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第6章 ケンジの新しい生産力!

48話 ギルドの要求④

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 ケンジはセバスとマイに口を酸っぱくして説明したのだった。

「だけどケンちゃん聞いてよ。今度のギルドマスターは一人は違うけど低姿勢で権力を奮わなかったじゃない。だったらお願いを聞いてあげてお金も入るしいいじゃない。」

「純粋に町の人たち思っての行動なら俺もこんなに渋ることはしないよ。ギルドは基本生産者を食い物にする考えを崩さないからな。」

「え?」

「あの方法は同情を買って男を動かすやり方だって言ってんだよ。セバスはなぜ?あそこで口を出したんだ?」

「それは・・・」

「あの姉に振り回されているであろう妹が不憫に思ったんだろ?」

「はい・・・そのようにしか思いませんでした・・・」

「あれは二人のコンビプレーだよ。」

「「え?」」

「おいおい!マイもかよ。よく考えなよ。何であの二人はそろってギルドマスターって地位についているんだ?」

「それは双子の姉妹だからじゃないの?」

「もしあんな性格の違いすぎる性格だったら普通はツートップで就任するはずないだろ。」

「「あ・・・・」」

「妹の方はあの性格のままだったらクリーンなギルドとして成功する可能性はあるが、姉一人で就任したら今までのようなギルマスと同じ運命をたどるが、あの二人が意図的に今までやって来てたなら操るのゆう意味では男は騙せれてもしょうがないがセバスまで騙されるとは・・・」

「・・・・ですが・・・・」

「まあ、あの姉妹は見た目も美人だから相乗効果で妹の不憫さが際立つからしょうがないかもしれないか・・・」

 ケンジの言った通りミルファーとミルフィーはかなりの美人でスタイルも抜群なのである。それにより男はコロッと騙されてしまうのである。

 ミルファーたち二人はこんな感じでギルドに二人そろって就職し異例の速さで出世したのである。そんなわけでユエティー達ギルドで働いていた者たちがこの二人の存在を知らなかった訳ある。

「ケンちゃん・・・ごめんね・・・」
「ご主人様申し訳ありません・・・」

「もうすんじゃった事だからしょうがないが・・・」

 ケンジはプリムとシスティナ二人に一週間分のダンジョンの用意をさせるのだった。そして店には冷蔵庫の来週の販売は無しと張り紙をしたのだった。
 当然のごとく町の人から苦情が殺到したのである。理由を説明したら町の人たちは引いてくれて助かった。これも日ごろケンジが町の人たちとコミニュケーションを取っていたおかげである。
 その説明をしたら反対に町の人たちは生産ギルドに苦情申し入れるのだった。内容はケンジばかりに責任を押し付けるな!だとかギルドも町の役に立て!とか殿様営業だとか散々文句が出てギルドはその対応に追われて大変だったんだとか。それを聞いたケンジは少しスカッとしたのは言うまでもない。

 確かに町の人たちは冷蔵庫も待ち遠しいが今イズモ大陸では魔物が強くなっていて町の結界を維持するのも大変だとわかっているのである。

 その結界を維持するにはオリハルコンとアダマンタイトを錬成し伝説の鉱石ヒイロカネを生み出しそれを使ってA級魔石(魔宝石)と呼ばれる魔石に魔力を込めないと結界が維持できない事を知っているのだ。そしてそのオリハルコンを容易に採掘できるのがこの町ではケンジだけなのである。

 だからインゴットの在庫が減ってきてギリギリの状態と聞いて冷蔵庫の製作を止めてギルドがケンジに依頼を出したことを聞いてそれならとおもいケンジを責める人間は誰一人としていなかったのである。

 ただ、そうなる前に手を打たなかったギルドは別である。その怒りがギルドに向かうのは必然で町の怒りを一身に受けなければいけなかったのだ。

 そしてケンジがダンジョンに出かけたその日の午前中からギルドは騒がしくなってきたのだった。

「ギルドマスター申し訳ありません!町の人たちの対応に人手が足りません!」

「いったいどういうことよ!」

「町の人たちがケンジにばかり責任を負わせてギルドはぬくぬくとしていると噂が広まりFランクの依頼が殺到しているんですよ。」

「どういうことよ?」

「ギルド職員も生産者や冒険者の苦労を味わえって言う意味で働かせようとしているみたいです。」

「そんなの対処できないと言って整理したらいいじゃない!」

「それが今は魔物が強くなり過ぎてギルドも暇な状態でそっち方面の人材は暇なのです。だからそれを見た町の人たちはギルド職員は部屋の中でのんびりしているから少しでも雑用しろと・・・」

「なんなのよその理由は!」

 ギルド依頼はそんな理由でFランクしかない町の雑用で埋め尽くされていたのだった。魔物討伐や採取はできる人が少なくて依頼数も減ってきていて常時依頼が全然ないのである。

 ケンジは率先してFランクの依頼をこなしていたので町の人たちと仲がいいのだが他の冒険者や生産者は難しくなりつつある依頼が出来ないのでFランクの依頼をしょうがなしにやりその日を生き延びているのが現状なのである。

「お前達が冒険者達を支援してやらないから冒険者や生産者が育たないから今の現状がある。ギルドマスターの責任が重いから少しでも町の為に働けだそうです・・・」

「な・な・な・何よそれ!」
「あたし達はギルドをまとめるのが仕事なのよ!」
「そんな雑用は下っ端の生産者や冒険者がやってればいいのよ!」

 ギルドマスターの姉妹は部屋の中で絶叫していたのだった。この二人は双子だけあってやっぱり今までと同じような考えの人間であったのだ。

「ですが・・・このままではケンジが帰ってくるまで続きそうですがどうしたらよろしいでしょうか?」

 ギルドの掲示板にはFランクの貼り出される所にしか依頼が無いのである。町の人たちの中には採取や魔物の素材を依頼する人もいるのだがあえてその依頼を止めてFランクの雑用しか出さなかったのである。

