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間話
32話:テレンスとレックス(西の砦)
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グレン王子が率いる竜の騎士団が王国の西の砦と呼ばれる街に降り立ったのは、王子達が王都を出て二日目のことであった。
「王子、お疲れ様です。皆もよく来たな」
出迎えたのは、竜騎士レックス・アチソンであった。
昔、西の国と大きな戦争があった頃は最前線にあった要塞だった。
戦に備え、竜と竜騎士が一人この地に常駐しているが、それから三十年が経ち、今では西の国は友好国の一つとなり、砦は他の街と変わらぬ栄えた街と化している。
竜がいると狼や熊など害獣が近寄らない。そのため治安も良い。
グレン王子が持つ公爵領の一つで、レックスは城主代理として平和だが、竜騎士としては少々退屈な日々を送っていた。
騒がれるのを好まないグレン王子の意向もあって宴は開かれず、晩餐はレックスと一行だけで気楽にとることになった。
竜騎士は全員が気心が知れた仲間のような存在だ。
従騎士と呼ばれる騎士志願の見習い達や、見回りの最中で才能のありそうな子を見つけ竜騎士の弟子にして教育を受けさせる。
三十人に満たない竜騎士とその弟子達は家族のようにして暮らす。
竜騎士レックスは三十四歳。
グレン王子は竜騎士団の団長であり、尽くすべき主君であったが、同時に弟のような存在でもあった。
弟として見るとグレン王子はいささか手間の掛かる男であった。
近況を語り合う夕食会は身内だけとあって気の置けないやりとりになる。
「そういえば、王子の妃殿下が決まったらしいな?どんな子だ?」
レックスは、テレンスにこう尋ねたが、グレン王子が答えた。
「美しい。天使のような乙女だ」
頬は紅潮し、熱に浮かされたような声だ。
レックスは弟とも思うグレン王子の様子に喜んだが、その言動には少々引く。
――天使?
「そうですか、随分と美しい方のようで……」
「いやいや、待て。天使はない。可愛いが、美しい……かは人による。とにかく十六歳でまだ子供だ」
と三十六歳になるテレンスは訂正する。
席はホストであるレックスの右隣がグレン王子、テレンスはレックスの左隣に座り、王子と向かい合わせになっている。
飯くらいは落ち着いて食いたい。
そう思うテレンスだったが、実に残念な席順となっている。
グレン王子は鴨肉を食べる手を止め、テレンスに言った。
「エルシーは美しい」
「王子がそうおっしゃるならそれで」
テレンスは多少投げやりに答える。
「お相手は十六歳。王子は二十六歳におなりか。十歳違い、初々しい方のようだ。さぞかし可愛いことでしょう」
レックスが茶化すと、グレン王子は頬を染めたが、テレンスはここ数日のゴタゴタを思い出しげんなりした。
「他人事だと思って。王子も王子です。こちらがどれほど気を揉んだことか」
「何かあったのか?」
面白がって尋ねてくるレックスにテレンスはここぞと愚痴った。
「大ありだ。王子が途中でお手つきはしないと言い出して」
身分の低い娘を王太子である王子の正妃にするためテレンス達は散々骨を折った。
王都にいないレックスも、公爵領の領主代行として賛成の意を示すなど協力した一人だ。
「なんだ、例のあの妃殿下にするとかしないとかは上手く行かなかったのか?」
「その方は、子爵令嬢でエルシー様とおっしゃる。何というか、ちょっと変わっているというか、度胸はあったな。まあ、十六歳だから何処まで分かっているのかは怪しいが、落ち着いていて助かった。あの方が妃殿下だ」
「へぇ。良かったじゃないか。お前達も認めたのなら間違いはあるまい。可愛い子か?」
「まあ、可愛いは可愛い。何となくだが守ってやりたくなるような、そんな感じの子……いや方だ」
共に来た数名の竜騎士達もテレンスの言葉に頷いた。
「そりゃあ、見てみたいな」
グレン王子はそういう一同を見て、ムッとしたようににらんだ。
テレンスはうんざりした口調で言った。
「王子、性的な意味はありません」
グレン王子にはエルシーが絶世の美少女に見えているようだが、テレンスの目から見ると二十歳も年下の少女だ。あまりにも子供じみている。
レックスも同意した。
「王子の妃殿下です。あなたの持ち物に手出しをするような度胸がある奴は国内におりません。ご安心を」
「……ならば良い。あれは俺のだ」
レックスはそんなグレン王子の態度が意外であった。
グレン王子にお妃を宛がう話は何度も出ていた。
その度にグレン王子は嫌がっていた。今度も城の重鎮らに押し切られる形で開かれたお妃選びと聞いていた。
