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4章 色々な転生者達

サイコパス研究者

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偶然、善行ポイントを得られた悪人の1人、ロブソン。

ロブソンは前世、研究者をしていた。
とても優秀だが変わり者だった、研究の一つに動物実験があるのだが、彼は「何故動物には実験しても良いのに人間にしてはいけないんだろう」と常に思っていた。

彼にとっては人間も動物も同じだと思っている。
それは動物も人間と同じように命を持つ生き物だから、とかでは無く。
人間も動物も虫も全て自分以外はゴミと心の底から思っている人間だったからだ。

ロブソンは人を殺したら犯罪という事も理解していたが、それも「面倒な法律だが、犯罪だと立証されなければ問題ない」と、何度か人を殺していた。

そんな彼だが研究成果が間接的に人類の進歩に多大な影響を与えた。
間接的にというのは、彼の研究を元に別の研究者が難病などに効果の高いワクチンを開発したのだ。

間接的にでも善行ポイントが貰えるのか、地球の判定ガバガバだね。

さて、そんなロブソンはファーストに転生して来ても研究者をしている。

地球には無かった「魔力」「スキル」「魔導」「錬金術」など興味を引く物が多かったので彼にとっては楽しい世界だろう。


しかし人類にとっては彼の存在は迷惑でしかない。

ロブソンがファーストで10年以上研究している分野が「キメラ」だ。
キメラとは噛み砕いて説明すると別の生き物同士を融合した人工生物だ。

そしてロブソンは人類と魔物の融合を行なっている。

ロブソン自体に戦闘能力は無いが麻痺毒などを使い魔物を集め、初めは買ってきた奴隷と魔物を融合させた。

初期の彼の作品は只のツギハギの怪物だったが、研究を進めていくうちに人を魔物に変える方向に向かっていった。

作った怪物達に材料である人間と魔物を集めさせ次々と新たな怪物を作っていった。

ロブソンの事がミドリの目に止まったのは街丸々一つの人間が消えたからだ。

いくらミドリでも人1人まで監視しているわけではないので仕方ない。
私も認識できる範囲に居ても注意して見ないと見落とすからね。

それに天使にも見回りさせているみたいだけど、そんなに数が多くないから人口が多い所を集中して見回りしている。


ロブソンは研究の成果である怪物や人を怪物に変える薬というか魔物エキスを兵器として数カ国に売っていた。
研究資金にしていたようだ。

魔物エキスを買った国は後で調べるとして、元凶はサクッと始末しよう。

ロブソンは収納、作られた怪物達は人間に戻して襲われた街に移動させた。これでも神だからね!
時魔法で人間だった頃に戻しただけだからそんな大した事じゃないけどね。


今のところロブソンが一番タチが悪い転生だった気がする。

ロブソンの研究をさらに進めているヤツが出ないと良いけど。


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