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18.絶対阻止!騎士団壊滅イベント1
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王立学園高等部と騎士学校の交流試合会場に来ております。
フレドリック殿下が出場なさいますので、その応援です。
騎士学校は九割以上が男子生徒です。皆ムキムキです。
出場生徒もムキムキですが、観戦する生徒もムキムキです。
皆さん声も大きくて、私とジョゼフィーヌお姉様とクルトは貴賓席で観戦していましたが、一般席に座る生徒達の話し声は少し離れた貴賓席まで届きました。
「フレドリック王子様って王立学園だろう?随分細っこい優男だし、試合になるのかよ」
「フレドリック殿下、魔王討伐した英雄じゃん」
「まあ、そうだけど、あの話、本当かよ」
「魔王が討伐されたのは三年前、王子はまだ十五歳だろう。おおかた王家が用意した作り話じゃないか?」
魔王は三年前、フレドリック殿下と二人の騎士、セーガン卿とデュモンド卿、私とクルトが封印しましたが、フレドリック殿下が黒騎士の覚醒者であることは公には明かされていません。
そして私が封印の聖女であることも秘密です。
「殿下の強さは実際、見ないと分かんないですよね」
とクルトは小さい声で言いました。
「ねー」
私も小さい声で同意します。
フレドリック殿下はとっても強いんです。あっという間に自分より十センチ以上背の高い騎士学校の生徒を倒してしまいました。
「勝者、フレドリック殿下」
試合が終わると、フレドリック殿下はキョロキョロと観客席を見回し――。
「あっ」
貴賓席の私と目が合うとニコッと微笑んで、手を振ってくれました。
「キャー、フレドリック様ぁ」と近くで女の子の悲鳴がしました。
アンナさんです。
「私に手を振ってくれるなんて……」
アンナさんは両頬に手を当てて、感動してます。
「えっ、明らかに今、エリザベートお嬢様に振ってましたよね」
クルトが呆然としてます。
「う、うん……」
アンナさんはお友達の騎士団長の令息の応援に来たみたいです。
ちなみにアリシアさんとロシェさんも出場してます。
結果は、フレドリック殿下の優勝です!
騎士学校の生徒達は、
「やっぱり英雄つええ」
ってなりました。
アリシアさんとロシェさんもいい成績が残せたようです。
良かったです。
時刻は丁度お昼です。
今日は天気もいいので、お昼は騎士学校のお庭のテラスで頂きます。目の前は馬用の芝生になっていて景色が良いです。
特別に騎士学校の昼食メニューを食べさせて貰いました。
肉肉肉で、量が多いです。
「フレドリック様、優勝おめでとうございます」
「ありがとう。リーザの前で恥ずかしいところ見せられないから頑張ったよ」
そんなことを言われると頬が赤くなります。
「かっ、格好良かったです」
「リーザ……」
ご飯を食べている時に馬のいななきが聞こえます。
……早馬ですかね。
やがて焦った様子の騎士がやってきて、今日のフレドリック殿下の護衛であるデュモンド卿に何やら囁きます。
デュモンド卿はそれを聞くと、顔をこわばらせて、「殿下!」と大股で駆けてきます。
「グロブの森にて魔物討伐の任に当たっていた騎士団が甚大な被害を受けたようです。殿下にも応援要請が参りました」
グロブの森はこの騎士学校のすぐそばの森です。馬では15分くらいでしょうか。
「何?」
とフレドリック殿下も顔色を変えます。
カシャと音がして、ジョゼフィーヌお姉様が手にしていたスプーンを落としました。
「ジョゼフィーヌお姉様?」
顔色がものすごく悪いです。おまけに体が震えています。
「……そんな、今日だったの?」
フレドリック殿下はすぐに号令を発します。
「すぐに行く。リーザ達は帰って…」
「お待ちください、殿下」
声の主は、お姉様でした。
見たこともないくらい真剣な表情で、お姉様はフレドリック殿下に言いました。
「大暴走の可能性があります。エリザベートとクルトもお連れください」
「何?大暴走?」
大暴走は魔物が突然大量に出現する謎の現象です。
グロブの森は王都のすぐ側です。大暴走を押さえ込めねば大変なことになってしまいます。
大暴走と聞いて周囲も顔色を変えます。
「はい、殿下がいくらお強くても一人では多勢に無勢。回復魔法使いが必要です」
「殿下、お話中、失礼致します」
と騎士学校の教師の方でしょうか、体格の良い中年の男性が話に割って入ってきました。
「許す」
「騎士学校からも応援を出します」
「分かった。人選は任せる」
「はっ。聞いたか、諸君。名前を呼ばれた者は前に!装備を調え次第、出発する」
すぐに騎士学校の生徒達も動き出します。
フレドリック殿下も私達に言いました。
「リーザ、クルト、行ってくれるか」
「はい」
「もちろんです!」
「殿下」
とお姉様が前に出ました。
「ワタクシもどうかお連れください」
「えっ、お姉様……」
フレドリック殿下はもちろん止めました。
「ジョゼフィーヌ嬢、あなたは令嬢だ。危険だからここにいてくれ」
「確かにワタクシは戦えませんが、エリザベートの盾にはなれます。エリザベートはワタクシが守ります」
フレドリック殿下はジョゼフィーヌお姉様を見つめ、ジョゼフィーヌお姉様もフレドリック殿下をじっと見返します。
「分かった」
「えっ、殿下、危険ですよ」
とクルトがあわてて止めます。
「言い争っている時間はない。私はすぐに行く。デュモンド、応援を率いて後から来い。クルトとエリザベートとジョゼフィーヌ嬢は私に掴まれ」
「えっ、あ、アレですか?」
クルトがちょっと情けない悲鳴を上げました。
転移魔法は酔うんです。
***
私達は、フレドリック殿下と共に転移魔法で一瞬のうちにグロブの森へ転移しました。
そこはひどい状況でした。
魔物が群れを成して騎士達を襲っています。
フレドリック殿下は懸命に応戦する騎士団の前に出ました。
「セーガン!」
「殿下っ!」
セーガン卿です。額から血がダラダラ垂れてます!
