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1章 異世界トラバース
1章ー27 おにいちゃんはひとり頑張る!?①
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邪神ちゃんの声と共に周りの風景がガラッと変わる。
いや、そうではなく僕はどうやら強制的に転移させられたらしい。
この有無を言わせない感じが妙に懐かしい。
師匠元気かな?
「さて、ここでなら全力をだせるぞ。と、言っておくが転移で逃げようとは考えぬことだな予めそれは防いである」
うん、それは本当だ。只今、絶賛実感中。
邪神ちゃんと直接対決何てやってられないとばかりに、僕は転移させられた瞬間にもとの場所に戻ろうと思ったのだが、それは本当に思っただけで終わってしまった。
普段であれば思った場所に転移できるのだが、今回は体をなにかで包み込まれるような感じがしてそれは叶わなかった。
「それでは遠慮なくいかせてもらいます」
今いる空間に地面も空も上も下もなにもがない。
ただ、白い空間が広がるだけ。
ここにいるのは邪神、神である彼女と神様の弟子の僕だけなのでそんなものなくてもまったく影響はないが。
今度は全力で空間を蹴るようにして、邪神ちゃんから距離を少しとった右側に瞬間的に移動する。そしてすぐに同じようにさらに右側へと回り込むように空を蹴る。これを繰り返し行うことで僕は邪神ちゃんの周りをぐるぐると直線的に回るように動く。
そんな僕を全く意に介さず突っ立ったままの邪神ちゃん。
さすがにそんな舐めプを」されたらイラっとするのでを」、僕は何度かフェイントを入れながら、時折全力で邪神ちゃんの足元に蹴りを入れる。
が、さらっと躱された。
「動きが単調すぎる。それじゃどうぞカウンターをしてくださいと言っているようなものだぞ?」
軽く飛び跳ねた邪神ちゃんは空中でその体を倒し、そのまま僕の顔へと蹴りをいれる。僕は先の攻撃ですぐには回避に行動を移せず、かろうじて邪神ちゃんの足と自分の顔の間に腕を入れることには成功した。
が、腕の力で蹴りの威力を止められず僕は下方へと吹っ飛ばされてしまう。
痛い、痛い。これ絶対折れてるよ。僕は吹っ飛ばされながらそんな泣き言を漏らすが、どうやらこれ以上の愚痴は許してくれないとみた。
「それ、今度は遠距離からだ」
邪神ちゃんがそういうと、僕の周りに無数の神気の塊の刃が複数現れる。
「さぁ、踊れ」
ヤマトみたいな武器を開放させるキーワ―ドではなくただ本当に踊れと思ったのだろう。僕にこの刃を無傷で防ぐ術はないのでどうやらリクエストに応えるしかないようだ。
僕は飛んできた刃を上体を横にずらすことで躱す、そしてすぐさま飛んでくる数多の刃を空中でダンスのステップを踏むかの如く動き躱していく。時に腕を上げ、時に上体を反らし、屈め。
「あははははは」
「何にそんなに笑えるのですか?」
僕はイラっとしながら声を上げる。もちろん、いまだに刃は僕を貫こうと襲い掛かっているが。
「お前さん、どうやらダンスの才能はあるみたいだな、あは、あはははは」
完全に馬鹿にされてるよね? まぁ、相手は神様らしいし人間の僕なんか遊んででも相手できるんだろうけどさ。それでもイラっとはしちゃうよね?
僕は何度も何度も襲い来る刃のパターンを覚えていく。どうやら邪神ちゃんは僕にダンスを踊らせるために一定のリズムで、一定の場所を狙ってくるので、さすがの僕でもいい加減覚える。
何度か刃を躱し、僕の右手を貫こうとする刃が下方から向かってくるのを確認する。
右手に神気を集中させて刃が腕を貫かんとするタイミングを待つ。
ここだっ!!
