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第7章 超級ダンジョン攻略!

51話 超級ダンジョン⑤

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 ケンジ達は、中ボスの扉の前に立っていた。マードック達は、いつも以上に緊張した雰囲気の中、気合を入れ直すのだった。

「みんな、いいか?いつも通りの連携を忘れるんじゃないぞ。」

「「「「「ハイ!」」」」」

 その声と共に、マードックが中ボスの扉を、蹴破り中に先陣を切って突入するのだった。その音に気付いた中ボスの魔物がこちらに気づくのだった。

 中にいた魔物は、全身毛がふさふさで真っ白なドラゴンであった。見た目は、何とも神々しくこんなドラゴンがいるのかと思い、みんなは立ち尽くしてしまうのだった。

 すると、ドラゴンは自分のテリトリーに侵入してきた事が、気に入らなかったのかいきなり※①【ブレス】で攻撃してきたのだった。
 そのブレスは、今までとは違い吹雪のブレスだった。システィナはそのブレスをいち早く勘づき、みんなの前に立ってブレスを防ぐのだった。

「あいつは、ホワイトドラゴンだ!」

 ケンジがそう言った瞬間、セイラは※②【ウォーターオーラ】をシスティナから、順に掛けていくのだった。その後、アタッカーには※③【ファイヤーウェポン】をかけたのだった。

 これにより、水属性の攻撃に強くなりダメージが殆ど受けなくなり、反対に火属性の攻撃でダメージが、通常の倍のダメージを与えれるようになるのだった。

 システィナは、挑発を繰り返しドラゴンを自分に引きつけるのである。それをみた、マードックとプリムはいつも通り攻撃を再開させるのである。

 タンカーが魔物の注意を引きつけ、ダメージを請け負いヒーラーが、タンカーのHPを回復させ、アタッカーは後方から安全にダメージを与えて行くのがセオリーなのである。

 ここで不測の事態が起こるのだった。ドラゴンがシスティナの挑発に抵抗したのである。これによりダメージ量の多いマードックに標的を変えたのである。

「なんでよ⁉いままで、挑発に抵抗した魔物なんて!」

 ホワイトドラゴンは躊躇せず、マードックに狙いを定め、そのでかい牙でかみ砕こうとしたのだった。

 それを、後方で見ていたオリヴィアは大きな声で叫んでいた。

「マードックぅ~~~~~!」

 それを見た、プリムは躊躇せずマードックを抱え、後ろを向いたまま自分が犠牲になるかのように、マードックを庇うのだった。

「ウィングガード!」

 プリムは、マードックを抱きかかえたまま※③【ウィングガード】を使うのだった。プリムの羽は高速で羽ばたいたようになり、部屋中に大きな羽ばたきの音が響き、ドラゴンの牙と爪を完璧に防いだのだった。

「プリム、サンキュー助かったぜ!」

 マードックは、すぐさまプリムを抱きかかえ、ドラゴンと距離を取るのだった。それを見た、ケンジはよしっと呟くのだった。
 ドラゴンは高レベルだったこともあり、システィナの挑発に抵抗をしたのだった。ケンジはそれを見て※④【カース】を唱えるのだった。
 これにより、ステータスや攻撃力など低下させてしまい、当然耐性スキルも落ちるのである。
 これで、システィナの挑発は以前と同じように、ホワイトドラゴンにも抵抗される事なく、タンカーとしての役割をこなすことが出来るのであった。

