ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ

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1章 異世界トラバース

1章ーE 幼女は再び冒険する②

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 意気揚々と街へ繰り出す幼女と犬。

 彼らを妨げるものはもはや何もない。

 目指すは以前行ったことのある広場。

 そこには美味しいものがたくさんあるとエレナは知っている。

 あの時は銅貨数枚しかなく、さらには男の子に分けてあげたために満足いくまで食べられなかった。

 けれど今回は違う。彼女の手には銀色に輝く硬貨があるのだ。



 そして、その歩きたるや威厳をも感じるかのようだ。


 幸か不幸かはわからないが以前少年とした買い物の時に探していたアイスだが、広場についた後もエレナは見つけることができなかった。

 アイスはお兄ちゃんといっしょに食べましょうってことだろう。

 「ぽちぃ~、どれにすりゅ? エレナはねぇ」

 とポチに話しかけるエレナ。しかしその眼はしっかりと美味しいそうなにおいをかもし出す屋台へと向いている。

 『私はたこ焼きで、お嬢頼む』

 「うんっ」

 ポチの念話にそう応えるエレナ。しかし、繰り返し言おう、彼女の顔はポチを見ていない。彼女がロックオンしたのはステーキのお店だ。

 分厚い肉を鉄板で焼く。素材その物の味を楽しむ料理。味付けは塩コショウで十分。が、そのお店には専用のソースもあり、鉄板に垂らされたソースが熱で湯気を上げて蒸発する。すると辺りには美味しそうなにおいが漂い、エレナのみならず多くの人の食指を動かす。
 
 『お、お嬢!?』

 「うんっ」

 自分の方を見ないエレナを不審に思ったポチは再びエレナを呼ぶがエレナの反応は先と同じ。いや、今回は先よりも軽くあしらわれてしまった・・・。

 『わかった、先にそのお店に行こう。たこ焼きはその――』

 ポチの声が終わるのを待たずエレナはステーキ屋さんへと駆けよる。それを追いかけるポチ。やれやれ、的なことをいうポチだがその口元には輝く液体が見えている。

 「おじちゃん、ひとちゅ」

 「おぉ、嬢ちゃんお金はあるんか?」

 「あい」

 エレナは屋台を回り込み店主のもとに行き銀貨を1枚ポシェットから取り出して手渡す。

 「おぉ、嬢ちゃんはお金持ちだな。だが、うちのドラゴンステーキはちょっと値が張るぞ。もう一枚これが必要だがあるか?」

 「あい」

 2枚目の銀貨を取り出して、店主に再び渡す。

 「よし、来た。そしたらちょっと待てな。因みに言っておくがうちのドラゴンステーキはドラゴンの肉じゃなくてそれぐらいうまいってことだからな」

 「ん?」

 「まぁ、いいか。」

 店主の説明はエレナには届かなった。けれど、彼女にとってそれは問題ではない。ただ美味しいものが食べれたらそれでいいのだ。

 ちなみにこのことが後にクロノを悩ますことになろうとは誰にもわからなかったのである。

 店主がエレナの分のステーキの準備を始める。店主が肉を鉄板の上に置くとジュゥと音が鳴る。それを聞くエレナとポチの口にはすでに唾液がいっぱいだ。

 肉が焼けるにおいが二人の鼻に届くと二人の我慢は限界を迎える。そこに、

 「嬢ちゃん、味はどうする? 塩コショウだけ、オリジナルソースの2種類あるけど」

 「ん~、ソースなの? いいにおいの」

 両手を大きく振り回し先ほどみたソースの湯気を表現する。

 「あいよ」

 店主の声と共に注がれるオリジナルのソース。熱せられた鉄板にソースが触れると、すぐにグツグツと煮立ち煙を上げる。辺りには肉の匂いとソースの香りが混ざり合ってどうにも食欲をそそる。

 「ごくっ」

 エレナの唾を飲み込む音が聞こえる。ポチは・・・・・・。

 彼の名誉の為にも言わないでおこう、涎を垂らしていたなんて。

 「お待たせって、本当に待たせまったみたいだな。そんなに楽しみにしてくれておじさんうれしいよ、サービスで塩コショウのやつも少しのせてやるか」

 「わーい、あいがとー。おじちゃん」

 「わん」

 ステーキを受け取ると二人は近くにあるベンチに腰を掛けて貪るように食べ始める。

 「んー、おいちー、うまー」

 「わん」

 しばらくの間エレナから聞こえた音は、おいちー、うまー、もぐもぐ、の3種類だけであった。

 大人用サイズだがポチとの2人分としては少し足りないものがある。なので2人は再び屋台の集まる場所へと戻っていく。

 遠くの方に2人に馴染みのある顔がいたが、二人はこの時お肉の話に夢中で気づかなかった。

 「ぽち、ドラオンのおにきゅおいちーね」

 「わん」

 「またこよーね?」

 「わん」

 広場をてくてくと歩きながらこんなことをいうエレナ。これはまた彼女はすぐに脱走をしそうだ。
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