僕は今までと同じようにただ躱すのではなく、その刃を神気で防御した手で掴む。順手で掴んだその刃の運動方向を90度ぐるっと回転させてやり邪神ちゃん目掛けて全力で投げてやる。
「おっ、びっくりした」
なんて邪神ちゃんは言ってるけど、僕が投げた刃は邪神ちゃんにとどく寸前にパッとあっけなく消滅してしまった。
どこかのアホな悪役みたいにはならないよね、流石に。
「上手く踊れた褒美になにか教えてやろ、お主には疑問がまだいくつかありそうだからな」
「それでは遠慮なく。あなたは悪なのですか?」
いかに遊ぶような攻撃とはいえそれは神様のもの、僕は今の短いやりとりだけでも結構体力を使ってしまったので、回復がてら少し聞いてみることにした。
「なぜ、それを聞く?」
「この世界の神様、ゼノがあなたを様をつけて読んでいたのに、そんなあなたが彼の世界を破壊すると言った。それで、そこになにか違和感が沸いたから、ですかね」
「視点の問題だな。ただ一つ言えるのは、私はオーディンに作られ与えられた使命を全うしようとしているだけだ、それもなるべく彼の意に添うようにな」
「それでは――」
「少し休んで体力も回復しただろ? 次に行くぞ」
どうやらそこまで真剣に答えてはくれないらしい。また、ゼノにでも聞けばわかることだからいいか。
会話をしながらも僕は邪神ちゃんとの距離を詰めて最初と同じぐらいの距離感まで戻ってきた。もちろんただ距離をつめてただけではない。
僕は神気を鋭利な刃物状に変化させ3本の刃を用意する。そしてそのうちの2本は両手に双剣を握るようにする。
今度はフェイントなし、最初からMAXスピードで邪神ちゃんとの最短距離を駆ける。勢いもそのままで僕は刃を牙突の要領で突き刺す。が、刃を叩かれ横にずらされる。僕の勢いは止まらないので僕は邪神ちゃんの横をすり抜ける。その際、邪神ちゃんは僕の横っ腹を狙い蹴りを入れてくる。
僕はこれにとっさに反応して左の刃でその蹴りをいなす。さらに、先ほど叩かれた刃を遠ざかりながらも思いっきり投げつけてやった。
もちろんこれでダメージを与えられるとは思ってないが、さらなる攻撃を防ぐ牽制ぐらいにはなると期待して。
そしてどうやら僕の目論見通り邪神ちゃんの刃を投げつけた時とは違い、今度はしっかりとその腕で刃を防いでいた。
刃を持つ邪神ちゃんのその表情は僕を侮るものでもなく、ただつまらなそうな色が見える。
「それで、いつになったら全力をだすのだ? 様子見はあきたぞ!」
それはほんの些細なイラつきだったのかもしれないが、僕にはなによりも思いプレッシャーとして襲い掛かってきた。
気づいたら僕は大きく邪神ちゃんとの距離をとっていた。転移させられたわけでもない、ただ気づいたらここにいたのだ。
「やれば、できるじゃないか。中距離とはいえ、わらわの空間で転移するとは」
どっと、汗が湧き出る。やばい、やばい。これは死ぬ。いや、もうすでに一回死んでるんだけどさ。
「お前は危機に陥ると力を発揮するタイプとやらか? ならば」
熱い? なんで・・・・・・。 いや、いつの間にここに!?
「周りを見ろ」
あっ、あれは? 僕の目には360度見渡す限り全ての方向に蒼く紅く輝く光が、炎が見える。まるで太陽が空洞であればそこに閉じ込められたような、そんな状況に僕はいる。
「因みに、次は絶対に転移できないぞ。先ほどより強力にロックしておいた。さて、死にたくなければこれを防いでみろ、全力でな」
ちょっと待て、邪神ちゃんは僕を利用しようとしてる。ってことは僕が死ぬと都合が悪い、ならばこれはフェイク!!
冴えてる、今日の僕!!
