取引先の役員からベタベタに甘えられる件について

これが俺？！

　乳首をイタズラしてたはずの手が顔に添えられてキスから逃げられなくしてる。逃げるはずなどないのに。遠慮がちに出したはざの舌はいつの間にかカーターの口の中に入り込んでいたし、カーターの舌が舌と歯を舐め回して這いずり回る。
　その間もカーターの親指は俺の眉毛や瞼を頬を優しく撫でたりする。もっとして欲しくてせがむようにキスしたまま体をよじって向かい合う姿勢になる。
　
　チュパ　　チュパ

　時々息継ぎのために少しだけ唇同士が離れる以外は離れたらいけないかのようにくっついてる。
　どのくらいそうしていたのか。カーターの大きな手に支えられて顔を離す。この至近距離で見つめ合うのは初めて。
　額を寄せ、鼻を当て自分から唇を寄せていく。相手は男だ。しかも自分よりも大きな男。厳つくて髭生えた筋肉に薄らとだけ脂肪が乗った男。

　相手が男だと分かった上で撫でたい触りたい触られたい。こんな気持ち初めてだ。男同士なんて勃起した竿を鎮めるための処理手段であって、男にキスしたいされたい触りたい触られたいなんて思った事もなかった。
　それが今は自分の顔を撫でる手に頬を押し付けて額と鼻は擦り付けるように動かしてしまう。そうしたいのだ。何よりまだキスをしていたい。
　だけど、それだけじゃダメなのはよく分かってる。バックハグされてる時から感じてた。背中に当たる熱いものを。俺の竿も熱くなってるし先っぽからは透明な汁も垂れてるだろう。触れてもないのにビクビクしてしまってるから。

　鷹

　目が合う。今まで目が合った回数など数えきれない程あるのに、そのどれとも違う。優しくて子どもをあやす親の様に慈しみに満ちた目線。鼻先を擦り合わせながら何度目かのキスを貪る。唇が溶けて合わさった気さえする。

　カーターの左腕が優しく背中に回って来た。手のひらで背中を支えながらそっとベッドに横たえるられると、顔にキスが降って来た。瞼、額、頬にとどまらず鼻や髪にまで。こんなキスした事ないが嫌な気はまるでしない。ずっとして欲しいくらいだ。
　でもこれで終わりではない。むしろ始まってすらいない。そう。大人だから。カーターはゆっくりキスしながら唾液を俺の口に流し込んで来る。俺は舌を絡めてせがむようにして受け取り名残りを惜しむかのように飲み込む。その舌に左手の中指が絡んでくる。汗の味なのか少ししょっぱかったけど、何にも気にならなかった。むしろ甘い唾液の味を引き立たせてくれる。夢中になって舌を絡めた。

　引き抜かれた指の行き先。それは当然俺のケツ。正直なところ、キスしてる最中から何度も何度もケツの穴を締めたり緩めたりしてしまってた。唾液を飲み干す度に1人でにきゅっと締めては緩めるのを繰り返してた。
　だからいざ指が当てられた時、自然とケツを緩めていた。ケツの入口をなぞる様に行ったり来たりを繰り返してから第一関節の半分位までをすっと挿入された。
　俺はすっと受け入れた自分のケツが恥ずかしくなった。緩いって思われたかな、男遊びしてるって思われたらどうしよう！？ケツは学生時代以来だから10年は使ってないんだ！と恥ずかしやさ後悔、言い訳が頭の中をグルグル回ってる。
　そんな俺にカーターは何も言わないがベッド脇の瓶を手に取ると俺の金玉やケツに垂らした。

　あっ！

　少しだけ冷たかった。声が抑えられない自分に驚いた。これが俺？！ローション垂らされただけで声あげるなんて信じられない。
　カーターは俺を見ると穏やかに、だけど少し意地悪そうに笑ってた。怖くはないけど怖い。何が怖いのかは自分でも分からないが。
　ローションを伸ばすように中指に絡めて少しずつ中に入れてくる。中に入っては引き抜かれるんだが、そのたび

　あっ、あっ

　と喘ぎ声が漏れてしまう。流石に男として恥ずかしいから声出したくないのに。
　そんな俺の考えを見越してなのか、指を出し入れするのに合わせて体中を舐めてくるカーター。分厚い下が首筋を、顎を、耳を乳首を鎖骨を、腹を舐め回してくる。もう何も考えられない。

　ん！んは！

　他人の声としか思えない甘ったるい声が俺の耳に入ってくる。自分がこんな声出すだなんて！でも堪えようとしても堪えられないから仕方ない。
　でも声のこと気にしてる余裕があったのはここまで。カーターはおれの左乳首に吸い付くとゴツくて太長い指を奥まで差し込んだ！

　んはぁ！

　奥を突かれた衝撃で脳まで電気が走った！
　ケツの入り口はカーターの指で広げられて熱くなってるし、奥は指を締め付けようとしてる。そのまま指を曲げ伸ばしされると若干の痛みがあるのに、同時に与えられる刺激によってドンドンケツの中が解れていくのが自分でも分かる。中がほぐれるてきたタイミングを見計らって指の動きが大きくなって、指の根本を上下に押したり左右に回したながら広げたりしてきた。
　正直に指で広げられた瞬間は一瞬痛い。でもそれが気のせいじゃないかって位すぐに気持ち良くなってしまう。
　だから指を回しながら引き抜かれれたり、中を擦るように素早くカリカリされると自分がどこにいて何をしてるのかさて分からなくなる。特に入口を通って少し抜けた先を刺激されるとヤバい。触られるたび強い電気が脳に流れてくるみたいで。

　んはぁ！あぁ！

　こんな声を出しながらケツを持ち上げたり押し出したりしてしまうんだ。人が見たら自分からケツをおねだりしてる様にしか見えないだろうな。
　指がすっと抜かれ中指の腹でケツの入口を優しく撫でられた。
　そこで意識が戻ったような気がした。俺を見つめるカーターと何日かぶりに目が合った気になった。こんな風に意識が混濁するなんて初めてだ。
　今なら何をされても抵抗せず受け入れるなんて考えてるのが本当に自分なのか自分でも分からない。