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2.フレドリック殿下の婚約者
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第一王子フレドリック殿下の婚約者は本当ならジョゼフィーヌお姉様で決まっていたそうです。
お姉様はフレドリック殿下と同じ年で、赤い髪と赤い目がとっても綺麗ですし、活発で聡明です。
二歳下の私は、大人しくて引っ込み思案な性格。そして茶色の髪も茶色の目もちょっと地味です。
将来王様になるフレドリック殿下のお妃様にはお姉様の方が適任と誰もが判断しました。
「前世のワタクシも乗り気でしたし、周囲も歓迎致しましたわ。王太子妃教育も上手く行っておりました。でも、当のフレドリック殿下とワタクシの性格が合いませんでしたの。会えば喧嘩ばかりでしたわ」
フーッとお姉様はため息を吐きます。
でも今回はお姉様が辞退したので、フレドリック殿下の婚約者は私になりました。やっばり地味って言う人もいたそうですが、フレドリック殿下が私のことをとても気に入っているようです。
「勉強も剣術も励んで自分がエリザベートのことを守ります」
と周囲を説得したそうです。
「それを聞くと反対は出来なくてねぇ……」
とお父様とお母様はほだされたようです。
「あいつはグイグイ行く女子より、庇護欲駆り立てる系がいいようです。エリリンのような小動物がお好みなのです」
うんうんとお姉様は頷いてます。
「でも前世で殿下はジョゼフィーヌのことを……」
「ええ、前世のこととはいえ、許せませんわ」
お父様とお母様はその点はわだかまりがあるようです。
「ええ、あいつはちっとも庇ってはくれませんでしたわ。まあ、ワタクシくらい優秀ですと庇いようがありませんもの。仕方ありません。テストでもあいつが99点ならワタクシ、100点でしたもの。『こんなことも出来ませんの?おほほほっ』って自慢してやりましたのよ」
「……それは……」
「そんなこと言ってたの?ジョゼフィーヌ……」
「愛の鞭ですわ」
とお姉様は言いましたが、
『その鞭、痛すぎたんじゃあ……』
家族やクルトやセバスチャン、その場で聞いていた皆が思いました。
勉強もですが、お姉様は乗馬や剣術もお得意です。全てフレドリック殿下を負かしたそうです。
「さすがに十歳過ぎると運動系は追い抜かれましたわ。悔しかったですわ!」
とお姉様とフレドリック殿下はライバルだったようです。
では、ライバルがいない今はどうでしょう。
フレドリック殿下は元から優秀でしたが、婚約が決まって一段と勉学に励みとても優秀と噂です。
お姉様は「へんっ」と鼻を鳴らすと、不敵に笑うのでした。
「実力を確かめてやりますわ」
殿下は私と婚約してからよく公爵家に来てくれます。
三日にいっぺんくらい来てくれます。
光栄ですが、クラウン公爵家の子女として、フレドリック殿下の婚約者として、恥ずかしくない教養を身に付けないといけません。
お勉強の時間は大事です。
特に私はお姉様やフレドリック殿下のように頭が良くないので、時間を無駄には出来ないのです。
フレドリック殿下にお越し頂いてもお勉強しないといけません。
「じゃあ、一緒に勉強しよう」
とフレドリック殿下は一緒に勉強してくれることになりました。
二歳も年齢が違いますから、別々の家庭教師の先生に教わりますが、一緒の机で勉強します。
時には運動したり、庭で生き物の観察をしたり、魔法の練習をしたりします。
王家や高位貴族は魔力が強いのです。
ジョゼフィーヌお姉様はその日もお家にいらした殿下の前にずいっと立ちはだかります。
「殿下、ワタクシと勝負なさい!」
「……いいけど?(なんだこいつ?)」
成績勝負の結果は互角でした。
「前世より優秀かも知れないわ。……ぐぬぬ」
とお姉様は悔しがります。知識はお姉様が上なのですが、体の機能がまだ追いついてないようです。
一方でフレドリック殿下は、
「ジョゼフィーヌ嬢は優秀と聞いてはいたが、噂に違わぬようだな」
とお姉様のことを褒めてます。
お姉様はツンと横を向きます。
「今更『面白え女フラグ』立ててもワタクシのことは攻略出来なくてよ」
とお姉様が言うと、
「何を言っているのかまったく理解出来ない」
と怪訝そうな殿下に前世の記憶はないみたいです。
「これで勝ったと思わないことね」
捨て台詞を残してジョゼフィーヌお姉様が立ち去ると、フレドリック殿下は言いました。
「エリザベートは私のことをどう思う?」
「えっ、優秀ですごいと思います。かっこいいし優しいです」
フレドリック殿下は「そっ、そうか」と頬を赤らめます。
「エリザベートは最初、私のことを怖がっていたみたいだから。どう思われているのか心配だったんだ」
「あ……」
そうです。
最初、ジョゼフィーヌお姉様からフレドリック殿下はドグサレ二股断罪王子だと聞いていたので怖かったのですが、いつの間にか……。
「怖くなくなりました。フレドリック殿下は優しいです」
ふふっと笑ってしまいました。
すごく怖かったのに、今では怖くないです。
一緒に勉強したり、遊んだりしてくれます。
フレドリック殿下は青い瞳を優しく細めて私を見つめています。
「殿下じゃなくてフレドリックと呼んでくれ」