「あぁ、希望を断つために教えておこう。別に今のお前を殺してもわらわには問題ない。おまえの魂が無事ならどうとでもなる」
勝手に心を読まないで欲しい。ってことは真剣にあれを防がないといけないのか。今の言葉自体がフェイクである可能性もあるけど。
賭けるには分が悪いな。
「さぁ、では行くぞ」
炎が全方位から迫りくる。近づくにつれて感じる暑さもひどくなっていく。僕に残された道は3つ。
一つは先ほどと同様に転移でこの外に出る。二つ目は対属性の水で消火。最後に炎そのものを消滅させる方法がある。
通常であれば転移か消火を選ぶのが効率的だ。さらに僕は転移はできるが消火は上手くいく自信がない。ならば転移を選ぶのがセオリーだけど先の邪神ちゃんのセリフがそれを止める。
神様があんなにも自信ありでいうのだから無理なんだろう。となると、消火しかないけれど・・・・・・。
こうして考えている間にも、炎の壁は迫りくる。常人であればすでに焼け死んでいるような温度だ。僕はまだまだ余裕があるが、さすがにあれに直接巻き込まれたら死ねる自信はある。
結局のところ、僕が選らんだ道はこうだ。
「転移。転移。外へ、外へ、外へ、外へ、てんいぃぃぃぃ」
師匠との試験を思い出し、思いを口にすることで指向性を持たせてみたが、体にまとわりつくなにかによって邪魔される。これがさっき言っていたロックなのだろう。
何度、叫んでも。何度力を込めて唱えても、結果は同じ。
失敗。
炎がさらに迫りくる。そろそろ僕の防御を破りそうだ。すでにとても熱い風呂に入った時ぐらいの痛さが全身を襲う。
冷たい水。大きな氷、氷山。スコール。川、湖、海。ありとあらゆる水に関するものをイメージしていく。
「水よこーーーーーーーーーーい」
先ほどから身を焼くような熱さが僕を襲う。肉が焦げたようなにおいも漂う。
それでも、僕はイメージすることを止めない。叫ぶことも決して止めない。
気持ちが折れた時、それはすなわち死だ。
「水よ、水よ、まもれぇ、僕を覆え、水よーーーーー」
最後の最後の叫び声があたりに、響いたように感じた。そして、その響いた声を最後まで聞き終えることなく僕の視界は爆炎に染まる。
いや、そうではなく僕はどうやら強制的に転移させられたらしい。
この有無を言わせない感じが妙に懐かしい。
師匠元気かな?
「さて、ここでなら全力をだせるぞ。と、言っておくが転移で逃げようとは考えぬことだな予めそれは防いである」
うん、それは本当だ。只今、絶賛実感中。
邪神ちゃんと直接対決何てやってられないとばかりに、僕は転移させられた瞬間にもとの場所に戻ろうと思ったのだが、それは本当に思っただけで終わってしまった。
普段であれば思った場所に転移できるのだが、今回は体をなにかで包み込まれるような感じがしてそれは叶わなかった。
「それでは遠慮なくいかせてもらいます」
今いる空間に地面も空も上も下もなにもがない。
ただ、白い空間が広がるだけ。
ここにいるのは邪神、神である彼女と神様の弟子の僕だけなのでそんなものなくてもまったく影響はないが。
今度は全力で空間を蹴るようにして、邪神ちゃんから距離を少しとった右側に瞬間的に移動する。そしてすぐに同じようにさらに右側へと回り込むように空を蹴る。これを繰り返し行うことで僕は邪神ちゃんの周りをぐるぐると直線的に回るように動く。
そんな僕を全く意に介さず突っ立ったままの邪神ちゃん。
さすがにそんな舐めプを」されたらイラっとするのでを」、僕は何度かフェイントを入れながら、時折全力で邪神ちゃんの足元に蹴りを入れる。
が、さらっと躱された。
「動きが単調すぎる。それじゃどうぞカウンターをしてくださいと言っているようなものだぞ?」
軽く飛び跳ねた邪神ちゃんは空中でその体を倒し、そのまま僕の顔へと蹴りをいれる。僕は先の攻撃ですぐには回避に行動を移せず、かろうじて邪神ちゃんの足と自分の顔の間に腕を入れることには成功した。
が、腕の力で蹴りの威力を止められず僕は下方へと吹っ飛ばされてしまう。
痛い、痛い。これ絶対折れてるよ。僕は吹っ飛ばされながらそんな泣き言を漏らすが、どうやらこれ以上の愚痴は許してくれないとみた。
「それ、今度は遠距離からだ」
邪神ちゃんがそういうと、僕の周りに無数の神気の塊の刃が複数現れる。
「さぁ、踊れ」
