上 下
155 / 280
6章 勇者召喚編

森 3日目

しおりを挟む
今日も町を目指して森を走っている。
走っている理由はミーちゃんルーちゃんの身体強化の練習の為だ。

実戦経験をしたおかげか2人ともかなり上達した。

移動しながら2人が私に「転移魔法」について聞いてきた。
2人の元の世界では伝説の魔法と呼ばれている転移魔法だが、私達なら知っているのではないかと思っているようだ。


私達は【無限世界】経由での出入りで擬似転移をしている、MPも消費しないので便利なのだ。

だけど他人には使えないので転移魔法を作ったことがある。

初めに作ったモノは失敗作だった。
単純に行きたい場所に転移する様な物を作ったんだけど、なんの繋がりも無い場所に無理矢理転移するとなると莫大なMPを消費する。これはとてもヒトの魔力で扱えるものじゃなかった。

次に思いついたのは、ドラ○エの移動魔法だ。
あれは転移じゃなくて空を目的地まで飛ぶという物だ。
行ける場所は一度訪れた事のある場所。
魔法で印を付けた所に飛ぶ魔法は上手く出来た。
MP消費も現実的だ。でも転移じゃない。

次は召喚魔法にヒントを得てみた。
あれは契約した人や魔物を呼び出せる魔法。
魔力のパスが繋げて、そのパスを辿り転移している。
と言うことは、一度目的地にあるその辺の岩とか木とかにパスをつないでおけば、召喚魔法の要領で自分を目的地に召喚することが出来るはず。そして実験の結果出来た。
ル○ラよりは消費MP多いけど魔法職のベテランクラスなら1日2.3回は使えると思う。
魔力パスの設置に少し魔力リソース持っていかれるけど、登録場所を10箇所以内に留めておけば大丈夫だろう。
流石に転移場所登録に魔力の半分以上のリソース取るバカはいないよね。
登録しすぎて転移するための魔力が足りないとか本末転倒だし。

纏めると
・魔力パスを繋いだ場所に転移できる。
・魔力パスをつなぐと魔力リソースが使われるので、ステータス上でその分マイナスになる。
・転移するためにはMP消費と一定数の魔力値が必要なのでパスを設置しすぎると転移出来なくなる。ちなみに必要魔力は距離に比例する。

こんな所かな?

と、転移魔法を作るまでの過程を話してると2人はメモをとっていた。

「先生!転移魔法を伝授して欲しいにゃ!」
「わたくしもお願いします!」

身体強化でこのまま走っていれば今日中に町につきそうだったけど、2人に転移魔法を教える事になった。まぁ急いで町に行く理由も無いので良いんだけど、これからもアレコレ魔法知らないか、とか教えてと言われそうだ。魔法関係はアタリに任せたいけど擬音だらけの説明なんだよな~

私が作った魔法を与えるのは簡単だ、一度与える人を収納して魔法を付与して収納から出せば出来上がり。
ただ、取得したからといって簡単に使えるわけじゃ無い。
知識が無い人に専門職の道具を渡しても使い方すらわからないでしょ?それと同じだ。

夕暮れまで修行をした結果、ルーちゃんは短距離転移までできる様になった。ミーちゃんは転移のコツが掴めないようでまだ使えない。

更地に家を出して夕飯を食べお風呂に入り就寝。

明日は町に着くね。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

陰からの護衛

BL / 連載中 24h.ポイント:156pt お気に入り:41

Shadow★Man~変態イケメン御曹司に溺愛(ストーカー)されました~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:266

私の恋に終止符を打つ時。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

ゴーレム転生 瓦礫の中から始めるスローライフ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:100

劇場の紫陽花

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...