「いっ、今、治します」
「いえ、エリザベート様、それより部下をお願いします」
部下の人達もひどいです。
五十人くらいの騎士がいて、皆傷を負っています。
そのうち、重傷者は二十人を越えてます。
「ど、どうしましょう?エリザベートお嬢様、ここで治療しますか?」
動かしては死んでしまう人も居そうです。ここで治療するしかありませんが、どうしたらいいの?
その時でした。
「エリリン、クルト、お姉様に任せなさい」
とジョゼフィーヌお姉様の声がしました。
「炎の壁」
お姉様が呪文を唱えると、ゴオオオッと高さ一メートルの炎の壁が出現します。
前面と側面はフレドリック殿下と騎士達が守ってくれます。そして裏はこの炎の壁。
これなら敵は入ってこれません。
「魔物達はワタクシが一歩も入れません。エリリンとクルトは早く治療を!」
「はい!お姉様」
「分かりました、お嬢様」
「フレドリック殿下!エリザベート様!ジョゼフィーヌ様!」
夢中で治療しているうちに、デュモンド卿や騎士学校の生徒達も応援に来てくれました。アリシアさんやロシェさんもいます。
「応急処置が終わった重傷者の搬送をお願いします!」
「はい」
「簡易ベッドを持ってきました」
「怪我人を連れてきてください!」
戦いは続いてます。
大暴走が終わったのは、二日後のことでした。
フレドリック殿下が出場なさいますので、その応援です。
騎士学校は九割以上が男子生徒です。皆ムキムキです。
出場生徒もムキムキですが、観戦する生徒もムキムキです。
皆さん声も大きくて、私とジョゼフィーヌお姉様とクルトは貴賓席で観戦していましたが、一般席に座る生徒達の話し声は少し離れた貴賓席まで届きました。
「フレドリック王子様って王立学園だろう?随分細っこい優男だし、試合になるのかよ」
「フレドリック殿下、魔王討伐した英雄じゃん」
「まあ、そうだけど、あの話、本当かよ」
「魔王が討伐されたのは三年前、王子はまだ十五歳だろう。おおかた王家が用意した作り話じゃないか?」
魔王は三年前、フレドリック殿下と二人の騎士、セーガン卿とデュモンド卿、私とクルトが封印しましたが、フレドリック殿下が黒騎士の覚醒者であることは公には明かされていません。
そして私が封印の聖女であることも秘密です。
「殿下の強さは実際、見ないと分かんないですよね」
とクルトは小さい声で言いました。
「ねー」
私も小さい声で同意します。
フレドリック殿下はとっても強いんです。あっという間に自分より十センチ以上背の高い騎士学校の生徒を倒してしまいました。
「勝者、フレドリック殿下」
試合が終わると、フレドリック殿下はキョロキョロと観客席を見回し――。
「あっ」
貴賓席の私と目が合うとニコッと微笑んで、手を振ってくれました。
「キャー、フレドリック様ぁ」と近くで女の子の悲鳴がしました。
アンナさんです。
「私に手を振ってくれるなんて……」
アンナさんは両頬に手を当てて、感動してます。
「えっ、明らかに今、エリザベートお嬢様に振ってましたよね」
クルトが呆然としてます。
「う、うん……」
アンナさんはお友達の騎士団長の令息の応援に来たみたいです。
ちなみにアリシアさんとロシェさんも出場してます。
結果は、フレドリック殿下の優勝です!