ヤマトみたいな武器を開放させるキーワ―ドではなくただ本当に踊れと思ったのだろう。僕にこの刃を無傷で防ぐ術はないのでどうやらリクエストに応えるしかないようだ。
僕は飛んできた刃を上体を横にずらすことで躱す、そしてすぐさま飛んでくる数多の刃を空中でダンスのステップを踏むかの如く動き躱していく。時に腕を上げ、時に上体を反らし、屈め。
「あははははは」
「何にそんなに笑えるのですか?」
僕はイラっとしながら声を上げる。もちろん、いまだに刃は僕を貫こうと襲い掛かっているが。
「お前さん、どうやらダンスの才能はあるみたいだな、あは、あはははは」
完全に馬鹿にされてるよね? まぁ、相手は神様らしいし人間の僕なんか遊んででも相手できるんだろうけどさ。それでもイラっとはしちゃうよね?
僕は何度も何度も襲い来る刃のパターンを覚えていく。どうやら邪神ちゃんは僕にダンスを踊らせるために一定のリズムで、一定の場所を狙ってくるので、さすがの僕でもいい加減覚える。
何度か刃を躱し、僕の右手を貫こうとする刃が下方から向かってくるのを確認する。
右手に神気を集中させて刃が腕を貫かんとするタイミングを待つ。
ここだっ!!
僕は今までと同じようにただ躱すのではなく、その刃を神気で防御した手で掴む。順手で掴んだその刃の運動方向を90度ぐるっと回転させてやり邪神ちゃん目掛けて全力で投げてやる。
「おっ、びっくりした」
なんて邪神ちゃんは言ってるけど、僕が投げた刃は邪神ちゃんにとどく寸前にパッとあっけなく消滅してしまった。
どこかのアホな悪役みたいにはならないよね、流石に。
「上手く踊れた褒美になにか教えてやろ、お主には疑問がまだいくつかありそうだからな」
「それでは遠慮なく。あなたは悪なのですか?」
いかに遊ぶような攻撃とはいえそれは神様のもの、僕は今の短いやりとりだけでも結構体力を使ってしまったので、回復がてら少し聞いてみることにした。
「なぜ、それを聞く?」
「この世界の神様、ゼノがあなたを様をつけて読んでいたのに、そんなあなたが彼の世界を破壊すると言った。それで、そこになにか違和感が沸いたから、ですかね」
「視点の問題だな。ただ一つ言えるのは、私はオーディンに作られ与えられた使命を全うしようとしているだけだ、それもなるべく彼の意に添うようにな」
「それでは――」
「少し休んで体力も回復しただろ? 次に行くぞ」
どうやらそこまで真剣に答えてはくれないらしい。また、ゼノにでも聞けばわかることだからいいか。
会話をしながらも僕は邪神ちゃんとの距離を詰めて最初と同じぐらいの距離感まで戻ってきた。もちろんただ距離をつめてただけではない。
僕は神気を鋭利な刃物状に変化させ3本の刃を用意する。そしてそのうちの2本は両手に双剣を握るようにする。
今度はフェイントなし、最初からMAXスピードで邪神ちゃんとの最短距離を駆ける。勢いもそのままで僕は刃を牙突の要領で突き刺す。が、刃を叩かれ横にずらされる。僕の勢いは止まらないので僕は邪神ちゃんの横をすり抜ける。その際、邪神ちゃんは僕の横っ腹を狙い蹴りを入れてくる。
僕はこれにとっさに反応して左の刃でその蹴りをいなす。さらに、先ほど叩かれた刃を遠ざかりながらも思いっきり投げつけてやった。
もちろんこれでダメージを与えられるとは思ってないが、さらなる攻撃を防ぐ牽制ぐらいにはなると期待して。
そしてどうやら僕の目論見通り邪神ちゃんの刃を投げつけた時とは違い、今度はしっかりとその腕で刃を防いでいた。
刃を持つ邪神ちゃんのその表情は僕を侮るものでもなく、ただつまらなそうな色が見える。
「それで、いつになったら全力をだすのだ? 様子見はあきたぞ!」
それはほんの些細なイラつきだったのかもしれないが、僕にはなによりも思いプレッシャーとして襲い掛かってきた。
気づいたら僕は大きく邪神ちゃんとの距離をとっていた。転移させられたわけでもない、ただ気づいたらここにいたのだ。
「やれば、できるじゃないか。中距離とはいえ、わらわの空間で転移するとは」
どっと、汗が湧き出る。やばい、やばい。これは死ぬ。いや、もうすでに一回死んでるんだけどさ。
「お前は危機に陥ると力を発揮するタイプとやらか? ならば」
熱い? なんで・・・・・・。 いや、いつの間にここに!?
