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第7章 超級ダンジョン攻略!
55話 超級ダンジョン⑨
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マードックは、マークの双剣術を何とかかわす事ができていたのだった。この太刀筋からして、自分と同じようにレジェンダリーだと推測ができるのである。
マードックは、種族的に3次レア職業であるミストラルダンサーである。これは、ダークエルフがダンサーと双剣術を極める事でなれる職業で、他の種族にはなることが出来ない。
マークの様に、ヒューマンが双剣術とダンサーのスキルを、同時に伸ばしたとしても絶対になれないのである。ダークエルフ以外が、双剣術を極めるとデュアルマスターとなるのである。
マードックは、マークの動きを見ていて、まだかろうじて3次職になっていないのではないかと思うのである。自分の経験からして、アクティブスキルが2次職のままの感じがするのである。
「てめぇ!奴隷のくせになんでそんなに強ぇんだ!おかしいじゃねえか!」
「けっ!俺達は、主の為に必死で強くなったんだよ!わりぃか!」
マードックのスキルは、基本仲間や自分の戦闘力を引き上げる物ばかりで、プリムの様に個人的なものは少ないのである。
つまり、スキルで圧倒的に叩きのめすようなものはない為、基本的な戦闘能力が必要なのである。言い方を変えればスキルで叩きのめすなど邪道で、基本こそが正道なのである。
「ちっ!この奴隷が!生意気にあれをかわすのか・・・」
マークは、マードックの精錬された動きに翻弄されて手数を増やし攻撃しているのに、全然当たらないのである。
「そろそろ、決着をつけさせてもらうぜ!」
マードックが踏み込み、連撃を撃ちこもうとした瞬間、マークはニヤリと微笑むのだった。
「かかったな!トリプルラッシュ!」
マークは、デュアルマスターのアクティブスキルを発動したのである。※①【トリプルラッシュ】を発動したマークは、3倍速で攻撃を打ち込んだのだ!
マードックは踏み込んだ瞬間に、やばいと思い身体をひねり直撃は何とか防ぐのだった。
「ぐはっ!」
「あははははは!引っかかったな!やっぱり所詮は奴隷だな!」
マークは、3次職のデュアルマスターになっていたが、実力を隠しマードックの隙を狙っていたのであった。
だが、マードックも流石といったところでダンサーとしての身のこなしで、トリプルラッシュを数発かわしていたのだった。
「チッ・・・・まさか3次職だとは・・・・」
「俺達は、ダンジョンマスター様に強くしていただきここにいるんだ!お前達に復讐してすっきりしたいんだよ!」
ケンジは、マードックに回復魔法をかけたのだった。ケンジの、ヒールの回復量は一気に全回復するので、マードックは本当にケンジの奴隷になれた事が、幸運だと思うのだった。
「なっ!なんだあいつのヒールは?」
マークは、ケンジを睨みケンジの潜在能力を脅威に思うのだった。マードックは、すぐさま体調を取り戻し剣を構え、マークに突進したのだった。
マードックは、セイラの強化魔法、ダンス、ソングスキルで十分に強化されていたのだが、実はまだ出し切っていない力を隠し戦っていたのである。それは装備の力を出し切っていなかったのである。
装備はしているだけで、力が乗るのだが、ケンジの製作した装備は普段抑えて使わないと、あまりに強力な為ずっとそのパワーを使い続けていると武器のパワー、スピードに身体がついていけなくなりぶっ倒れてしまうのである。
「なにぃ!こいつ・・・今まで力を抑えていたのか?」
「今までも、全力だったさ!だけどこの武器の潜在能力を使っていなかっただけだよ。」
ここにきて、マードックがケンジに防具を貰った時、システィナに言った事を実践につかうのである。
「もうシスティナでは俺には勝てない!」
その言葉の意味があきらかになるのである。マードックは今日まで必死で身体と剣の基本を徹底的に鍛え上げた意味がここにあるのである。
武器と防具を使いこなすにはそれに耐えうる体が必要だと思い、必死に今日まで鍛え上げていたのだった。