騎士学校の生徒達は、
「やっぱり英雄つええ」
ってなりました。
アリシアさんとロシェさんもいい成績が残せたようです。
良かったです。
時刻は丁度お昼です。
今日は天気もいいので、お昼は騎士学校のお庭のテラスで頂きます。目の前は馬用の芝生になっていて景色が良いです。
特別に騎士学校の昼食メニューを食べさせて貰いました。
肉肉肉で、量が多いです。
「フレドリック様、優勝おめでとうございます」
「ありがとう。リーザの前で恥ずかしいところ見せられないから頑張ったよ」
そんなことを言われると頬が赤くなります。
「かっ、格好良かったです」
「リーザ……」
ご飯を食べている時に馬のいななきが聞こえます。
……早馬ですかね。
やがて焦った様子の騎士がやってきて、今日のフレドリック殿下の護衛であるデュモンド卿に何やら囁きます。
デュモンド卿はそれを聞くと、顔をこわばらせて、「殿下!」と大股で駆けてきます。
「グロブの森にて魔物討伐の任に当たっていた騎士団が甚大な被害を受けたようです。殿下にも応援要請が参りました」
グロブの森はこの騎士学校のすぐそばの森です。馬では15分くらいでしょうか。
「何?」
とフレドリック殿下も顔色を変えます。
カシャと音がして、ジョゼフィーヌお姉様が手にしていたスプーンを落としました。
「ジョゼフィーヌお姉様?」
顔色がものすごく悪いです。おまけに体が震えています。
「……そんな、今日だったの?」
フレドリック殿下はすぐに号令を発します。
「すぐに行く。リーザ達は帰って…」
「お待ちください、殿下」
声の主は、お姉様でした。
見たこともないくらい真剣な表情で、お姉様はフレドリック殿下に言いました。
「大暴走の可能性があります。エリザベートとクルトもお連れください」
「何?大暴走?」
大暴走は魔物が突然大量に出現する謎の現象です。
グロブの森は王都のすぐ側です。大暴走を押さえ込めねば大変なことになってしまいます。
大暴走と聞いて周囲も顔色を変えます。
「はい、殿下がいくらお強くても一人では多勢に無勢。回復魔法使いが必要です」
「殿下、お話中、失礼致します」
と騎士学校の教師の方でしょうか、体格の良い中年の男性が話に割って入ってきました。
「許す」
「騎士学校からも応援を出します」
「分かった。人選は任せる」
「はっ。聞いたか、諸君。名前を呼ばれた者は前に!装備を調え次第、出発する」
すぐに騎士学校の生徒達も動き出します。
フレドリック殿下も私達に言いました。
「リーザ、クルト、行ってくれるか」
「はい」
「もちろんです!」
「殿下」
とお姉様が前に出ました。
「ワタクシもどうかお連れください」
「えっ、お姉様……」
フレドリック殿下はもちろん止めました。
「ジョゼフィーヌ嬢、あなたは令嬢だ。危険だからここにいてくれ」
「確かにワタクシは戦えませんが、エリザベートの盾にはなれます。エリザベートはワタクシが守ります」
フレドリック殿下はジョゼフィーヌお姉様を見つめ、ジョゼフィーヌお姉様もフレドリック殿下をじっと見返します。
「分かった」
「えっ、殿下、危険ですよ」
とクルトがあわてて止めます。
「言い争っている時間はない。私はすぐに行く。デュモンド、応援を率いて後から来い。クルトとエリザベートとジョゼフィーヌ嬢は私に掴まれ」
「えっ、あ、アレですか?」
クルトがちょっと情けない悲鳴を上げました。
転移魔法は酔うんです。
***
私達は、フレドリック殿下と共に転移魔法で一瞬のうちにグロブの森へ転移しました。
そこはひどい状況でした。
魔物が群れを成して騎士達を襲っています。
フレドリック殿下は懸命に応戦する騎士団の前に出ました。
「セーガン!」
「殿下っ!」
セーガン卿です。額から血がダラダラ垂れてます!
「いっ、今、治します」
「いえ、エリザベート様、それより部下をお願いします」
部下の人達もひどいです。
五十人くらいの騎士がいて、皆傷を負っています。
そのうち、重傷者は二十人を越えてます。
「ど、どうしましょう?エリザベートお嬢様、ここで治療しますか?」
動かしては死んでしまう人も居そうです。ここで治療するしかありませんが、どうしたらいいの?
その時でした。
「エリリン、クルト、お姉様に任せなさい」
とジョゼフィーヌお姉様の声がしました。
「炎の壁」
お姉様が呪文を唱えると、ゴオオオッと高さ一メートルの炎の壁が出現します。
前面と側面はフレドリック殿下と騎士達が守ってくれます。そして裏はこの炎の壁。
これなら敵は入ってこれません。
「魔物達はワタクシが一歩も入れません。エリリンとクルトは早く治療を!」
「はい!お姉様」
「分かりました、お嬢様」
「フレドリック殿下!エリザベート様!ジョゼフィーヌ様!」
夢中で治療しているうちに、デュモンド卿や騎士学校の生徒達も応援に来てくれました。アリシアさんやロシェさんもいます。
「応急処置が終わった重傷者の搬送をお願いします!」
「はい」
「簡易ベッドを持ってきました」
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