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第7章 超級ダンジョン攻略!

59話 これからの事

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「主は、なんであのダンジョンマスターが、魔王のような存在だと判ったのですか?」

「そんなの簡単だよ!俺には、鑑定があるだろ?」

「ええ・・・それは知っていますが・・・」

「俺の鑑定は、全てを見通す事が出来るみたいでな、鑑定というより分かりやすくいうと、神眼と言っても過言ではないんだよ。」
「アライメントも表示されて、あいつがどんなやつか一目でわかったし、それにあいつは少女に化けて、同情を引こうとしていたみたいだしな。」

「はぁあ?アイツは少女じゃなかったのですか?」

「ああ、ギルより年上で、おっさんだったんだぞ。そんなおっさんが、少女の言葉を使って話していたんだ、笑うのこらえるの大変だったよ。」

「ご主人様・・・アライメントってなんですか?」

「あ、性格だよ。その人物の根本にある性格だな。」

「はあ・・・性格ですか?」

「つまりだな、その人物や、魔物には性格があるだろ?大まかに分けたら善・中立・悪となる訳だな。」

「はい!」

「その善の中にも、善・中立・悪に判れるんだよ。」

「え?善の中に悪がいるのですか?」

「あ、いや・・・違うな。今のは忘れてくれ。」

「ハイ・・・」

「善・中立・悪人に分けて秩序と混沌とその中立に分けるとわかりやすいな。例えばだな、王国の兵士なんかは、王国の法の中で、悪を許さないだろ?悪を働いたものを捕らえて牢屋にぶち込むこれはわかるな。」

「そうですね。」

「この法が秩序で法の中の善 これが秩序の中の善を貫く行動をする事で、衛兵や聖職者の人物に多いんだ。そんな感じで秩序の中にも悪がいるんだよ。」

「よくわからないですよ。」

「まあ、聞きなよ!そして、法の中で悪事を働く奴らの事が秩序の中の悪だ。分かりやすく言ったら、悪い貴族みたいな連中だよ。」

「ようは、法律を逆手に取って、悪事を働くような奴らだ。」

 それを聞いて、セイラがピクリと反応を示したのだ。セイラは貴族に嵌められ、教会と土地を奪われ、犯罪奴隷に仕立てられたのである。

「これを秩序の中の悪、まあ、社会の膿のような存在といってもいい。」

「そして最後に、秩序の中の中立で、民衆みたいだと思ってくれたらいいよ。法の中で生活をして、悪でも善でもない、自分の好きに行動している奴らだ。」

「ふむふむ・・・」

「まあ、こういうアライメントが俺の鑑定では見ることが出来るんだよ。」
「こうして考えると、俺は混沌の中の中立ってことになるのかな。」

「ご主人様が混沌ですか?」

「ああ、そうだな。混沌と言っても邪悪ではないぞ。秩序という鎖で縛られるのが嫌いな、自由という事なんだ。」
「だから、俺は王国の法なんか関係ないし、守ろうと思わないからな。まあ、進んで逆らおうとは思わないけど、自分の意思で決めているだろ?」

「ま、まあ、そうですね。」

「それで、俺は自分で善人とは思ってないし、絶対に悪人でもないだろ?自由に生きているつもりだから、中立という事でカオス、ニュートラルというわけだ。」

「なるほどおお!」

「それで、ダンジョンマスターは悪だったのですか?」

「そりゃ当然だろ!あいつは一番利己的なやつだったよ。混沌の中の悪だ!法の中で生きるより、自由に生きて悪事を働くような奴だよ。」

「なるほど。」

「だが、ダンジョンマスターというやつらが、全部そうだとは限らないし、数千年前に人間達に追いやられ、ああいう性格になったかもしれないと考えると、可哀想な奴だったのかもな・・・・」

 ケンジがそういうと、みんなはシュンとして下を向くのだった。その雰囲気をなくしたのはやっぱり、ムードメーカーのマードックだった。

「なあなあ、主!そんな沈んでないでこれはどうするんだ?」

 マードックは、みんなの事なんてお構いなしに、話をすり替えてダンジョンコアに近づくのだった。

「マードック触ったらだめだ!そいつはお宝だが、一種の呪いみたいなものだぞ!」

「はああ?呪いってどういうことだよ?」

「そいつに触ってもいいのは、俺達の中ではユリアだけだよ。」

「ケンちゃん!それってどういうこと?」

「今、そのコアの所有者がいない状態なんだ。つまりダンジョンマスターだな。そのダンジョンコアに触れると、ダンジョンマスターとなり、このダンジョンの管理者となるんだ。」

