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第9章 Freedom国の発展!

112話-2 奴隷達の想い②

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 ミナレスに、意見を聞きケンジは部屋に籠りこれからの事を考えていた。その頃、ケンジと接点がまだあまりない新人奴隷達は、鍛冶工房で仕事をしながら自分達はこれからどうなるのか考えていたのだ。

「なあ、俺達奴隷から解放してくれるのかな?」

「それはないだろ?もしあっても筆頭奴隷にギルスレインからだろ?」

「やっぱそうだよな……」

「だけど、俺はこのまま主様の奴隷でもいいと思ってんだよな」

「なんでだよ!」

「だって、主様は他の主人と違うじゃないか。ちゃんと、主様の役に立って一生懸命働いてたら、貴族以上の暮らしをさせてくれているじゃないか」

「た、確かに!」

「まあ、主様を利用しているように聞こえるが、そうじゃなく今までこの暮らしをさせてくれた主様に仕えて行きたいんだよなあ」

「確かに奴隷解放されても、又平民で自力で頑張るより……」

「だから、そういう考えじゃなくてよ!このまま奴隷で暮らすとか平民で暮らすとか、天秤にかけるのが間違っているんだよ」

「なんか、難しいな……」

 その話を聞いていた、親方のダンギとシェムが、弟子たちの頭をどついたのだ。

「お前たち何をしゃべっておる!主殿を馬鹿にする事を言うな!」

「「「「「痛てぇ~~~~~!」」」」」
「ダンギの親方なにするんだよ!」

「お前達に、平民や奴隷の立場を色々言うのは10年早いわい!」

「そうじゃぞ!お前達は、この間主殿に購入されたばかりじゃ!これから主殿の役に立つ事だけ、考えておればいいのじゃ!」

「シェムの親方!そうは言うが、主様が平民に解放してやると言ったんだぜ?少しは期待してもいいじゃないか?」

「馬鹿もん!仮に平民へと解放してやると言っても、主殿に負担がかかるようなアイテムの使用などギル殿が許さんわい!」

「それは確かにそうだが、そのままじゃ俺達だって奴隷からの解放を望む事はしないぜ。俺達も、主様に恩があるんだ!」

「さっきコイツが言ってただろ?」

「ダンギの親方……何がだよ?」

 ダンギは、この場で唯一頭をどつかなかった弟子の肩を持ち説明し出した。

「さっき、こいつは奴隷とか平民への解放を天秤に掛けたらダメだと言っただろ?」

「ああ……」

「奴隷のままでいるのは、ここの暮らしで貴族様以上の生活がもらえるからと言う理由じゃなく、主殿の役に立てるから奴隷でいるんだと思う事だ!」

「……」

「そして、奴隷からの解放を望む者は主様の負担を減らすために平民として頑張り、町への税金を少しでも多く納めようという気持ちでいないといけないんだぞ!」

「うぐっ……」

「いいか?お前達は平民に戻れたら確かに自由が手に入る。だが、それ以上に平民にもどしてもらった恩を返していかないといけないんだぞ?」

 ダンギとシェムは、弟子達に考え方を改めるように、その場に正座をさせて長時間反省させたのである。

 そして、こういった考え方をしている新人達は、ことごとく古参メンバーに説教されたのは言うまでもなかった。


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