むしろ次にグレン王子に会った時は妻だか妾だかを娶らされて意気消沈する王子をいかに慰めようかと頭を悩ませていた。
テレンスに囁く。
「なあ、もしかして王子はその子に本気なのか?」
「本気らしいな。初恋だし、なんかすごかったぞ。繁殖期の雄竜みたいにエルシー様の後追いしていた」
「はははっ、繁殖期の竜。それはすごいな。俺も見たかった」
「笑い事じゃない」
「いや、良かったじゃないか。ゲルボルグ様々だ。ゲルボルグが選ばれねば、身分的にも巡り会えるお二人ではない。引き合わされる運命だったんだろう。運命の恋人だな。実に良かった」
「そんな大事な妃殿下置いて見回りとは。断腸の思いですな」
とレックスがからかうと、グレン王子も頷いた。
「これほど別れが辛いとは思わなかった。だがエルシーが待っていると思うと帰るのが楽しみでもある……待っているはずだ」
「そりゃ、待ってるでしょう。待ってないの?」
「それが……エルシー様はなんか変わってて、だが待ってると思う。多分」
「だからなんで多分なんだよ。妃殿下は待つだろう。普通」
「一応、アランも置いてきたし、行き違いにはなったが、ジェロームも付いているはずだ。大丈夫だとは思うんだが……」
とテレンスは歯切れ悪く答えた。
「もしや身持ちが悪い?」
「いや、そんなことはない。安心しろ」
「おてんばとかそういう類いの子か?」
「いや、見た感じは普通の令嬢だ。特に運動神経も良くはないだろう。ただな、想像してくれ、家に猫がいるとする」
「猫か?」
レックスは頭をひねる。
「そうだ。そしてお前が家を留守にするとする。心配にならないか?庭の木に登って降りられないんじゃないかとか、散歩に行って帰ってこれなくなったんじゃないだろうかとか」
「え、そういう心配?」
「なんか心配なんだよ。ねずみ取りに引っかかってるんじゃないだろうかとか、井戸を覗き込んで落っこちてたらどうしようかとか」
エルシーの父親の子爵が箱入りで育てたのは良く分かる。
あれは危ない。
「…………」
グレン王子が黙り込みうつむく。
テレンスはハッとして言った。
「王子、ご心配なく。そのためにアランもジェロームも置いてきましたから」
「しかし……」
今にも帰ろうとする王子にテレンスはなだめる。
「王子、エルシー様はお勤めを果たすあなたを尊敬するとおっしゃいました」
グレン王子は然りと頷いた。
「確かに、エルシーのために竜騎士の勤めは果たそう」
それを見てレックスが笑った。
「はははっ、随分とご寵愛のご様子。であれば王子、俺から婚約祝いを差し上げましょう。お納め下さい」
それを聞いてテレンスは警戒する。
「……祝いとは?」
「臣下として早く跡継ぎ様が欲しい。書物の中から主に夫婦生活に役立つ物を厳選しようと思う」
要するにエロ本渡す気だ。
テレンスはげんなりとレックスを見つめる。
視線に気付くとレックスは得意げに片目をつむる。
「Howtoものだ。気が利くだろう」
――ああ、こいつ、アランと仲良かったもんな。
グレン王子は竜でも二日は掛かる道のりを、寝る間も惜しみ空を飛び、一日半で王都に戻った。
そして愛しい妃候補のエルシーと再会を果たすが、その竜ゲルボルグにさらわれることになる。
「王子、お疲れ様です。皆もよく来たな」
出迎えたのは、竜騎士レックス・アチソンであった。
昔、西の国と大きな戦争があった頃は最前線にあった要塞だった。
戦に備え、竜と竜騎士が一人この地に常駐しているが、それから三十年が経ち、今では西の国は友好国の一つとなり、砦は他の街と変わらぬ栄えた街と化している。
竜がいると狼や熊など害獣が近寄らない。そのため治安も良い。
グレン王子が持つ公爵領の一つで、レックスは城主代理として平和だが、竜騎士としては少々退屈な日々を送っていた。
騒がれるのを好まないグレン王子の意向もあって宴は開かれず、晩餐はレックスと一行だけで気楽にとることになった。
竜騎士は全員が気心が知れた仲間のような存在だ。
従騎士と呼ばれる騎士志願の見習い達や、見回りの最中で才能のありそうな子を見つけ竜騎士の弟子にして教育を受けさせる。
三十人に満たない竜騎士とその弟子達は家族のようにして暮らす。
竜騎士レックスは三十四歳。
グレン王子は竜騎士団の団長であり、尽くすべき主君であったが、同時に弟のような存在でもあった。
弟として見るとグレン王子はいささか手間の掛かる男であった。
近況を語り合う夕食会は身内だけとあって気の置けないやりとりになる。
「そういえば、王子の妃殿下が決まったらしいな?どんな子だ?」
レックスは、テレンスにこう尋ねたが、グレン王子が答えた。
「美しい。天使のような乙女だ」
頬は紅潮し、熱に浮かされたような声だ。
レックスは弟とも思うグレン王子の様子に喜んだが、その言動には少々引く。
――天使?