 この後は、ハヤテとツバキも協力し、ホワイトドラゴンは呆気なく討伐されてしまったのである。

「え?」

 マードックは、あまりにあっけなく討伐出来た事に変な声が出てしまうのだった。これはマードックだけじゃなくギル達皆もだった。

「みんな、よくやったな!」

「主!お、俺・・・また、死にかけちまった・・・すまねえ・・・」

「いや、あれはしょうがないよ!お前に落ち度はなかったよ。」

「じゃあ、あたしの挑発が効かなかったから・・・」

「おいおい!みんな何を落ち込んでいるんだよ。今回の戦闘はみんな、カバーし合ってて前の様に連携が整っていたじゃないか。」

「だが、俺は死にかけたじゃねぇか・・・」

「だが、プリムがちゃんとフォローしたじゃないか。」

「それは、わたしも必死で・・・」

「自分が出来ることを最大限に発揮したんだよな?」

「いいか?お前達は自信を無くし、この行動でいいのか?とかくだらない事を考えていたせいで、連携がうまくいかなかっただけなんだ。だけど、今回はどうだった?」

「わたしは・・・今まで、人の目や意見を気にしすぎていて、自分はと比較していたけど、気にせず自分のできることを出来たと思います。」

「おれも、プリムと同じで庇ってもらった後、出来ることは距離を置くことで冷静に対処しました。」

「あたしも、ご主人様が【カース】を唱えた事で、マードック達の事が心配でしたが、冷静に対処して挑発を繰り出し、自分の役割をこなしただけです。」

「お前達の今言ったことは、自信がなせる事なんだぞ。」

「「「えっ?」」」

「いいか?自信と言うのは、自分がどんな時でもゆるぎない気持ちで、行動できる事なんだ。」
「ここで失敗したらとか、俺がここで出しゃばったらとか思って行動が出来ない事が自信が無いと言う事なんだ。」
「みんなが、自信をもって行動したから、あんなドラゴンだって呆気なく討伐出来る実力を、お前達は持っているんだ。」

「「「あ・・・・」」」

「いいか?今回マイは、お前達を信じて一切手を出していない。俺も魔法を一発しか撃っていないしな。」
「あのドラゴンを、今までお前達は聞いた事あるか?あれはドラゴンの変異種だぞ。あの魔物はお前達だけで討伐したと言ってもいいんだ。」
「お前達はもっと自信を持っていいんだ!」

 ケンジの言葉に、みんな涙をこらえて聞いていたのだった。今まで、自分達は何を遠慮してたんだと、後悔していたのだった。
 前は、確かに自分の行動したことに、何の疑問も持たずそれが正解だとも思わず行動していた結果、いつもうまくいっていたのだった。

 だが、このダンジョンに来てから、今まで偶然うまくいっていたものが通用しなくなってきて、困惑してしまっていたのだった。
 だが、ケンジの言う自信というものは今までの経験を活かし、自分を信じる事だったのである。

 その自信が、自分の今までの経験を活かし行動する事で、同じパーティーの人間はここで必ずこの人はこういった行動をしてくれると信じて動いてくれる事で、真の連携が生まれるのである。

「いいか?お前達は強い!この世界で一番と言われるほどにな!もっと自信を持つんだ。いいな?」

「「「「「はい!」」」」」

 このホワイトドラゴンを、マードック達だけで討伐した事に自信をもつことが出来たみたいだった。

 ギルもまた後の処理を、テキパキして、宝箱の罠を解除していたのだった。ギルは戦闘では、みんなに任せこういった裏方に徹することで、ケンジの役に立つと思っていたのだった。

 そして、ケンジ達はこのボス部屋で、一晩休憩するのだった。


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 この話で出てくるスキル、魔法一覧
※①【ブレス】
 魔物特有のスキルであり、口から範囲攻撃ができる。攻撃方法は様々な物
があり、代表的な攻撃方法は炎を吐き出し、相手を丸焼きにするのである。

※②【ウォーターオーラ】
神聖魔法     1階位
消費MP     20
詠唱速度     1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間     一瞬
効果対象     ひとり
効果範囲     なし
必要秘薬     なし
備考欄
 水属性のバリアを付与する事の出来る魔法。水属性の攻撃をされた場合、
そのダメージを90%カットできる防御魔法。
クレリック、プリースト職業レベル40信仰心スキル20.00で使用可能。

※③【ファイヤーウェポン】
神聖魔法     1階位
消費MP     20
詠唱速度     1.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間     一瞬
効果対象     一つの武器
効果範囲     なし
必要秘薬     なし
備考欄
 武器に火属性の魔法を付与する事の出来る魔法。この武器で攻撃された
アンデット・水属性のクリーチャーには2倍ダメージになる。 
クレリック、プリースト職業レベル40信仰心スキル20.00で使用可能。

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