竜騎士王子のお嫁さん！

62．媚薬エッチ②

「このまま乗れ」
　と王子が言った。
「…………？」
　意味が分からない。

「首に手を回せ。離すなよ」
　そう言って、私の手を自分の首に回させる。
　私は王子にまたがったような恰好だ。
　王子は腰を掴んで私を持ち上げるようにすると、膣に自分のあれを宛がった。
「……ひぁっ」
　触れただけなのにもう気持ち良くて、のけぞっちゃった。
　言われてたのに腕を離しそうになる。

　王子は私の腰を掴んで支えている。
「そのままゆっくり腰を下ろせ」
　ゆっくり……のつもりだったけど、早かったみたいで、私は悲鳴を上げた。
「…ひゃん！」
「だからゆっくりだと言ってるだろう」

「はっ…はぁっ…」
　ずぶっとあれが中に入ってる。
「…あ…あ、あふっ！」
　奥にあれが当たった瞬間にイっちゃった。

「入れただけでイったか」
「グレン様ぁ……」
　意地悪なこと言う割に王子は優しく私の背中を撫でる。
「このような形で憧れの対面座位を果たそうとは……動いてみろ」
「うっ…うん」
　私は王子の上で腰を上下に動かした。

「はっ…あっ…やんっ……あっ…あっ……」
　すっごく気持ち良かった。
　王子のあれは中で大きくなって、固くて何度もイっちゃった。
　苦しいのに、でも腰を動かすのを止められない。

　王子はずっと私を見つめている。
　腰に手を添えて私を支えていてくれたが、やっばり自分からは何もしない。

　だけど。
「そろそろ駄目だな」
　と口惜しげに呟くと、王子は私の腰をグッと掴んで、下から突き上げ始めた。
「あっ…ああんっ…」

「すごい。これ、すごい……！」
　うわごとみたいにそう叫んじゃう。
「……エルシー」
　王子が私の名前を呼んで、きつく私を抱きしめる。
「…グレン様……！」
　王子と一緒に私もイっちゃった。



　終わったけど、王子はあれを私の体から抜かなかった。
「……あっ……！」
　短い休息の後、またあれがおっきくなる。
　喜色っていうのかな、自分でもいやらしいなって分かる声を上げて喜んじゃった。

　でもそのままおっきくなったあれに乗って腰を動かす。
　またすぐイっちゃった後、何だか力が抜けて上手く、腰を動かせなくなる。

　腰に力が入らなくてフラフラしてる。
　王子は焦れたみたいに私を押し倒した。

　いつものように私を下にした、正常位……だと思ったら、彼は自分の両肩に私の足を乗っけた。
「あっ…！奥まで来る……」
　いつもと違う体位に怖いなと思う間もなく王子は深く貫くようにあれを沈めてきた。
　彼は私の一番奥を突いてくる。
　痛くて苦しいのに。
「こっ……これ好きぃ」
「ここか？」
　と王子が奥のところぐりぐりする。

「あっ！あっ！ゃっ、いい……そこ……ああんっ！」





　＊＊＊

　終わった後、放心してぼーっとしている私を王子は覗き込んでくる。
「エルシー、どうだ？少し眠れるか？」
「あの……まだ……」
　エッチしたい。
　その先は恥ずかしくて言えずにもごもごした。
　さっきよりはちょっとだけ正気になったので、言いたいけど、言えない。
　体は疲れ切ってもいた。
　こんなに何度もエッチしたことない。
　でも王子がただ囁く息だけで体がむずがゆくなる。

　だけど、王子は私の様子を見ていたわるように頷く。
「分かってる。まだしたいんだな。薬の効果は長くても二、三時間だから、寝られないならした方が楽だろう」


　王子は両手で私の胸を揉み始めた。
「あっ…あふっ…あっ…！」
「今日は痛がらないな」
　王子がいつもより強めにむにむに揉むから手の中で胸が形が変わる。
「ゃんっ！」
　王子はすぐに感じてきた乳首をくわえると、軽く歯でしごいてくる。
「…あん…あっ……もうぅ…いじらないで…」

　王子は私の股間を撫でてきた。
「……！」
　それだけで体が跳ねてしまう。
「本当にびしょびしょだな。ここってこんなになるのか……」
　王子は感慨深げに呟く。
　王子は私に四つん這いの体位を取らせた。
「くぅぅぅ……」
　あれが、入ってくる。
　苦しいのに、気持ちいい。
　王子は奥のところに擦るように当ててくる。
「あっ、そこ……あっ……！」
　熱くて固いのに何度も揺さぶられる。
　腰と腰がぶつかって、ぬちゃっとかぐちょっとか、何だか恥ずかしい音が立つ。
　そのうち、両腕が体を支えてられなくて、ガクンと崩れた。
「ひっ、…ひゃ……はっ……あっ…！」





　＊＊＊

　何度もイっちゃって朦朧として何だか分かんなくなった頃。
「エルシー」
　王子は抱きしめてキスしてきた。
「グレン様……」
「大丈夫か？」
　私も王子にすがりつくように彼の首に腕を回す。
「駄目……死んじゃいそう……」
　息も絶え絶えで、私は王子に言った。


「……もうそろそろ香も切れるだろう。少し眠れそうか？」
「はい」
　と答えたが、何だかまだ頭の奥では興奮状態が続いている。
　すぐには眠れそうになかった。
　でもこれ以上、したら死んじゃう……。

「……あの、すごかったです。竜涎香」
　そう言うと、王子は遠い目をした。何か乗り越えちゃった人の目だ。
「ああ、……きついな」

「あの薬、グレン様も一週間嗅いだんですよね？」
「嗅いだ。だけど面白い。あれは一般には惚れ薬として使われているんだ」
　王子にさらに顔を近づける。
　王子の息が掛かるのがこそばゆい。
「惚れ薬？」
「そう。匂いを嗅ぐと目が潤んで、頬が赤くなる。それがまるで恋しているように見えるらしい。確かにそうだな、こうしてみるとエルシーが俺に恋しているようだ……」

　あ……。
　それを聞いて、私は思い出した。
「私、あの時、クラリッサさんのこと見てたグレン様が恋しちゃったんじゃないかと思ったんです」
　と言うと、王子は眉をひそめた。
「香の匂いを嗅いだから確かにそう見えたかもしれんが……。あの女に恋などはしてない」
　きっぱりそう言う王子が嘘をついているようには見えない。

「むしろエルシーに欲情したが、あの女の魂胆を突き止めねばならないから断腸の思いで実家に行かせて、ようやく取り戻したと思ったら……お前はすでに俺のことなどどうでも良くなっていた……」
　と王子は嘆いた。
「どうでも良くないですよ。すごく好きだけど無理だから諦めようと思ったんです」
「人の了解も得ずに諦めるな！」
　と王子は怒った。
「はい、だからまた好きになってもいいですか？」