ゲームで自滅する悪役貴族に転生したのでゲーム知識で最強になって愛する嫁達との楽園を作る

6話 職業変更

　シャーロットに会った日の翌日、俺はマジックバックに大量の食料と金貨を入れ、腰には公爵家の宝物庫から勝手に持ち出した高価そうな剣をさし、こっそりと屋敷から飛び出す。
　
　目的地は、ここ王都より遥か南にある迷いの森だ。迷いの森には職業を変更するために向かう。

　どうやらこの世界の人々は職業は1度授けられると、変更することはできないと思っているようなのだが、迷いの森に行けば簡単に職業を変更することができるはずだ。

　王都の門近くまで来ると馬車が何台か並んでいたので、その中で1番乗り心地の良さそうな馬車に乗ることにした。
　銀貨3枚で迷いの森の近くの街「ルクレール」まで連れて行ってくれるようだ。

　ルクレールまでは３日ほどかかるので、のんびりしながら馬車に揺られていると、ふとステータスのことを思い出した。
　
　この世界に生きる人ならば誰でもステータスを確認できるのだ。俺は自分の弱すぎるステータスを確認するのが怖かったため後回しにしていた。
　だが、ちょうど時間もあることだし確認してみるか。
　
　そう思い、頭の中でステータスと唱えると目の前に水色のゲーム画面の様なものが現れた。

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レベル : 5
名前 : アルベルト・シュトレーゼン
性別 : 男
年齢 : 17歳
職業 : 農家

体力　 : 30
攻撃力 : 30
速度　 : 50
防御力 : 30
魔力　 : 100
知力　 : 90

スキル : 植物成長 LV 1


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　「思ったほど悪くないな。」

　自分のステータスを確認した俺は、感想を口にする。魔力が思った以上に多かったからだ。

　魔力は他のステータスに比べて上がりづらいので、多ければ多いだけありがたい。
　魔力の多さは血筋にかなり、影響を受けるため公爵家の血を引く俺の魔力は普通よりも多いのだろう。
　
　それに、子供の頃は神童などと呼ばれていただけあり知力もかなり高い。

　魔力や知力が高かったのは嬉しい誤算だが、それ以外は極めて平凡だ。「農家」という職業はレベルアップ時に全てのステータスが均等に上がるためこの様なステータスになってるのだろう。

　最強になると決めた以上、「農家」では無理なので職業を変更するために迷いの森に向かっているのだが、正直どの職業に変更するかでかなり悩む。
　
　候補は、「英雄」、「勇者」、「剣神」の3つだが、

　「うーん、どうしたものか。正直どれも強力だが、ひとまずレベル上げのことを考えると、、」


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　そんなことを考えながら馬車に揺られること３日、やっとルクレールの街に到着した。
　途中の野営で食べた料理はどれも驚くほど不味かったため、気力が出ない。

　今日は宿に泊まって明日、目的地である迷いの森に入ろう。

　翌日、俺は森の中を彷徨う様に歩いていた。職業を変更するためには迷いの森にある湖に大量の金貨を入れ、手を3回叩くことで変更できるというのがゲームでは常識だったため、この世界でもそうだといいのだが。
　
　「それにしても湖が見当たらないな。ゲームの時に何度も来てるから道は合っているはずなんだけど。」

　ブツブツと呟きながら森を歩き続ける。手には森の入り口付近に落ちていた、錆びついた剣が握られている。

　「あ、あれだ！やっとみつけたぞ！！」

　結局3時間も森の中を彷徨い続け湖を見つけることができた。実際の森だと、ゲームと違い方向感覚がはっきりしないため戸惑ってしまった。

　さっそく持ってきた大量の金貨を湖に入れ、その後に森の入り口で拾った、錆びついた剣も投げ入れる。
　通常は金貨を入れたらランダムで職業が変更されるのだが、職業ごとに特定のアイテムを一緒に投げ入れることでなりたい職業に1回で転職できる。ゲーム知識に感謝だな。
　そして手を3回叩くと、俺の体が青く光出した。体が燃える様に熱い。体から何かが抜ける様な感覚に襲われた後、今度は体に何かが急速に入ってくる様な感覚に襲われる。

　「ふぅ、治った。まさか職業変更するだけでここまで苦しむことになるとは思わなかったな。」

　一息ついたところで俺は自分のステータスを確認する。

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レベル : 5
名前 : アルベルト・シュトレーゼン
性別 : 男
年齢 : 17歳
職業 : 英雄

体力　 : 30
攻撃力 : 30
速度　 : 50
防御力 : 30
魔力　 : 100
知力　 : 90

スキル : 植物成長


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　職業のところを見ると「農家」から「英雄」にしっかりと変わっていることが確認できた。
　「英雄」を選んだのにはいくつか理由があるが、やはり1番は獲得経験値が3倍になるためだ。これだけでレベルアップが格段に捗る。

　それに加えて俺は成長の指輪も持っているので、通常の6倍の速度でレベルアップできるのだ。
　
　さあ、これからはレベル50を目標にダンジョンに潜ってレベルを上げることにしよう。