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05.レッスン1:キス③
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「正気ですか?」
私は唖然としてアラン様達に言った。
「一回だけ、ちょっとでいいから舐めさせてあげてください」
「えー、なんか汚くないですか?」
と私が聞くと、アラン様は否定した。
「ないですない、ねっ、王子」
だが、王子は戸惑うように少々眉をひそめた。
「舐める……か。確かに抵抗がある」
初めて王子と意見が合いました。
「ですよね、舌ですよ、べろ」
「ああ、ちょっとな」
「ないですよねー」
意気投合です。
「王子、さっき、エルシー様の手、舐めたがったじゃないですか」
「手は舐めたいが……舌は特に」
と王子は言った。
私はさっと手を王子から隠した。
「王子、舌は舐めるとすごく気持ちいいですよ」
とテレンス様が言った。
ピクリと王子は反応した。
「気持ちいい……」
その瞬間、王子は私を裏切った。
「一回だけしよう」
「えー」
戦いましたが、三対一なのです。
仕方ないので舌を舐めさせることになりました。
「いっかいらけれすよ(一回だけですよ)」
「ああ」
王子は私の舌を舐めた。
ビクッとなった。
気持ち……いいのか?
とにかくビクッとなった。
どうしよう、ちょっとドキドキする。
そっと王子を見る。
王子、頬が赤い。
「あの、どうでしたか?」
「どうしよう、気持ち良かった。気持ちいい理由が分からない……がキュンとした」
と彼も戸惑っている。
「王子の舌も舐めてあげたらいいと思います」
とアラン様が言う。
「えっ?」
「舐められると舐めるのは違います」
「えっ、そうなんですか」
「いっ、一回だけ……」
と王子が言った。
「そうですね、一回だけ……」
舐めた。
違いは分かるような分かんないような……。
とにかくドキドキする。
「レロレロするともっと気持ちいいのです」
「レロレロとは?」
と王子は興味津々だ。
「舌を舐め合うんです」
「舌を、舐め合う……」
そう呟くと彼はじっと私を見る。
「……どうだろうか」
王子様にどうだろうかって言われると令嬢的に逆らいにくいですよ、やっぱり。
それにちょっと興味がなかったわけでもなくて……。
と言うことで、「ちょっとだけ……」
レロレロすることにしました。
王子が私の舌を舐め、私も王子の舌を舐める。
あ、これ、気持ちいい。
「……んっ」
王子が私の首筋に添えた手を強く引いて自分の方に引き寄せようとする。
互いにおそるおそる舌先だけだったはずのなめ合いが、王子はキス出来るくらい顔を近づけ私の舌を大きく絡め取るようにそして激しく舐めようとした。
――怖い。
思わず体を引き、舌も引っ込めたが、彼はそのまま私の舌を追いかけるように口の中に入り込む。
「!!!」
がっちり頭を押さえつけると王子は私の口の中を舐め始めた。
「んっ!んんっ!!」
口の中を王子の舌が這い回る。
息が出来なくて苦しい。
「んっ、んんんっ!!!」
私は王子の胸を叩いて押し返そうとしたが、びくともしない。
それどころか私を押さえ込もうとさらに彼はきつく抱きしめてくる。
涙が出てきたが、王子はさらに舌を口の中に突っ込もうとしてくる。
「エルシー様、鼻で息吸うの。鼻で。落ち着いたら出来るから」
「王子、もう駄目だから、止めなさい」
と騎士二人があわてて割って入ってくれなかったら、多分酸欠で死んでた。
「うわぁん、怖かったよう」
***
怖かったので、王子には離れて貰った。
私達は長椅子の端と端に座っている。
少しは悪かったと思うのか、王子は大人しく私に従った。
「すまない、気持ち良くて理性が飛んだ」
「理性、飛ばさないでしっかりしてください!」
危うく死ぬところだったので、私は王子にビシッと言った。
「いや、でもあれ気持ち良かったから、君は?」
「怖かったです。もうしません」
「えっ……」
「しません!」
そんな悲しそうに打ちひしがれても無駄です。
「あのね、エルシー様、あれ、夫婦の挨拶なの」
とアラン様が言った。
「えっ、そうなんですか?」
「そうなの、あれ、夫婦は朝晩毎日するものなの。あれしないと赤ちゃん出来ないの」
「おい」
と横で何故かテレンス様がアラン様の脇腹をつついた。
「えっ……」
そんなの知らない。
世の中のご夫婦はあんな危険な行為を朝晩しているのか?