マークが又、トリプルラッシュを仕掛けてきたのだが、マークの攻撃は、全て空振りでマードックにはかすりもしなかったのである。
マードックの基本能力は、今強化魔法で力、スピード、耐久力、移動力、全てが4倍まで引き上げられているのである。
その状態から、装備の能力が上乗せされ、攻撃力が4倍、攻撃回数16倍、防御力が2倍、移動速度が4倍上乗せされた状態になったのである。
「これで終わりだぁ~~~~~!」
マードックは、マークの攻撃をかわした後、素早く後ろに回り込み片手で100回近く、両手で200回近い攻撃回数をマークに叩き込んだのであった。
マークは、何が起こったという事も解らなかったであろう。叫び声も上げず瞬殺され、ダンジョンに吸収され装備も鉄屑になってしまい、消滅してしまったのである。
マードックは、その場に座り込み肩で息をしている状態であった。すぐさま、その状態のマードックの側に、ツバキとハヤテが護衛をしたのだった。
ツバキとハヤテは、ケンジの言いつけで流星とは戦っていなかったのである。なぜかというと、ケンジは流星の実力は3次職だと見抜き、ハヤテとツバキでは荷が重いと判断して戦わせなかったのである。
「はあ・・・・はあ・・・・」
「マードックよくやりましたね。大丈夫ですか?」
「ぶるるるるる・・・・」
「へっ!お前達に心配されるとは、俺もまだまだだな・・・・」
「ホント、貴方は強がりばっかり言って・・・肩で息をしてて、立ち上がれないではないですか。」
「主の装備は、やっぱすごいって事だよ!」
「まあ、いいです後は、わたくし達が守ってあげますのでゆっくり休んでなさい。」
「ああ・・・たのむぜ・・・・はあ・・・はあ・・・・」
「何よ!あれ・・・・マードックが、あたしには負けないって言ってた理由が・・・あれなの?」
システィナは、マードックの攻撃を見て驚くのだった。あの瞬間マードックはいくつにも別れ、全てのマードックが、あり得ない攻撃速度で剣をマークの背中に叩き込み、ミンチ状態になってしまったのである。
「マークぅ~~~~~!」
マークが死んでしまったのを見て、目に涙を浮かべミランダが叫ぶのだった。ミランダは奴隷に落とされた時、放心状態になり心を閉ざした。その時、ミランダの心の支えとなり、心を開いた相手がマークだったのだ。
「よくもマークを!」
ミランダは、目の前にいるシスティナを睨み魔法を唱えるのだった。ミランダは、マークが死んでしまった事で平常でいられなくなってしまったのだ。
いままで、ずっと回復役に徹していたのだが、自分を救ってくれたマークが回復も出来ずに死んでしまい、自分は何のためにここにいるのか分からなくなってしまったのである。
ミランダは、長い詠唱である※②【ホーリーレイ】を唱え始めたのだった。システィナは、ミランダだけでなくアイリーンの※③【ファイヤーアロー】も防いでいたのである。ファイヤーアローは、火属性なのでダメージを受けたとしても、装備の効果で殆ど受けないのだ。
だが、ホーリーレイは別である。聖属性の耐性はシスティナの装備には無いのである。それもこのホーリーレイは6階位の攻撃魔法なのだ。
いくら、システィナの鉄壁の防御といえど、この魔法を食らったら、ただですむはずがないのである。
システィナは、やばいと危機感を感じ、何とか前に出たかったが、アイリーンのファイヤーアローが連射されており、前に出ることが出来なかったのである。
「くっ・・・・このままじゃ・・・・」
「ホー・・・きゃあぁ~~~~!」
あと少しで魔法を完成できるところで、ケンジの※④【マジックミサイル】間に合ったのだった。あと少しの所でシスティナは、聖なる光の矢で死んでもおかしくなかったのである。
ケンジの魔法が遅れたのは、マードックを回復し行動が出来なかったからである。
「ふうう!やべえ・・・・もうちょっと遅れてたらやばかった!」
「ご主人様!ありがとうございます!」
「システィナよく頑張った!もう少しだぞ。」
「え?」
システィナは、ケンジの言葉に変な声を出してしまうのだった。
(もう少しってどういうこと?)