 その結果がこの状態なのである。やっぱり町の人たちを怒らせると怖い事がわかる出来事であった。





 そして一週間が過ぎケンジがテンペの町に帰って来てその足でギルドに清算しにいくのだった。そしてギルドの惨状を見て驚いたのだった掲示板にはおびただしいFランクの依頼が貼り出されていたのだった。

「ケンちゃんあれ見て凄いよ!」

「なんだこれ?何があったらこんな惨状になるんだ?」

 そんな状況を横目に見ながらマイは冒険者ケンジは生産ギルドの受付に顔を出すのだった。

「スマンがこれを清算してくれ!オリハルコンとアダマンタイト各10個だ。」

 ケンジはそう言って受付に手持ちのインゴットを出したのだった。すると受付嬢はケンジの顔を見た瞬間満面の笑みを浮かべるのだった。

「ケンジ様やっと帰ってきてくれたのですね?助かりました!」

「はぁあ?一週間ダンジョンに行くと言っていただろ。何がやっとなんだ?」

「話を聞いて下さい!」

「え?なんで?嫌な予感しかしないから嫌だ!早く清算をすませてくれ。」

「そんなこと言わず助けてください!」

「い・や・だ!俺はギルドのお願いを聞いて無理やり一週間潰されたんだぞ。早く家に帰り冷蔵庫を製作しないといけないんだ!」

「そ、そんな・・・」

「いいから早く清算してくれ!」

 すると、奥からギルドマスターが現れるのだった。そしてケンジを奥の部屋に連れて行こうとするのである。

「ケンジさんおかえりなさい。すいませんが奥の部屋に来てもらえるでしょうか?」

 ミルフィーは消衰しきった顔で言ってきたのだった。そしてさもや着いてくるのは当然のごとく振り返らず奥の部屋に引っ込んでいくのだった。

「早く清算してくれ!俺は忙しいんだ。」

 受付嬢は困った表情をしてまごまごしていたのだった。

「でも、ケンジ様ギルドマスターが・・・」

「気にしなくてもいい!俺はついていくと言ってないよ。」

「ですが・・・」

「ギルドは俺に指名依頼を出し納品させておいてお金を支払ないつもりか?」

「そうはいってませんよ。」

「今の現状がそうじゃないか。早く清算してくれと言っているのに清算しようとしていないじゃないか。」

「そうじゃなくてギルドマスターがお呼びになっているのですよ。」

「ふうう・・・じゃあ、いいや!俺はこのまま帰るよ。どうなるか。おぼえてろよ!」

 ケンジは受付嬢に威圧を放ってそのまま家に帰ってしまい、受付嬢はケンジの迫力に気絶してしまうのであった。






 ギルドの門を出たらマイはすでに清算を終わらせ馬車の中で待っていたのである。

「ケンちゃんおわったの?」

「いや・・・納品だけして金を支払ってくれなかったから出てきたよ。」

「はぁ?いったいどうゆうことよ。」

「ギル、出発させてくれ!」

 ケンジは馬車の中であったことを説明した。マイたちは大きくため息をつくのだった。

「ケンちゃんってつくづく厄介事に巻き込まれるのね・・・」

「主・・・ご愁傷様です・・・」

「もうギルドのお願い事は絶対聞かない事にしよう!まあどっちにしろギルドは俺に6億ドゴンの借りが出来たって事だな。」

「ケンちゃん何を考えているのよ。」

「いいや。何にも!」

「ご主人様のその言い方ってなんかすごい怖いです・・・」

 このうわさはあっという間に町に広まったのである。ケンジ外圧を放ったことにより受付にいた職員は動けなくなったり気絶してしまったのでギルドマスターは当然ついてきていると思っていたケンジが着いてきてなかったのを気づいたのは部屋にはいる所まで気づかなかったのだ。それほどまでにFランクの依頼の事で頭がいっぱいになってしまっていたのである。

 慌ててギルドのロビーに戻った時にはケンジは報酬も受け取らず帰ってしまっていたのだった。ロビーにいた職員は気絶しているしギルドマスターは何が何だかわからなかったのである。ミルフィーはケンジの受付した受付嬢を揺すって起こしたのだった。

「ねえ!あなた。なに気絶しているのよ!起きなさい!」

「んんっ・・・」

「ねえ!ちょっと早く起きなさい!なにがあったの?」

 受付嬢はハッッとして目覚めたのだった。そして何があったのかミルフィーに説明したのだった。

「はぁあ?ケンジさんは報酬を受け取らず帰っちゃったの?」

「はい・・・」

「で、インゴットは?」

「もう受け取りました・・・」

「え?じゃあ納品をしたのにお金を支払っていない状態なの?」

「はい・・・」

「何やっているの貴方は!ギルドが詐欺をしたようなものじゃない!」

「ですがあのままお金を渡してしまったらケンジ様が帰っちゃうかとおもいギルドは今こんな状態だから話を聞いてもらわないといけないとおもい・・・でも、お金を受け取らず帰るとは思いもしなかったのです。」

 受付嬢の言う事はもっともであった。なんとかケンジにはこの後Fランクの依頼をやってもらわないと収拾がつかないのである。今は生産者や冒険者にも急いでやってもらっているのだがどうしても要領を得なくて依頼が貯まっていくばかりなのである。
 ギルドはケンジなら日ごろFランクの依頼ばかりやっているので帰ってきたらFランクの依頼を毎日やってくれたら収拾がつくと考えていたのである。つまり帝国領のブリュンガスの町の時と同じことをケンジにやらせようとしていたのである。


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