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扇町中学編
深川の思い
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「深川さん。」
僕は、終業式の日に、彼女のそばに寄って行った。
「あれ、津山。どったの?」
深川はフッとこちらを向いた。
「一緒に、帰らないか。」
僕は深川の顔色を見つつ、提案した。
「何なん、急に。」
「話したいことがある。」
「いやーね。私、彼氏おるけん、口説くつもりなら、お断りだっちゃ」
深川は明らかにふざけた口調だった。
「口説くつもりはない、説教だ。」
クラスの空気が凍ったのに気づいた。
「…あんた、良い度胸ね。この私に説教だって。あん?」
「とにかく、ちょっと来てくれ。」
深川は、僕の後ろについて来た。
「なんなの。」深川は、腕を組んでこちらを見ている。なにもしゃべらなければ、それなりに可愛いのに、残念な女だ。
「もう、こんなつまらない事やめないか。」
「なんなの。なんの話?わからないんだけど。」
「わかってくれ。杉原の次に、誰をターゲットにする気だ?」
深川の顔色が変わった。
「…なにいっているの!?」
わかっているはずだ。次の虐める相手を探しているんだろう。僕はそのまま思っていることを口に出した。果たして、深川は、冷酷な目つきになった。
「…そんな事、あんたに関係ないでしょ。」
「関係あるさ。小6の春田の一件以来、深川さんに関わることになってしまったからな。」
「…そんな昔のこと持ち出して。呆れた。」
「あの時は、春田のワガママに付き合わされて、深川さんも気の毒だったな…。」
「何?何なの?何が言いたいの?」
「率直に言おうか。もうやめろよ。何かに対する仕返しなのか。お前のような可愛くって、頭も良く、水泳部のエースが、なんでつまらない弱い物いじめをし続けるんだ?これから受験だろ。こんな事していて、良いことなんてないだろ。こんなことがバレてみろ、内申にも響くぞ」
「ふふ。何言っているの?学年で10番以内の私を担任が強く言えるとでも思っているの?そもそも…あんたに私の気持ちなんてわからない。春田のような女の子のお守りをさせられて小学校時代を棒に振った。そして杉原にも嫌がらせを受けた。そんな私の気持ちなんて…」
「だったら、杉原にだけ仕返しすれば良い話だ。もうそれも気が済んだろ。あいつ、今でこそ立ち直ったけど、1学期は最悪の状態だったぞ、よく学校に来られたと、思う。」
「何いっているの。ハルの使い走りだってさせられて、あんたのようなつまらない男と関わる羽目になった。」
「それはもう良いだろ、今、彼氏がいるんだから。」
「…もういいでしょ。私、帰る。」
「待て、…」
僕は深川の前に立ち塞がった。
「どいて!」
「深川さん。約束してくれ、もうつまらないいじめはやめるって。」
「どけといっているのよ!」
深川は金切声になって、僕の横を走って通り過ぎて行った。逃げられてしまった。
『私は、杉原にもハルにもいいようにされたの。それを、小6からやってきたよそ者のアンタに。…津山にあれこれ言われる筋合いはない…』
杉原が学年1位を取ったので、深川は学年1位からも転落した。
『私が、一番であるためには、誰かより圧倒的に優れていないといけない。』
その手段が、イジメというのが、彼女、深川も歪んでいる。
『津山、か。津山孝典…。』
この僕と深川の邂逅が、2学期以降の中学生活に影を落とすとは、僕はまだ知る事はなかった。
僕は、終業式の日に、彼女のそばに寄って行った。
「あれ、津山。どったの?」
深川はフッとこちらを向いた。
「一緒に、帰らないか。」
僕は深川の顔色を見つつ、提案した。
「何なん、急に。」
「話したいことがある。」
「いやーね。私、彼氏おるけん、口説くつもりなら、お断りだっちゃ」
深川は明らかにふざけた口調だった。
「口説くつもりはない、説教だ。」
クラスの空気が凍ったのに気づいた。
「…あんた、良い度胸ね。この私に説教だって。あん?」
「とにかく、ちょっと来てくれ。」
深川は、僕の後ろについて来た。
「なんなの。」深川は、腕を組んでこちらを見ている。なにもしゃべらなければ、それなりに可愛いのに、残念な女だ。
「もう、こんなつまらない事やめないか。」
「なんなの。なんの話?わからないんだけど。」
「わかってくれ。杉原の次に、誰をターゲットにする気だ?」
深川の顔色が変わった。
「…なにいっているの!?」
わかっているはずだ。次の虐める相手を探しているんだろう。僕はそのまま思っていることを口に出した。果たして、深川は、冷酷な目つきになった。
「…そんな事、あんたに関係ないでしょ。」
「関係あるさ。小6の春田の一件以来、深川さんに関わることになってしまったからな。」
「…そんな昔のこと持ち出して。呆れた。」
「あの時は、春田のワガママに付き合わされて、深川さんも気の毒だったな…。」
「何?何なの?何が言いたいの?」
「率直に言おうか。もうやめろよ。何かに対する仕返しなのか。お前のような可愛くって、頭も良く、水泳部のエースが、なんでつまらない弱い物いじめをし続けるんだ?これから受験だろ。こんな事していて、良いことなんてないだろ。こんなことがバレてみろ、内申にも響くぞ」
「ふふ。何言っているの?学年で10番以内の私を担任が強く言えるとでも思っているの?そもそも…あんたに私の気持ちなんてわからない。春田のような女の子のお守りをさせられて小学校時代を棒に振った。そして杉原にも嫌がらせを受けた。そんな私の気持ちなんて…」
「だったら、杉原にだけ仕返しすれば良い話だ。もうそれも気が済んだろ。あいつ、今でこそ立ち直ったけど、1学期は最悪の状態だったぞ、よく学校に来られたと、思う。」
「何いっているの。ハルの使い走りだってさせられて、あんたのようなつまらない男と関わる羽目になった。」
「それはもう良いだろ、今、彼氏がいるんだから。」
「…もういいでしょ。私、帰る。」
「待て、…」
僕は深川の前に立ち塞がった。
「どいて!」
「深川さん。約束してくれ、もうつまらないいじめはやめるって。」
「どけといっているのよ!」
深川は金切声になって、僕の横を走って通り過ぎて行った。逃げられてしまった。
『私は、杉原にもハルにもいいようにされたの。それを、小6からやってきたよそ者のアンタに。…津山にあれこれ言われる筋合いはない…』
杉原が学年1位を取ったので、深川は学年1位からも転落した。
『私が、一番であるためには、誰かより圧倒的に優れていないといけない。』
その手段が、イジメというのが、彼女、深川も歪んでいる。
『津山、か。津山孝典…。』
この僕と深川の邂逅が、2学期以降の中学生活に影を落とすとは、僕はまだ知る事はなかった。
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