「そうですか、随分と美しい方のようで……」
「いやいや、待て。天使はない。可愛いが、美しい……かは人による。とにかく十六歳でまだ子供だ」
と三十六歳になるテレンスは訂正する。
席はホストであるレックスの右隣がグレン王子、テレンスはレックスの左隣に座り、王子と向かい合わせになっている。
飯くらいは落ち着いて食いたい。
そう思うテレンスだったが、実に残念な席順となっている。
グレン王子は鴨肉を食べる手を止め、テレンスに言った。
「エルシーは美しい」
「王子がそうおっしゃるならそれで」
テレンスは多少投げやりに答える。
「お相手は十六歳。王子は二十六歳におなりか。十歳違い、初々しい方のようだ。さぞかし可愛いことでしょう」
レックスが茶化すと、グレン王子は頬を染めたが、テレンスはここ数日のゴタゴタを思い出しげんなりした。
「他人事だと思って。王子も王子です。こちらがどれほど気を揉んだことか」
「何かあったのか?」
面白がって尋ねてくるレックスにテレンスはここぞと愚痴った。
「大ありだ。王子が途中でお手つきはしないと言い出して」
身分の低い娘を王太子である王子の正妃にするためテレンス達は散々骨を折った。
王都にいないレックスも、公爵領の領主代行として賛成の意を示すなど協力した一人だ。
「なんだ、例のあの妃殿下にするとかしないとかは上手く行かなかったのか?」
「その方は、子爵令嬢でエルシー様とおっしゃる。何というか、ちょっと変わっているというか、度胸はあったな。まあ、十六歳だから何処まで分かっているのかは怪しいが、落ち着いていて助かった。あの方が妃殿下だ」
「へぇ。良かったじゃないか。お前達も認めたのなら間違いはあるまい。可愛い子か?」
「まあ、可愛いは可愛い。何となくだが守ってやりたくなるような、そんな感じの子……いや方だ」
共に来た数名の竜騎士達もテレンスの言葉に頷いた。
「そりゃあ、見てみたいな」
グレン王子はそういう一同を見て、ムッとしたようににらんだ。
テレンスはうんざりした口調で言った。
「王子、性的な意味はありません」
グレン王子にはエルシーが絶世の美少女に見えているようだが、テレンスの目から見ると二十歳も年下の少女だ。あまりにも子供じみている。
レックスも同意した。
「王子の妃殿下です。あなたの持ち物に手出しをするような度胸がある奴は国内におりません。ご安心を」
「……ならば良い。あれは俺のだ」
レックスはそんなグレン王子の態度が意外であった。
グレン王子にお妃を宛がう話は何度も出ていた。
その度にグレン王子は嫌がっていた。今度も城の重鎮らに押し切られる形で開かれたお妃選びと聞いていた。
むしろ次にグレン王子に会った時は妻だか妾だかを娶らされて意気消沈する王子をいかに慰めようかと頭を悩ませていた。
テレンスに囁く。
「なあ、もしかして王子はその子に本気なのか?」
「本気らしいな。初恋だし、なんかすごかったぞ。繁殖期の雄竜みたいにエルシー様の後追いしていた」
「はははっ、繁殖期の竜。それはすごいな。俺も見たかった」
「笑い事じゃない」
「いや、良かったじゃないか。ゲルボルグ様々だ。ゲルボルグが選ばれねば、身分的にも巡り会えるお二人ではない。引き合わされる運命だったんだろう。運命の恋人だな。実に良かった」
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とレックスがからかうと、グレン王子も頷いた。
「これほど別れが辛いとは思わなかった。だがエルシーが待っていると思うと帰るのが楽しみでもある……待っているはずだ」
「そりゃ、待ってるでしょう。待ってないの?」
「それが……エルシー様はなんか変わってて、だが待ってると思う。多分」
「だからなんで多分なんだよ。妃殿下は待つだろう。普通」
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「いや、そんなことはない。安心しろ」
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「猫か?」
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「そうだ。そしてお前が家を留守にするとする。心配にならないか?庭の木に登って降りられないんじゃないかとか、散歩に行って帰ってこれなくなったんじゃないだろうかとか」
「え、そういう心配?」
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あれは危ない。
「…………」
グレン王子が黙り込みうつむく。
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「しかし……」
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グレン王子は然りと頷いた。
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それを見てレックスが笑った。
「はははっ、随分とご寵愛のご様子。であれば王子、俺から婚約祝いを差し上げましょう。お納め下さい」
それを聞いてテレンスは警戒する。
「……祝いとは?」
「臣下として早く跡継ぎ様が欲しい。書物の中から主に夫婦生活に役立つ物を厳選しようと思う」
要するにエロ本渡す気だ。
テレンスはげんなりとレックスを見つめる。
視線に気付くとレックスは得意げに片目をつむる。
「Howtoものだ。気が利くだろう」
――ああ、こいつ、アランと仲良かったもんな。
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