「周りを見ろ」
あっ、あれは? 僕の目には360度見渡す限り全ての方向に蒼く紅く輝く光が、炎が見える。まるで太陽が空洞であればそこに閉じ込められたような、そんな状況に僕はいる。
「因みに、次は絶対に転移できないぞ。先ほどより強力にロックしておいた。さて、死にたくなければこれを防いでみろ、全力でな」
ちょっと待て、邪神ちゃんは僕を利用しようとしてる。ってことは僕が死ぬと都合が悪い、ならばこれはフェイク!!
冴えてる、今日の僕!!
「あぁ、希望を断つために教えておこう。別に今のお前を殺してもわらわには問題ない。おまえの魂が無事ならどうとでもなる」
勝手に心を読まないで欲しい。ってことは真剣にあれを防がないといけないのか。今の言葉自体がフェイクである可能性もあるけど。
賭けるには分が悪いな。
「さぁ、では行くぞ」
炎が全方位から迫りくる。近づくにつれて感じる暑さもひどくなっていく。僕に残された道は3つ。
一つは先ほどと同様に転移でこの外に出る。二つ目は対属性の水で消火。最後に炎そのものを消滅させる方法がある。
通常であれば転移か消火を選ぶのが効率的だ。さらに僕は転移はできるが消火は上手くいく自信がない。ならば転移を選ぶのがセオリーだけど先の邪神ちゃんのセリフがそれを止める。
神様があんなにも自信ありでいうのだから無理なんだろう。となると、消火しかないけれど・・・・・・。
こうして考えている間にも、炎の壁は迫りくる。常人であればすでに焼け死んでいるような温度だ。僕はまだまだ余裕があるが、さすがにあれに直接巻き込まれたら死ねる自信はある。
結局のところ、僕が選らんだ道はこうだ。
「転移。転移。外へ、外へ、外へ、外へ、てんいぃぃぃぃ」
師匠との試験を思い出し、思いを口にすることで指向性を持たせてみたが、体にまとわりつくなにかによって邪魔される。これがさっき言っていたロックなのだろう。
何度、叫んでも。何度力を込めて唱えても、結果は同じ。
失敗。
炎がさらに迫りくる。そろそろ僕の防御を破りそうだ。すでにとても熱い風呂に入った時ぐらいの痛さが全身を襲う。
冷たい水。大きな氷、氷山。スコール。川、湖、海。ありとあらゆる水に関するものをイメージしていく。
「水よこーーーーーーーーーーい」
先ほどから身を焼くような熱さが僕を襲う。肉が焦げたようなにおいも漂う。
それでも、僕はイメージすることを止めない。叫ぶことも決して止めない。
気持ちが折れた時、それはすなわち死だ。
「水よ、水よ、まもれぇ、僕を覆え、水よーーーーー」
最後の最後の叫び声があたりに、響いたように感じた。そして、その響いた声を最後まで聞き終えることなく僕の視界は爆炎に染まる。
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