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新章 皐月編

調味料を売る

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色々作った調味料達、全部同じガラス瓶に入れたけど米とかは別のに入れたかったな。
町に調味料売るついでにいい感じの入れ物も探そうか。

アリスと町に戻る、時刻は午後3時頃。
先に宿を取っておいた。また「やどや蛍火」だ。
前回旦那さんに料理を教えて来れと頼まれた所だ。
今回は調味料も揃っているのでちゃんと教えられる。

商業ギルドへ行き前回黒胡椒を売ったおじさん、ゼニーさんを呼んでもらう。

「お待たせしましたサツキ様。どうぞこちらへ。」

ゼニーさんに案内され商談室に着くと私はテーブルに調味料入りの瓶を出していく。
瓶は350mlの缶くらいの大きさなので容量はそのくらいだろう。
蓋が真っ白なのでこの世界の文字で名称を書いておいた。

そして出した物を1つずつ説明していく。
塩、砂糖、胡椒はこの世界でも存在するので説明は不要、質の高さに驚かれた。
他の調味料は実際調理に使った物を味見してもらわないと判断出来ない、なのでギルド内にある社内食堂の厨房を借りて実演販売みたいな事をした。

ゼニーさん以外にも食堂の料理人達にも試食してもらった。
オムライス、野菜炒め、カレーライスと各調味料を使った料理を作っていく。
米は白米と、炒飯、ドライカレーの3種類。
小麦粉も取れたので、パスタ、うどん、ラーメンも作った。

ゼニーさんと食堂の人達はとても驚いて喜んでいた。他のギルド職員も匂いに釣られて食堂に来ていた。
お腹を鳴らして集まって来た人達を放置するのも可哀想なので振舞う事にした。カレーと白米は多めに作ったので職員全員でも多分足りると思う。

カレーライスは白米とカレーを皿に入れるだけなので、食べ終わった食堂の人達に任せて私とゼニーさんは先ほどの商談室に戻った。

「いやぁ、素晴らしかったです!特にカレー粉!あれは確実に流行りますよ!」

ゼニーさんは凄く興奮していて、私が持ち込んだ調味料達をとても褒めてくれた。
そして一つ一つ金額を決めていく。
正直お金は無限にあるので幾らでも良いんだけどね、調味料を売るのも町の料理を改善したいだけだから。

普及させたいので安めでという私の意見も加味した結果、一番高値が付いたのはカレー粉で、一瓶銀貨50枚になった。
コレでもご家庭にはお高い値段だけど、そこは少しずつ価格を下げて行くそうだ。
急に安くて美味しい調味料が世に出ちゃうと今までの物が無価値になっちゃうらしいです。
というわけで徐々に変化させて行くそうだ、その辺はゼニーさんと商業ギルドが主体でやるそうなので私は定期的に調味料を卸すだけで良い。
今日は居ないけど商業ギルドのマスターも交えて会議に呼ぶ予定を組まれた。
1週間以内に連絡を寄越すそうなので「やどや蛍火」にて連泊する事にした。その間の宿代はギルド持ちだ。

アリスにも仕事を手伝ってもらうので、現状の説明をしておいた。一応一緒に商業ギルドに行ったけどイマイチ理解出来て無いみたいだったからね。細かく丁寧に説明すれば理解してくれるので頭は悪くないみたいだ。
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