ケンジはマジックミサイルで援護し、アイリーンとミランダの魔法をキャストブレイクし続けるのだった。それでシスティナは前に出ることが出来たのだった。
システィナは、アイリーンに※⑤【シールドプレス】を使い、シールドに魔力を乗せアイリーンを、後方に飛ばすのだった。
そして、回復役のミランダを斬りつけるのだった。ヒーラーに対してなら、タンカーの攻撃力でも十分ダメージになるのである。
「きゃああああああああ!」
「ミランダ!」
アイリーンは、ミランダの事が心配で後方に飛ばされても、すぐに起き上がって魔法を撃とうとしたのだった。
その時、アイリーンはグラッと頭が揺れるのだった。まさかの、MP切れである。
アイリーンのような、元Aランク冒険者がまさかの失態であった。これは無理もなく、システィナのような敵にあった事がなく、アイリーンの魔法に、ここまで耐えきったエルフなど、見た事がなかったのである。
エルフと言えば、華奢でアーチャーなどが、一般的で後方からの攻撃が得意なのである。間違っても、システィナの様に、体力前提であるタンカー等普通ではないのである。
アイリーンは、システィナはエルフであり、自分の魔法ですぐに倒せると侮ったのである。その為、魔法を連射しMP切れになってしまったのだ。
「まさか・・・・あたしがMP切れだなんて・・・・」
アイリーンは、必死で気絶しないように踏ん張っていたのだが、目の前でミランダが切り刻まれていき、光の渦に消えてしまったのである。
「ミ・・・・ミランダ・・・・ごめんね・・・」
アイリーンは、気絶しそうになりながら、ミランダに謝るのだった。その前には、システィナが立ち剣を構えたのだった。
「あたしの負けね・・・」
システィナは、その言葉をアイリーンから聞き、躊躇なく心臓を一突きにした。
「うぐっ!」
アイリーンもシスティナに負け口から血を流しながら光の渦へと消滅したのだった。
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この話で出てきた魔法、スキル一覧
※①【トリプルラッシュ】
デュアルマスターの、アクティブスキルで3倍の動きで攻撃する。
つまり、6回攻撃を可能としたスキル。一発3倍ダメージ
※②【ホーリーレイ】
神聖魔法 6階位
消費MP 40
詠唱速度 5.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
聖なる光を発射する魔法。この魔法はアンデットとかには3倍ダメージだが
普通のクリーチャーにも圧倒的なダメージを与える。
ダメージはレベル×100でアンデットなら大抵は消滅してしまうであろう。
ビショップ、ハイプリースト職業レベル80信仰心スキル120.00で使用可能。
※③【ファイヤーアロー】
火属性魔法 2階位
消費MP 5
詠唱速度 1秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 1つの対象
効果範囲 レベル×1m
必要秘薬 なし
備考欄
この魔法は炎の矢を生み出し撃つ事が出来る。対象は一つで5レベル
上がる事で矢が一本増え、最大10本の矢が撃てるようになる。
一本のダメージは、レベル×10でトロールなど討伐する時、傷口を焼き
再生できないようにする為、よく使われる魔法である。
魔法使い職業レベル10魔法スキル10.00で使用可能。
※④【マジックミサイル】
無属性魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒
効果時間 一瞬
効果対象 ミサイルの数(3レベルごとに一発)=敵の数
効果範囲 目視できる範囲
必要秘薬 虹パール1個
備考欄
無属性ダメージの攻撃魔法でダメージは1~4ダメージ×レベル値
つまりケンジの場合、一発501~504ダメージになる。
そしてミサイルの数は166発のミサイルが出せるのである。
本来の使い方はダメージ量が少ない為、対魔法使いの魔法で詠唱している
