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番外編

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「っひあ!」

 鋭い悲鳴に心地良さを覚えながら、いつもより薄い生地の上から股座に齧り付く。
 留め具を歯で外し、布を口で引きずり下ろす。
 足を抜くまではせずに前だけ寛げて、半ば勃ち上がりかけている雄を咥内へ招き入れた。
 下がろうとする腰を巻き付けた腕で固定し、根元まで全て呑み込んでやる。

「ッぁ、ァあ……! ッヒ、ぁき、らあっ! ゃ、ッア、はァうッ!」

 一気に硬くなった雄に吸い付けば、頭上に引き上げて固定している右脚が嫌がって逃げようとする。
 逆にますます引き寄せてやれば、どろりと熱い欲が喉の奥に流れ込んできた。

 旭陽の味だ。
 濃厚でとんでもなく甘い、旭陽以外からは嗅いだことのない蕩けるような芳香と味。

 無防備に足投げ出してきてたんだから、食らいつかれても仕方ないよな?
 跳ねる体に目を細めて、舌で旭陽が好きな先端の孔を抉った。

「ひィッ! ッぃ゛、ァあっ! っぁ、んぅあッ!」

 大きな質量に吸い付きながら特に過敏な場所を何度も抉るたび、俺が好きな味がどろどろと鈴口から溢れてくる。
 ここだけで旭陽をとろとろにすることも容易いけど、折角こんな服着てくれてるのに勿体ないな。
 だって触っていいって、早く触れって全身で許可してくれてるのに。

 掴んでいた片足を俺の肩に乗せ、空いた手で震える腹部を撫でる。

「っは、ァッ、あ……っ」

 肌を擦った途端、掌の下でざわりと皮膚が粟立つのを感じた。
 腹筋の震えが大きくなり、動くのを忘れていた褐色が自らの内腿から離れた。

「っンあ!」
 すぐに精を零し続けている場所を咥内から引きずり出せば、びくんと全身が跳ね上がる。

「っあ、き……?」

 顔を上げれば、黄金からぽろぽろと涙が滴り落ちていた。
 快感に息を荒くしてるけど、いつもとは違って理性を残している目だ。まだ少し舐めただけだもんな。

 不思議そうな男に体を起こして、濡れた目尻へ軽くキスする。
 あ、擽ったそうな顔。
 殆ど皮肉げな笑みしか見たことなかったけど、こっちに来てからは少し違った笑みも見せてくれるようになったよな、旭陽。

 頬が自然と緩まる。
 俺も引き締めようとはせずに、緩んだ顔のまま鎖骨に吸い付いた。

「ぁっ、んン……ッ」

 痕が残るだけの力で吸い上げれば、閉じようと思えば今なら引き締められるはずの唇が素直に甘い声を零す。
 嬉しい。必死に耐えてるのも可愛いけど、気持ち良いのを素直に見せて聞かせてくれてる姿には胸が弾む。

「旭陽」
「っん……ぁ、きら……ぁっ……ッァ、ん!」

 ゆっくりと鎖骨から舌を滑らせ、腹の割れた筋を辿る。
 塵一つ見当たらない臍に舌を押し込めば、所在なさげに背凭れを掴んでいる手が跳ねた。

 驚いたって顔してるけど、それだけじゃないよな。今の声、明らかに甘かった。

「っふ、ぅ、んンぅ……っぁ、き、っ」

 浅くへこんだ部分で何度も舌を揺らせば、ひくひくと腹筋が震えた。
 手も足も、どうすれば良いのか分からないと戸惑いながら指先を握り込んでいる。
 嫌がってるわけではなさそうだけど、困惑してる。

 旭陽の体で俺が触れたことのない場所はない。
 勿論ここも舌を這わせたことはある。

 でも、こうやって舌先を押し込んだことはなかったな。覚えておこう。
 頭の中でメモしてから、舌を逃してまた褐色をなぞっていく。

「ッァ、ぁ、んぅっ……ッア、ぅあ!」

 腹部からまた上に辿っていると、胸元に近付くにつれて少しずつ旭陽の震えが大きくなっていく。
 分かってるって。ちゃんと、焦らさず気持ち良くしてやるから。

 上目に笑いかけて、ふるふると震えている乳首に噛み付いた。
 びくっと跳ねた体に覆い被さるようにしながら、口の中で震えている突起を舌で押し潰す。

「ぁっンッ、っひぁア! ふッぁ、ァ゛う……っ! っぁき、ら、ッ……!」

 舌腹で乳首全体を押し込み、溢れ続けている白混じりの透明を指に絡める。
 そのまま濡れた指を触れていなかったアナルへ押し込めば、またとぷりと少量の白濁が溢れた。

 腰が半端に浮いてるから、不安定な心地がするのかな。
 いつもならいい加減伸びてきてくれてるはずの自由な片手は、未だに椅子の背に指を食い込ませたままだ。
 そろそろ俺を掴んで欲しいんだけど。

「な、旭陽」
「っぁ、な、なに……っ」

 くにくにと歯と歯の間に挟んだ小さな粒に力を加えたり緩めたりしながら、甘く名前を呼んだ。
 小刻みに体を震わせている男が、伏せ気味になっていた瞳を開いて俺を見る。

 いつも俺の声に応えてくれるお前、嬉しい。
 感情に任せて咥内の存在を吸い上げれば、肩から背中に掛けさせている体が跳ねた。

「っひ!」
「ちょっと立って、旭陽」
「っぁ、あ……?」

 可愛い。このまま何度もイかせてやりたいけど、いつもと違って俺が入り込む隙間がない状態だ。
 旭陽が自力で動ける今の内に。
 理性が飛ぶまで追い上げてやりたいのを我慢して言葉を続けると、濡れた瞳が瞬いた。

「もっと可愛がってやりたいから、体勢変えて欲しい」
「っ……!」

 一度胸元から顔を離して笑って見せれば、快感に色付いた頬が色彩を濃くした。
 本当は無理矢理引き起こして向き変えることもできるんだけど。
 でも俺に可愛がられる為に自分から差し出してくれる旭陽、見たいな。

 俺の期待を敷き詰めた眼差しにカッと頬を赤らめた男が、躊躇いに瞳を揺らす。
 駄目か? でも見たい。

 じっと見つめ続けると、ぎゅっと薄い唇が引き結ばれた。
 あ。これ、了承の合図かな。

「んあっ……!」

 指を引き抜いて身を離してみる。
 びくりと震えて目を瞑った男が、何度かゆっくりと深く呼吸した。
 それから少しふらつきながら、平時より緩慢な動きで身を起こす。
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