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1章 コトナ、ワーランドに降り立つ編

アリスの弟

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公爵令嬢のアリスとお茶しながら話していると、アリスの弟の話になった。

どうやら弟くんは嫡男だが病気がちで、ほとんど部屋から出ない生活をしているそうだ。

【解析】(ドラゴニック公爵家の長男アレックス。幼いころに魔石をうっかり飲み込んでしまい、未だ消化されずに残り体調不良の原因となっている。取り除けばやがて回復する。)

原因がわかった。アリスのために治してあげよう。

「私、弟くんの病気治せるよ。」
「え!本当?お願い!」
アリスは私の事を全面的に信用している。
まだ出会って間もないのに純粋というか騙されやすそうというか・・・


弟君は11歳でアリスに似た綺麗な金髪とお人形さんみたいな綺麗な顔をしている。
病気がちなせいか背は低く私と同じくらいだった。いや私は健康だったけど背伸びなかったんだ悪いか!

「どうやって治すの?」
アリスはどんな治し方をするのか興味津々な様子。

「体内にある悪い所を取り除くだけだよ。」
私は弟くんのお腹の辺りの空中に手をかざし、最速で弟くんを収納し体内の魔石を取り除き元の位置に戻し、魔石は私の手につかんだ。
最速で出し入れすると残像が発生し消えてない様に見えるのである。

「はい、これが原因。」
アリスに原因の魔石を渡す。体内にあったので暖かい。

「え、これって魔石?なんでこんなものが、っていうかどうやって取り出したの?!」

「超能力です」
そう言ってごまかした。超能力って色んな不思議な現象を一纏めにできるいい言葉だよね。

「超能力すごい!」
そして信じるアホの子アリス。うんアホかわいい。

「原因を取り除いたからだんだん良くなっていくはずだよ」


その後アリスに何度も感謝された。今度両親が揃った時に食事会に招待したいと言われて、断ってたけどアリスの根気に負けて承諾した。

私への連絡先が無い(【無限世界】のプライベートルームで寝泊まりしてるので)から、困っているアリスに、小さな声でも呼べば聞こえる超能力があるからと言っておいた。
本当は【察知】を常時発動にするだけだ。
アリスに体当たりされた事で隙を突かれる可能性を考え常時発動にしたのだ。

広範囲の情報が全部脳に入っているけど、全て処理できてる私の脳はどうなっているんだろうか?神様が手を加えたからなのか?


ドラゴニック邸からの帰り道しばらく歩くと、古ぼけた屋敷に出入りする全身真っ黒な服装の男達がいた。

あぁ、あれだ麻薬を密売してる闇ギルドの連中だ。
何してるんだ?

闇ギルドの一人がこちらに気づき舌打ちをした。
「見られちまったか、しかたねぇ始末してくる。」
物騒なことを言っている。
ドラゴニック家の近くでこんな事になるとは、放っておくとうっかりアリスが見つかる可能性が高いな。
始末するか。私はいいのだ。

此処にいる闇ギルドの連中を全員収納、ついでに麻薬も収納、後で処分しよう。

ボロ屋敷の主人の貴族も一緒に収納したけど共犯だからいいよね。
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