魔法使いに当ててキャストブレイクによく使われるのである。
魔法使い職レベル1魔法スキル0.01で使用可能。
※⑤【シールドプレス】
シールドに魔力を乗せ、後方に飛ばす。ダメージは無し。
マードックは、種族的に3次レア職業であるミストラルダンサーである。これは、ダークエルフがダンサーと双剣術を極める事でなれる職業で、他の種族にはなることが出来ない。
マークの様に、ヒューマンが双剣術とダンサーのスキルを、同時に伸ばしたとしても絶対になれないのである。ダークエルフ以外が、双剣術を極めるとデュアルマスターとなるのである。
マードックは、マークの動きを見ていて、まだかろうじて3次職になっていないのではないかと思うのである。自分の経験からして、アクティブスキルが2次職のままの感じがするのである。
「てめぇ!奴隷のくせになんでそんなに強ぇんだ!おかしいじゃねえか!」
「けっ!俺達は、主の為に必死で強くなったんだよ!わりぃか!」
マードックのスキルは、基本仲間や自分の戦闘力を引き上げる物ばかりで、プリムの様に個人的なものは少ないのである。
つまり、スキルで圧倒的に叩きのめすようなものはない為、基本的な戦闘能力が必要なのである。言い方を変えればスキルで叩きのめすなど邪道で、基本こそが正道なのである。
「ちっ!この奴隷が!生意気にあれをかわすのか・・・」
マークは、マードックの精錬された動きに翻弄されて手数を増やし攻撃しているのに、全然当たらないのである。
「そろそろ、決着をつけさせてもらうぜ!」
マードックが踏み込み、連撃を撃ちこもうとした瞬間、マークはニヤリと微笑むのだった。
「かかったな!トリプルラッシュ!」
マークは、デュアルマスターのアクティブスキルを発動したのである。※①【トリプルラッシュ】を発動したマークは、3倍速で攻撃を打ち込んだのだ!
マードックは踏み込んだ瞬間に、やばいと思い身体をひねり直撃は何とか防ぐのだった。
「ぐはっ!」
「あははははは!引っかかったな!やっぱり所詮は奴隷だな!」
マークは、3次職のデュアルマスターになっていたが、実力を隠しマードックの隙を狙っていたのであった。
だが、マードックも流石といったところでダンサーとしての身のこなしで、トリプルラッシュを数発かわしていたのだった。
「チッ・・・・まさか3次職だとは・・・・」
「俺達は、ダンジョンマスター様に強くしていただきここにいるんだ!お前達に復讐してすっきりしたいんだよ!」
ケンジは、マードックに回復魔法をかけたのだった。ケンジの、ヒールの回復量は一気に全回復するので、マードックは本当にケンジの奴隷になれた事が、幸運だと思うのだった。
「なっ!なんだあいつのヒールは?」
マークは、ケンジを睨みケンジの潜在能力を脅威に思うのだった。マードックは、すぐさま体調を取り戻し剣を構え、マークに突進したのだった。
マードックは、セイラの強化魔法、ダンス、ソングスキルで十分に強化されていたのだが、実はまだ出し切っていない力を隠し戦っていたのである。それは装備の力を出し切っていなかったのである。
装備はしているだけで、力が乗るのだが、ケンジの製作した装備は普段抑えて使わないと、あまりに強力な為ずっとそのパワーを使い続けていると武器のパワー、スピードに身体がついていけなくなりぶっ倒れてしまうのである。
「なにぃ!こいつ・・・今まで力を抑えていたのか?」
「今までも、全力だったさ!だけどこの武器の潜在能力を使っていなかっただけだよ。」
ここにきて、マードックがケンジに防具を貰った時、システィナに言った事を実践につかうのである。
「もうシスティナでは俺には勝てない!」
その言葉の意味があきらかになるのである。マードックは今日まで必死で身体と剣の基本を徹底的に鍛え上げた意味がここにあるのである。
武器と防具を使いこなすにはそれに耐えうる体が必要だと思い、必死に今日まで鍛え上げていたのだった。
マークが又、トリプルラッシュを仕掛けてきたのだが、マークの攻撃は、全て空振りでマードックにはかすりもしなかったのである。