「へええ、それならラッキーじゃん。主が所有者になったら、このダンジョンを管理できるってことだろ?」

「マードック、こいつは呪いだと言っただろ。これにさわると不老になるんだよ・・・そんな物に触れるわけないだろ!」

「不老って、年を取らなくなるんだろ?だったら凄い発見だろ?」

「だけどな、所有者がコアから100m以上離れた時に、他人が触ったら所有権が移るんだぞ。そして、普通の人間に戻り不老だった時間がいっぺんに襲うんだ。」

「げっ!そんな恐ろしい物なのか?」

「ああ・・・・だから、俺達の中でこれをデメリットなくさわれるのは、不老不死である、ハイエルフのユリアだけだ。」

「じゃあ、主はこのコアを、ユリアに管理を任せるつもりなのか?」

「いや・・・こいつは、ここに放置して結界を張って、誰にも触れさせないようにしておこうとおもう。」
「放置しておいても、コアがダンジョンの管理を続けると思うし、もし違うダンジョンマスターがここに現れ、触れようとしても結界で取られる事もないだろうしな。」

「まあ、そのほうが良いわね。あたし達、人間からしたら不老不死は、魅力的にうつる人もいるかもしれないけど、ユリアを見てると、そんな事はないと思う時があるからね。」

「でも、そう考えると主には長生きしてほしいし、不老になってほしいと思うのは、俺達・・・長命種族だよな。」

「はっ?マードック!お前は俺に呪われろというのか?」

「そうは言ってないだろ!俺はダークエルフで、姉貴もシスティナも長命種族だろ?主はどう考えても俺達より早く亡くなるんだ。だったら、少しでも一緒にいたいと思うのは当然だろ?」

「まあ、言いたいことはわかるが、不老という時間に縛られるのは嫌だぞ。」

「それはわかっているよ。これは俺達の気持ちだから、そんな我儘いわねぇよ。」

「それなら心配する事ないよ。」

「はぁあ?マイ、何を言っているんだよ。俺は、いくらなんでも管理者にはならないよ。」

「そんなものにならなくても、ケンちゃんはユリアの次に長生きできるよ。」

「マイさん・・・いくら主が、何でもできるような化け物だけど、俺達より長生きなんて無理だよ。」

「誰が化け物だ!」

 ケンジは、マードックの後頭部を、思いっきり叩くのだった。

「痛ったああああ~~~~!主、何するんだよ!」

「お前が、あまりに失礼な事を、言うからだろう!」

「だけど、叩くことはないだろ!」

「「というより、マイさん今のはどういう事なんですか?」」

 システィナとオリヴィアは、ケンジが自分より長生きできると聞いて、興奮しているようだった。

「だって・・・ケンちゃんは、ヒューマンじゃないでしょ。」

「何、言ってんだよ。ヒューマンじゃないか!」

「ヒューマンの上位種である、ハイヒューマンだよ。」

「「「「「「はっ?」」」」」」

 ケンジとマイ以外が、大きな声を上げたのだった。

「主って、滅亡したハイヒューマンの末裔だったのか?」

「いや・・・末裔じゃないだろ!主は、この世界にやって来たんだ。クローティア様から、プレゼントされた身体だからな。」

「ギルは、よくわかっているよな!で、マイそれがどうしたんだよ?」

「クローティア様が、あたしを転生してくれるとき言ってたもん!ケンちゃんは、100年如きで、姿形が変わるような種族じゃないって、ゆうに5000年は生きる、種族って言ってたわよ。」

「はああああ~~~~・・・・・?」

「つまりは、あたし達の中で行ったら、ユリアの次に長生きする種族になるって事よ。クローティア様も、ケンちゃんを余程、死なせたくなかったんじゃないの?」

「「「やったあああああああ!」」」

 マードックとシスティナとオリヴィアは、大声を上げて喜ぶのだった。マードック達が、喜ぶのは無理はなかったのである。長くても後80年程で、ケンジと別れることが分かっていたけど、3人は考えないようにしていたのである。
 それが、自分達の方が、早く寿命で亡くなる事がわかったのである。自分達は、1000~1500年ほど生きるが、その間ずっとケンジと、一緒に生活が出来るのである。

「ほ、ほんとかよ・・・」

「クローティア様が言ってたもん。間違いないと思うよ。」

「主!さっきはよくも頭を叩いてくれたよな。やっぱ主は、化け物みたいじゃないか!」

「あ~~~~!又、俺を化け物扱いにしたな!」

「エルフ族より、長生きするヒューマンが、化け物じゃないって言うのかよ!」

「そ、それは、俺だって知らなかったんだよ!俺は化け物じゃない!」


 ケンジとマードックは、大きな声を出して言い合っていたが、マードックとシスティナ、オリヴィアに瞳には光るものがあったのである。

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