしょ」
「だってすぐにまた脱ぐことになるんだし……」
「な、ならない! 今日はもう駄目! 僕死んじゃう!」
ノエルの懇願に渋々頷いたアランだったが、服は必要ないと着替えさせてくれなかった。
ノエルの方も体の痛みで動けなかったため、大人しくベッドの住人となりアランのかいがいしい世話を受けることとなった。
これまでは熱が出た時も使用人が事務的に世話をしてくれるだけで、家族が心配してくれることはなかった。ノエルは胸が熱くなり、また泣いてしまったのだった。
「ん……」
ふと横を見るとアランがこちらを見ていた。
前髪を上げ、とても澄んだ瞳と凛々しい眉。信じられないほどの男前。
「おはよう、エル」
アランが当たり前のように口づけをする。
「ひゃっ! お、おはようございまっす」
ノエルは動揺して身を離そうとした瞬間、グイっとアランに抱き寄せられた。
「あ、アラン?!」
お互い何も身に着けておらず、密着するアランの肌がすべすべして温かい。それを心地よく感じるまえにノエルの足に何か固いものが押し当てられているのに気が付いた。
「エルの前では堪えられないらしい」
苦笑しながらアランが、ハムハムとノエルの唇を愛おしむようについばむ。
恥ずかしさで身を引こうとするノエルの頭は手で支えられ、するりと舌が侵入してくる。
一晩中快感にさらされ、アランの愛を教え込まれたノエルの身体はいとも簡単に反応しアランを喜ばせる。
再び獰猛な狩人のようになったアランに昨夜以上に愛され、気が付いたときには少し日が暮れかけていた。
窓から入る夕日の日差しにまぶしそうに目を細めながら部屋を見渡すと、部屋の中には自分しかいなかった。
少し寂しさを感じ身を起そうとしたが身体のあちらこちが痛み、思わず声が出る。
「っててて」
なんとかベッドの上で体を起こしたものの、下着一枚つけていない格好の自分に気が付きシーツを巻き付ける。
シーツにくるまったまま立ちあがろうとしたが、思った以上にがくがくした足腰のせいでそのまま床に倒れこんでしまった。
「痛ったあ!」
何とか痛む体を叱咤してベッドに戻ろうともぞもぞしているとドアが勢いよく開いた。
「大丈夫か⁈ 落ちたのか?」
走り寄ってきたアランが軽々とノエルを抱き上げてベッドに戻してくれた。
「あ、ありがとう」
「一人にさせて悪かった。ほとんど一日飲まず食わずだから食事の用意をしていたんだ。エルが起きたときに食べられるようにと思って」
「そうだったんだね、ありがとう。アランを探しに行こうと思って……力が入らなくて」
「あれだけすればね」
アランの言葉に顔が真っ赤になる。
昨日のユーグのことなどアランのおかげで頭の中からすっかり消えていた。今のノエルの頭にはアランの事しかない。まさか飲食を忘れて愛し合うとは思いもしなかった。
「ありがとう、エル。俺を受け入れてくれて。これまでの人生が何だったのかと思うほど俺は幸せだ。これから大事にするからずっとそばにいて欲しい」
その言葉にノエルの目からまた涙が落ちる。
「ありがとう、僕も本当にうれしい。アランに会えて本当に良かった」
ノエルは自然にアランに抱き着くことが出来た。
「また……泣いてばっかりで恥ずかしいよ」
「これまで誰にも頼ることが出来ず、ずっと気を張って生きてきたんだろ。強くなるしかなかったんだと思う。俺にはいくらでも頼ってほしい。いくらでも甘えて泣いていいんだよ」
ぎゅうっと抱きしめ返してくれるアランにまた涙を落すノエルだった。
「落ち着いたところで、食事にしようか」
「うん」
「今日はここで食事しよう。すぐに運んでくるよ」
「ありがとう」
動けないノエルのためにワゴンに食事を乗せてアランは運んできてくれた。
「アラン、ちょっと待って。食べる前に僕服を着たいんだけど」
相変わらずシーツを巻き付けたままのノエルは訴えた。
「え? 服など今日はいらないだろう?」
「え? 服がいらない事なんてないでしょ」
「だってすぐにまた脱ぐことになるんだし……」
「な、ならない! 今日はもう駄目! 僕死んじゃう!」
ノエルの懇願に渋々頷いたアランだったが、服は必要ないと着替えさせてくれなかった。
ノエルの方も体の痛みで動けなかったため、大人しくベッドの住人となりアランのかいがいしい世話を受けることとなった。
これまでは熱が出た時も使用人が事務的に世話をしてくれるだけで、家族が心配してくれることはなかった。ノエルは胸が熱くなり、また泣いてしまったのだった。
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