マードックの基本能力は、今強化魔法で力、スピード、耐久力、移動力、全てが4倍まで引き上げられているのである。
その状態から、装備の能力が上乗せされ、攻撃力が4倍、攻撃回数16倍、防御力が2倍、移動速度が4倍上乗せされた状態になったのである。
「これで終わりだぁ~~~~~!」
マードックは、マークの攻撃をかわした後、素早く後ろに回り込み片手で100回近く、両手で200回近い攻撃回数をマークに叩き込んだのであった。
マークは、何が起こったという事も解らなかったであろう。叫び声も上げず瞬殺され、ダンジョンに吸収され装備も鉄屑になってしまい、消滅してしまったのである。
マードックは、その場に座り込み肩で息をしている状態であった。すぐさま、その状態のマードックの側に、ツバキとハヤテが護衛をしたのだった。
ツバキとハヤテは、ケンジの言いつけで流星とは戦っていなかったのである。なぜかというと、ケンジは流星の実力は3次職だと見抜き、ハヤテとツバキでは荷が重いと判断して戦わせなかったのである。
「はあ・・・・はあ・・・・」
「マードックよくやりましたね。大丈夫ですか?」
「ぶるるるるる・・・・」
「へっ!お前達に心配されるとは、俺もまだまだだな・・・・」
「ホント、貴方は強がりばっかり言って・・・肩で息をしてて、立ち上がれないではないですか。」
「主の装備は、やっぱすごいって事だよ!」
「まあ、いいです後は、わたくし達が守ってあげますのでゆっくり休んでなさい。」
「ああ・・・たのむぜ・・・・はあ・・・はあ・・・・」
「何よ!あれ・・・・マードックが、あたしには負けないって言ってた理由が・・・あれなの?」
システィナは、マードックの攻撃を見て驚くのだった。あの瞬間マードックはいくつにも別れ、全てのマードックが、あり得ない攻撃速度で剣をマークの背中に叩き込み、ミンチ状態になってしまったのである。
「マークぅ~~~~~!」
マークが死んでしまったのを見て、目に涙を浮かべミランダが叫ぶのだった。ミランダは奴隷に落とされた時、放心状態になり心を閉ざした。その時、ミランダの心の支えとなり、心を開いた相手がマークだったのだ。
「よくもマークを!」
ミランダは、目の前にいるシスティナを睨み魔法を唱えるのだった。ミランダは、マークが死んでしまった事で平常でいられなくなってしまったのだ。
いままで、ずっと回復役に徹していたのだが、自分を救ってくれたマークが回復も出来ずに死んでしまい、自分は何のためにここにいるのか分からなくなってしまったのである。
ミランダは、長い詠唱である※②【ホーリーレイ】を唱え始めたのだった。システィナは、ミランダだけでなくアイリーンの※③【ファイヤーアロー】も防いでいたのである。ファイヤーアローは、火属性なのでダメージを受けたとしても、装備の効果で殆ど受けないのだ。
だが、ホーリーレイは別である。聖属性の耐性はシスティナの装備には無いのである。それもこのホーリーレイは6階位の攻撃魔法なのだ。
いくら、システィナの鉄壁の防御といえど、この魔法を食らったら、ただですむはずがないのである。
システィナは、やばいと危機感を感じ、何とか前に出たかったが、アイリーンのファイヤーアローが連射されており、前に出ることが出来なかったのである。
「くっ・・・・このままじゃ・・・・」
「ホー・・・きゃあぁ~~~~!」
あと少しで魔法を完成できるところで、ケンジの※④【マジックミサイル】間に合ったのだった。あと少しの所でシスティナは、聖なる光の矢で死んでもおかしくなかったのである。
ケンジの魔法が遅れたのは、マードックを回復し行動が出来なかったからである。
「ふうう!やべえ・・・・もうちょっと遅れてたらやばかった!」
「ご主人様!ありがとうございます!」
「システィナよく頑張った!もう少しだぞ。」
「え?」
システィナは、ケンジの言葉に変な声を出してしまうのだった。
(もう少しってどういうこと?)