「ふ、フレドリック様」
「リーザって呼んで良い?」
「えっ、はい……」
いつの間にか、王子様とちょっと仲良くなりました。
お姉様はフレドリック殿下と同じ年で、赤い髪と赤い目がとっても綺麗ですし、活発で聡明です。
二歳下の私は、大人しくて引っ込み思案な性格。そして茶色の髪も茶色の目もちょっと地味です。
将来王様になるフレドリック殿下のお妃様にはお姉様の方が適任と誰もが判断しました。
「前世のワタクシも乗り気でしたし、周囲も歓迎致しましたわ。王太子妃教育も上手く行っておりました。でも、当のフレドリック殿下とワタクシの性格が合いませんでしたの。会えば喧嘩ばかりでしたわ」
フーッとお姉様はため息を吐きます。
でも今回はお姉様が辞退したので、フレドリック殿下の婚約者は私になりました。やっばり地味って言う人もいたそうですが、フレドリック殿下が私のことをとても気に入っているようです。
「勉強も剣術も励んで自分がエリザベートのことを守ります」
と周囲を説得したそうです。
「それを聞くと反対は出来なくてねぇ……」
とお父様とお母様はほだされたようです。
「あいつはグイグイ行く女子より、庇護欲駆り立てる系がいいようです。エリリンのような小動物がお好みなのです」
うんうんとお姉様は頷いてます。
「でも前世で殿下はジョゼフィーヌのことを……」
「ええ、前世のこととはいえ、許せませんわ」
お父様とお母様はその点はわだかまりがあるようです。
「ええ、あいつはちっとも庇ってはくれませんでしたわ。まあ、ワタクシくらい優秀ですと庇いようがありませんもの。仕方ありません。テストでもあいつが99点ならワタクシ、100点でしたもの。『こんなことも出来ませんの?おほほほっ』って自慢してやりましたのよ」
「……それは……」
「そんなこと言ってたの?ジョゼフィーヌ……」
「愛の鞭ですわ」
とお姉様は言いましたが、
『その鞭、痛すぎたんじゃあ……』
家族やクルトやセバスチャン、その場で聞いていた皆が思いました。
勉強もですが、お姉様は乗馬や剣術もお得意です。全てフレドリック殿下を負かしたそうです。
「さすがに十歳過ぎると運動系は追い抜かれましたわ。悔しかったですわ!」
とお姉様とフレドリック殿下はライバルだったようです。
では、ライバルがいない今はどうでしょう。
フレドリック殿下は元から優秀でしたが、婚約が決まって一段と勉学に励みとても優秀と噂です。
お姉様は「へんっ」と鼻を鳴らすと、不敵に笑うのでした。
「実力を確かめてやりますわ」
殿下は私と婚約してからよく公爵家に来てくれます。
三日にいっぺんくらい来てくれます。
光栄ですが、クラウン公爵家の子女として、フレドリック殿下の婚約者として、恥ずかしくない教養を身に付けないといけません。
お勉強の時間は大事です。
特に私はお姉様やフレドリック殿下のように頭が良くないので、時間を無駄には出来ないのです。
フレドリック殿下にお越し頂いてもお勉強しないといけません。
「じゃあ、一緒に勉強しよう」
とフレドリック殿下は一緒に勉強してくれることになりました。
二歳も年齢が違いますから、別々の家庭教師の先生に教わりますが、一緒の机で勉強します。
時には運動したり、庭で生き物の観察をしたり、魔法の練習をしたりします。
王家や高位貴族は魔力が強いのです。
ジョゼフィーヌお姉様はその日もお家にいらした殿下の前にずいっと立ちはだかります。
「殿下、ワタクシと勝負なさい!」
「……いいけど?(なんだこいつ?)」
成績勝負の結果は互角でした。
「前世より優秀かも知れないわ。……ぐぬぬ」
とお姉様は悔しがります。知識はお姉様が上なのですが、体の機能がまだ追いついてないようです。
一方でフレドリック殿下は、
「ジョゼフィーヌ嬢は優秀と聞いてはいたが、噂に違わぬようだな」
とお姉様のことを褒めてます。
お姉様はツンと横を向きます。
「今更『面白え女フラグ』立ててもワタクシのことは攻略出来なくてよ」
とお姉様が言うと、
「何を言っているのかまったく理解出来ない」
と怪訝そうな殿下に前世の記憶はないみたいです。
「これで勝ったと思わないことね」
捨て台詞を残してジョゼフィーヌお姉様が立ち去ると、フレドリック殿下は言いました。
「エリザベートは私のことをどう思う?」
「えっ、優秀ですごいと思います。かっこいいし優しいです」
フレドリック殿下は「そっ、そうか」と頬を赤らめます。
「エリザベートは最初、私のことを怖がっていたみたいだから。どう思われているのか心配だったんだ」
「あ……」
そうです。
最初、ジョゼフィーヌお姉様からフレドリック殿下はドグサレ二股断罪王子だと聞いていたので怖かったのですが、いつの間にか……。
「怖くなくなりました。フレドリック殿下は優しいです」
ふふっと笑ってしまいました。
すごく怖かったのに、今では怖くないです。
一緒に勉強したり、遊んだりしてくれます。
フレドリック殿下は青い瞳を優しく細めて私を見つめています。
「殿下じゃなくてフレドリックと呼んでくれ」
「ふ、フレドリック様」
「リーザって呼んで良い?」
「えっ、はい……」
いつの間にか、王子様とちょっと仲良くなりました。
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