「でも王子が悪いから怖くないベロチュー練習しましょう。王子もね、お妃様、怖がらせたら駄目。もっと自制しろ」
「悪かった」
「ね、エルシー様、王子もこう言ってるから、練習しましょう。今度は怖くないから」
「えー」
私は疑いが拭えない。
「これ終わったら休憩だから。お茶とケーキ食べましょう。王宮、お茶もケーキも美味しいから」
でも王子は反省しているみたいだし、それに……。
「ケーキ……」
私は唖然としてアラン様達に言った。
「一回だけ、ちょっとでいいから舐めさせてあげてください」
「えー、なんか汚くないですか?」
と私が聞くと、アラン様は否定した。
「ないですない、ねっ、王子」
だが、王子は戸惑うように少々眉をひそめた。
「舐める……か。確かに抵抗がある」
初めて王子と意見が合いました。
「ですよね、舌ですよ、べろ」
「ああ、ちょっとな」
「ないですよねー」
意気投合です。
「王子、さっき、エルシー様の手、舐めたがったじゃないですか」
「手は舐めたいが……舌は特に」
と王子は言った。
私はさっと手を王子から隠した。
「王子、舌は舐めるとすごく気持ちいいですよ」
とテレンス様が言った。
ピクリと王子は反応した。
「気持ちいい……」
その瞬間、王子は私を裏切った。
「一回だけしよう」
「えー」
戦いましたが、三対一なのです。
仕方ないので舌を舐めさせることになりました。
「いっかいらけれすよ(一回だけですよ)」
「ああ」
王子は私の舌を舐めた。
ビクッとなった。
気持ち……いいのか?
とにかくビクッとなった。
どうしよう、ちょっとドキドキする。
そっと王子を見る。
王子、頬が赤い。
「あの、どうでしたか?」
「どうしよう、気持ち良かった。気持ちいい理由が分からない……がキュンとした」
と彼も戸惑っている。
「王子の舌も舐めてあげたらいいと思います」
とアラン様が言う。
「えっ?」
「舐められると舐めるのは違います」
「えっ、そうなんですか」
「いっ、一回だけ……」
と王子が言った。
「そうですね、一回だけ……」
舐めた。
違いは分かるような分かんないような……。
とにかくドキドキする。
「レロレロするともっと気持ちいいのです」
「レロレロとは?」
と王子は興味津々だ。
「舌を舐め合うんです」
「舌を、舐め合う……」
そう呟くと彼はじっと私を見る。
「……どうだろうか」
王子様にどうだろうかって言われると令嬢的に逆らいにくいですよ、やっぱり。
それにちょっと興味がなかったわけでもなくて……。
と言うことで、「ちょっとだけ……」
レロレロすることにしました。
王子が私の舌を舐め、私も王子の舌を舐める。
あ、これ、気持ちいい。
「……んっ」
王子が私の首筋に添えた手を強く引いて自分の方に引き寄せようとする。
互いにおそるおそる舌先だけだったはずのなめ合いが、王子はキス出来るくらい顔を近づけ私の舌を大きく絡め取るようにそして激しく舐めようとした。
――怖い。
思わず体を引き、舌も引っ込めたが、彼はそのまま私の舌を追いかけるように口の中に入り込む。
「!!!」
がっちり頭を押さえつけると王子は私の口の中を舐め始めた。
「んっ!んんっ!!」
口の中を王子の舌が這い回る。
息が出来なくて苦しい。
「んっ、んんんっ!!!」
私は王子の胸を叩いて押し返そうとしたが、びくともしない。
それどころか私を押さえ込もうとさらに彼はきつく抱きしめてくる。
涙が出てきたが、王子はさらに舌を口の中に突っ込もうとしてくる。
「エルシー様、鼻で息吸うの。鼻で。落ち着いたら出来るから」
「王子、もう駄目だから、止めなさい」
と騎士二人があわてて割って入ってくれなかったら、多分酸欠で死んでた。
「うわぁん、怖かったよう」
***
怖かったので、王子には離れて貰った。
私達は長椅子の端と端に座っている。
少しは悪かったと思うのか、王子は大人しく私に従った。
「すまない、気持ち良くて理性が飛んだ」
「理性、飛ばさないでしっかりしてください!」
危うく死ぬところだったので、私は王子にビシッと言った。
「いや、でもあれ気持ち良かったから、君は?」
「怖かったです。もうしません」
「えっ……」
「しません!」
そんな悲しそうに打ちひしがれても無駄です。
「あのね、エルシー様、あれ、夫婦の挨拶なの」
とアラン様が言った。
「えっ、そうなんですか?」
「そうなの、あれ、夫婦は朝晩毎日するものなの。あれしないと赤ちゃん出来ないの」
「おい」
と横で何故かテレンス様がアラン様の脇腹をつついた。
「えっ……」
そんなの知らない。
世の中のご夫婦はあんな危険な行為を朝晩しているのか?
「でも王子が悪いから怖くないベロチュー練習しましょう。王子もね、お妃様、怖がらせたら駄目。もっと自制しろ」
「悪かった」
「ね、エルシー様、王子もこう言ってるから、練習しましょう。今度は怖くないから」
「えー」
私は疑いが拭えない。
「これ終わったら休憩だから。お茶とケーキ食べましょう。王宮、お茶もケーキも美味しいから」
でも王子は反省しているみたいだし、それに……。
「ケーキ……」
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