ケンジはマジックミサイルで援護し、アイリーンとミランダの魔法をキャストブレイクし続けるのだった。それでシスティナは前に出ることが出来たのだった。
システィナは、アイリーンに※⑤【シールドプレス】を使い、シールドに魔力を乗せアイリーンを、後方に飛ばすのだった。
そして、回復役のミランダを斬りつけるのだった。ヒーラーに対してなら、タンカーの攻撃力でも十分ダメージになるのである。
「きゃああああああああ!」
「ミランダ!」
アイリーンは、ミランダの事が心配で後方に飛ばされても、すぐに起き上がって魔法を撃とうとしたのだった。
その時、アイリーンはグラッと頭が揺れるのだった。まさかの、MP切れである。
アイリーンのような、元Aランク冒険者がまさかの失態であった。これは無理もなく、システィナのような敵にあった事がなく、アイリーンの魔法に、ここまで耐えきったエルフなど、見た事がなかったのである。
エルフと言えば、華奢でアーチャーなどが、一般的で後方からの攻撃が得意なのである。間違っても、システィナの様に、体力前提であるタンカー等普通ではないのである。
アイリーンは、システィナはエルフであり、自分の魔法ですぐに倒せると侮ったのである。その為、魔法を連射しMP切れになってしまったのだ。
「まさか・・・・あたしがMP切れだなんて・・・・」
アイリーンは、必死で気絶しないように踏ん張っていたのだが、目の前でミランダが切り刻まれていき、光の渦に消えてしまったのである。
「ミ・・・・ミランダ・・・・ごめんね・・・」
アイリーンは、気絶しそうになりながら、ミランダに謝るのだった。その前には、システィナが立ち剣を構えたのだった。
「あたしの負けね・・・」
システィナは、その言葉をアイリーンから聞き、躊躇なく心臓を一突きにした。
「うぐっ!」
アイリーンもシスティナに負け口から血を流しながら光の渦へと消滅したのだった。
*-----*-----*-----*-----*-----*
この話で出てきた魔法、スキル一覧
※①【トリプルラッシュ】
デュアルマスターの、アクティブスキルで3倍の動きで攻撃する。
つまり、6回攻撃を可能としたスキル。一発3倍ダメージ
※②【ホーリーレイ】
神聖魔法 6階位
消費MP 40
詠唱速度 5.5秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 ひとり
効果範囲 なし
必要秘薬 なし
備考欄
聖なる光を発射する魔法。この魔法はアンデットとかには3倍ダメージだが
普通のクリーチャーにも圧倒的なダメージを与える。
ダメージはレベル×100でアンデットなら大抵は消滅してしまうであろう。
ビショップ、ハイプリースト職業レベル80信仰心スキル120.00で使用可能。
※③【ファイヤーアロー】
火属性魔法 2階位
消費MP 5
詠唱速度 1秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 1つの対象
効果範囲 レベル×1m
必要秘薬 なし
備考欄
この魔法は炎の矢を生み出し撃つ事が出来る。対象は一つで5レベル
上がる事で矢が一本増え、最大10本の矢が撃てるようになる。
一本のダメージは、レベル×10でトロールなど討伐する時、傷口を焼き
再生できないようにする為、よく使われる魔法である。
魔法使い職業レベル10魔法スキル10.00で使用可能。
※④【マジックミサイル】
無属性魔法 1階位
消費MP 5
詠唱速度 0.75秒
効果時間 一瞬
効果対象 ミサイルの数(3レベルごとに一発)=敵の数
効果範囲 目視できる範囲
必要秘薬 虹パール1個
備考欄
無属性ダメージの攻撃魔法でダメージは1~4ダメージ×レベル値
つまりケンジの場合、一発501~504ダメージになる。
そしてミサイルの数は166発のミサイルが出せるのである。
本来の使い方はダメージ量が少ない為、対魔法使いの魔法で詠唱している
魔法使いに当ててキャストブレイクによく使われるのである。
魔法使い職レベル1魔法スキル0.01で使用可能。
※⑤【シールドプレス】
シールドに魔力を乗せ、後方に飛ばす。ダメージは無し。
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