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1章 異世界トラバース
1章ーD 幼女は再び冒険する①
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「エレナ、エレナ、エレナ! ちょっと僕は外に出るけど、絶対に外に出たらだめだよ、いいね? 昼までには戻るから。本当にいいね?」
すぅー。ぴぃー。
「え? あい、わかったれす・・・。すぅ~、ぴぃ~。あっ、いってらっさいzzzz」
かろうじて目を覚ましてベッドの上で上半身を起こし、懸命に返事をしようとするも途中で力尽きてしまう。そしてそのまま器用にも座った状態で再びの夢の中へ。それでも懸命に、頑張って戻ってくるも、最後にはやっぱり寝息を立ててベッドへ突っ伏してしまう。
半ば夢の中の住人であるエレナにクロノの声は届かない。そのことをクロノも悟ったようで、
「ポチ、頼んだよ。なんかあったら教えて。ちょっと立て込んでると応えられないかもだけど」
「承知しました、主」
いつものようにエレナのことはポチに頼まれることになる。
クロノが部屋をでて数時間が経つ。この間ポチはずっと部屋の隅でエレナが起きるのを待っていた。
「んにゃぁ~」
なんの脈絡もなくエレナが起きる。目覚めたと言っていいのか微妙なラインだが、上体は起きている。
それにしても、もう太陽は高く昇ったというのにまだまだ眠そうな幼女、エレナ。
彼女の朝は基本的には遅い。まぁ、お出かけする日などは興奮のあまりの彼女の保護者でもある少年、クロノよりも早く起きるのだが、基本的には遅い。
しばらくして眠気も少し冷めたのか、急にぶんぶんと首を振りあたりを見渡すが、目当てのものが見当たらずに少し狼狽えるエレナ。
「主なら出かけぞ、お嬢」
「へっ? そなの?」
首を傾け、ポチを見つめそう問いかける。もちろん本当に問いかけたのではなく、ただ確認のために聞いただけだ。
「おそといく?」
「前みたいに勝手に外に買い物何てしたら主にまた怒られるぞ」
「んー、ポチのばか」
そう言うとエレナはせっせと準備を始める。もちろん、外出のだ。
お気に入りの服に、お気に入りのポシェット、その他アクセサリーもしっかりと身に着け準備は万端。あとは外に出るだけだ。
「やぁー、はなちて。ぽちぃ。だめぇ~」
扉を開けようとしたエレナの服をポチが加えて引き留める。それに抗議の声を上げるエレナだが、ポチは耳を貸さない。
彼はできた召喚獣なのだ。繰り返し言おう。彼はものすごくできた召喚獣なのだ。
「どちてもだめぇ?」
「どうしてもだ。見つかって怒られるの私なんだぞ!?」
ポチは淡々と話すが、エレナも成長しているのだ。ポチを論破する秘策が彼女にはあった。
「ぽちもおにきゅたべたいしょ?」
エレナがポシェットに入った銀貨を掲げる。
「これあればたくさんたべれりゅよ!!」
この時ポチには銀貨が輝いて見えた。
ジュルリ・・・。
「はっ、これは!? 自然と涎がでてしまった。いや、しかし主の命は・・・・・・。」
ポチをじぃ~と見つめるエレナ。
「いしょにいこ、ぽち」
「いや、しかし。主・・・お肉・・・主・・・お肉・・・お肉・・お肉・お肉」
そうつぶやくポチ、そして最後のお肉という言葉をつぶやいた時、ポチに天啓が落ちる。
「お嬢、ちょいまってな。主に確認する」
この時ポチの頭にあったのは昨日の主との会話。そこから導かれる答えはこうだ。
「お嬢、主に連絡したが返答がない。なので私の判断でお嬢の外出を許可しよう。もちろん、安全のためにもちゃんと言うこと聞くんだぞ!」
「やたぁ~」
両手をあげて飛び跳ねるエレナ。涎を前足で拭うポチ。
彼らの冒険が今始まる 。 のかな?
すぅー。ぴぃー。
「え? あい、わかったれす・・・。すぅ~、ぴぃ~。あっ、いってらっさいzzzz」
かろうじて目を覚ましてベッドの上で上半身を起こし、懸命に返事をしようとするも途中で力尽きてしまう。そしてそのまま器用にも座った状態で再びの夢の中へ。それでも懸命に、頑張って戻ってくるも、最後にはやっぱり寝息を立ててベッドへ突っ伏してしまう。
半ば夢の中の住人であるエレナにクロノの声は届かない。そのことをクロノも悟ったようで、
「ポチ、頼んだよ。なんかあったら教えて。ちょっと立て込んでると応えられないかもだけど」
「承知しました、主」
いつものようにエレナのことはポチに頼まれることになる。
クロノが部屋をでて数時間が経つ。この間ポチはずっと部屋の隅でエレナが起きるのを待っていた。
「んにゃぁ~」
なんの脈絡もなくエレナが起きる。目覚めたと言っていいのか微妙なラインだが、上体は起きている。
それにしても、もう太陽は高く昇ったというのにまだまだ眠そうな幼女、エレナ。
彼女の朝は基本的には遅い。まぁ、お出かけする日などは興奮のあまりの彼女の保護者でもある少年、クロノよりも早く起きるのだが、基本的には遅い。
しばらくして眠気も少し冷めたのか、急にぶんぶんと首を振りあたりを見渡すが、目当てのものが見当たらずに少し狼狽えるエレナ。
「主なら出かけぞ、お嬢」
「へっ? そなの?」
首を傾け、ポチを見つめそう問いかける。もちろん本当に問いかけたのではなく、ただ確認のために聞いただけだ。
「おそといく?」
「前みたいに勝手に外に買い物何てしたら主にまた怒られるぞ」
「んー、ポチのばか」
そう言うとエレナはせっせと準備を始める。もちろん、外出のだ。
お気に入りの服に、お気に入りのポシェット、その他アクセサリーもしっかりと身に着け準備は万端。あとは外に出るだけだ。
「やぁー、はなちて。ぽちぃ。だめぇ~」
扉を開けようとしたエレナの服をポチが加えて引き留める。それに抗議の声を上げるエレナだが、ポチは耳を貸さない。
彼はできた召喚獣なのだ。繰り返し言おう。彼はものすごくできた召喚獣なのだ。
「どちてもだめぇ?」
「どうしてもだ。見つかって怒られるの私なんだぞ!?」
ポチは淡々と話すが、エレナも成長しているのだ。ポチを論破する秘策が彼女にはあった。
「ぽちもおにきゅたべたいしょ?」
エレナがポシェットに入った銀貨を掲げる。
「これあればたくさんたべれりゅよ!!」
この時ポチには銀貨が輝いて見えた。
ジュルリ・・・。
「はっ、これは!? 自然と涎がでてしまった。いや、しかし主の命は・・・・・・。」
ポチをじぃ~と見つめるエレナ。
「いしょにいこ、ぽち」
「いや、しかし。主・・・お肉・・・主・・・お肉・・・お肉・・お肉・お肉」
そうつぶやくポチ、そして最後のお肉という言葉をつぶやいた時、ポチに天啓が落ちる。
「お嬢、ちょいまってな。主に確認する」
この時ポチの頭にあったのは昨日の主との会話。そこから導かれる答えはこうだ。
「お嬢、主に連絡したが返答がない。なので私の判断でお嬢の外出を許可しよう。もちろん、安全のためにもちゃんと言うこと聞くんだぞ!」
「やたぁ~」
両手をあげて飛び跳ねるエレナ。涎を前足で拭うポチ。
彼らの冒険が今始まる 。 のかな?
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