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7章 姫のお茶会編

モンスターハウス

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25階層、5の倍数の階層はボスエリアだったので、ボス戦の準備を整えて扉を開きました。
だが飛び込んで来た景色は予想外のものでした。
1つの階層が1つの部屋になっている、所謂「大部屋」と呼ばれる状態に地を埋め尽くすようなおびただしい数の魔物の絨毯。
扉を開けたことで、扉付近の魔物達がこちらに気が付き威嚇しはじめました。わたくし達が変身してなかったら大ピンチでした。

真っ先に動いたのはミーちゃんでした。アタリ様より習った必殺の蹴技[ライ○ーキック]を放つと、狙った獲物と、その周りまで巻き込み数百体の魔物を吹っ飛ばしました。

ルーちゃんは高圧縮魔力集束砲を放ち、横へ薙ぎ払う事で討伐数を稼いでいます。
更に数百体の魔物を倒しました。

わたくしは2人が届かなかった奥の魔物達に向かって斬撃を三百ほど飛ばしました。変身中じゃないとあの距離は届きません。

ミューちゃんは信じられない速度で魔物を解体しています。ナイフ一振りで素材になる様は魔法のようでした。

「本当にこの変身装備は異常ですね。あれだけ居た魔物がもう百も居ないですよ。」

「一撃で数百の魔物倒せるの気持ち良いにゃ!最高にゃ!」

「収束砲はやみつきですわ!!」

「コトナ様特製解体ナイフも凄いですよ!まさか一度に100体捌けるなんて知りませんでした!!」

それぞれ興奮しながら今の戦いの感想を言い合いました。会話になってませんでしたけどね。

残りの魔物を殲滅し、下への階段の前にたどり着く頃には落ち着きを取り戻していました。

大して疲れていないので休憩無しで26階層へ降ります。

「そういえば、25階層はボスエリアのハズなのにボーナス宝箱とか出ませんでしたね。」

「ボスがモンスターハウスってのもおかしいにゃ」

「イレギュラーというものですわね。これはギルドに報告しないとですわ!」

「まだしばらく潜っている事になるので、忘れないようにメモしておきますね。」

ミューちゃんがメモを取り終わると、改めて26階層の様子を伺う。
モンスターハウスでは無いみたいですね。魔物の数も異常な感じはない。
ふぅ・・・やはりさっきの階が異常だったみたいですね。
まぁ魔物がゴブリンエンペラーとかオークディザスターとかなのは異常といえば異常なのですが・・・

1階層からオーガとか出るダンジョンなので26階層でそのレベルはあり得るのでしょうね。普通の冒険者では攻略不可能なのでは?
おそらくプラチナランクどころかミスリルランクでも辛いと思います。
実際見たことありませんが、アダマンタイトランクなら攻略できるのでしょうか?

わたくし達は変身ブレスレットのおかげで余裕ですけどね。

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