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1章 コトナ、ワーランドに降り立つ編

王妃様の病気

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王妃さんを【解析】した結果、原因不明の病の正体は呪いだった。

呪いの効果は衰弱。
そして呪った相手はこの国の貴族、ネターミ・ドンドグマ伯爵だった。

動機は今の王様が即位する前、ドンドグマ伯爵の娘を王太子の婚約者にしようと画策したが、いつのまにか王妃さんが国王様と婚約していた。それの逆恨みしての犯行だったようだ。

さてこの情報は言わずに、
原因は呪いだと言っておいた。


「呪いだと?、・・・それで、これは治せるモノなのか?!」
「もちろんです。」

【呪術】というゴブリンシャーマンが持っていたスキルがある。
呪いなんて私の趣味じゃないので破棄しようとも思ったが、呪い返しが出来るので奪っておいたのだ。

王妃さんに向いている呪いのベクトルを逆にして呪いを送り返す。そこに少し私の魔力を混ぜて送り返しているので、効果が数倍になってドンドグマ伯爵に帰ることだろう。
呪っていた証拠なんて見つけるのは至難だし、呪い返しされた方がきっと重い罰になるだろう。

「終わりました。」

「何と?!本当か!アンジェラ大丈夫か!」
王妃様に声をかける王様。
アンジェラっていうのか王妃さん

「ええ、何ともないわあなた。少し体が軽くなったかしら・・・」
王様に揺り起こされた王妃さんは、顔白い顔で微笑んでいる。

「原因は取り除きましたけど、身体の衰弱は直ぐには治らないので養生させて下さい。あ、ポーション飲まそうかな。」

[コトナポーション](初級の材料とコトナの莫大な魔力で作られたポーション。指一本動かせないくらい弱った状態でもフルマラソン完走出来る体力を得られる。)

作ったけどまだ試してないんだよね、王妃さんで試しちゃう?悪くはならないから良いよね?

「どうぞ王妃様、体力が回復するポーションです。」

「あら、ありがとう。頂くわ。」
すると何の疑いもせずに飲み出した。
ドラゴニック家といい王様と王妃さんといい私を疑わな過ぎではないか?と思っていると、隣にいたアンディさんが教えてくれた。

「毒味もせずにいるのが不思議なのだろう?実は、王族と上位貴族は相手が悪意をもって接しているかどうかが分かる魔道具のアクセサリーを身につけているんだ。あと毒無効のアクセサリーもな。」

なるほどそんな凄い魔道具があったのか!
そうか、嘘発見器みたいなものか。
そっち方面のアイテム作りも視野に入れておこう。

今までの作品は私が欲しいものや作りたいものと、ふざけて作ったネタアイテムばかりだったからね。実用的なのも必要だよね。


「こ、これは!力が、力が溢れてくるのを感じるわ!うおおおお!」
ドダダダダ!

王妃さんは凄い勢いで部屋から出て行った。

【察知】で確認したら王妃さんは、城にある騎士用の訓練場へ行きグラウンドを30周した後、騎士達を鍛え直すとか言って、騎士1人ずつ相手して全員倒してしまった。

あれ?これ私のポーションのせい?

後から、国王から「アンジェラは王妃になる前は国一番の最強女騎士だったんだ。」と惚気られた。

今のが素の状態の王妃さんなんだそうな。
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