研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第7章 新たな進化

15話 ギルドの選択

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 ヒロトシの口から出た言葉は、マリーにとって信じられないものだった。

「そのようなことはありません!」

「何故そう言いきれる」

「当たり前です!聖女様は神秘性を重んじ、自ら俗世間と係わらないようにして!」

「それは、マリーさんが直接聖女様から聞いたんですか?」

「それは・・・・・・」

「俺からしたら、聖女様は聖教国が金を信者から集める為の犠牲者だよ」

「そこまで、聖教国を愚弄する気ですか?」

「愚弄?事実だろ?あんた達は、聖教国が何をしているかわかっているはずだ」

「「「「「・・・・・・」」」」」

「教皇は何年間その地位に君臨している?欲望の強い無能な人間を長い間トップに置くと、いい人材が育たないぞ?」

「ぐぬぬぬぬ!言わして置けば!」

「とりあえず言っておく。ポーション屋は始まりに過ぎない。次はこの店で薬師が活躍するから覚悟しておけ!」

「なっ!」

「丸薬も同じような価格にするつもりですか?」

「焦るだろ?聖教国で教会の存在意義が無くなるんだからな。教会のお抱え錬金術師や薬師が行き場を無くし、今最大の元凶とも言える薬草問屋を潰してやるよ」

「ぐっ!」

「いいか?俺からの猶予を与えてやるよ。薬草問屋に値段を元に戻させないと、次は聖教国がなくなることになるぞ?」

「馬鹿なことを!」

「俺から助言だ。まだ平民には余裕が生まれてくるからな?」

「平民に余裕が生まれて来たら、どうなるというのですか?」

「わからないのか?だったらこのまま聖教国が滅びるのを待つんだな。民衆の力を侮ると後悔するよ」

 マリーは、ヒロトシの言う余裕が何故聖教国が滅びる事になるのかわからなかった。それより、ヒロトシのポーション屋から、風邪薬や腹痛の薬が売り出される事に驚愕した。

 聖職者が経営する病院まで、ヒロトシのポーション屋に患者を奪われる事になるからだ。
 今まで、薬草問屋が価格を一手に担っていたが、独自のルートを持つヒロトシの店には太刀打ちができないのだ。
 それ故に、スティーブは教皇に泣きついたのは明らかだった。

「教会を本気で怒らす気ですか?」

「おー!聖教国が悪人の三下のようなセリフを吐いてもしょうがないだろ?現実を見ろよ」

「ここは聖教国です。国を怒らせて商売ができると思っているのですか?」

「商売はできるに決まっているだろ?」

「何を言って・・・・・・」

「商売は商人ギルドが仕切っているんだぜ?ギルドは国とは関係のない独立した機関だ」

「馬鹿なことを、聖教国が言えばこんな店より、ギルドは聖教国の言う事を重んじます」

「そう思うならそう思ってな!後悔するのは聖教国だよ」

「その強気な態度へし折って上げましょう!」

 マリーがヒロトシの言葉に怒りを露にして怒鳴った時、客室にティアが新たな客を案内した。

「ご主人様、お客様です」

「なんですか?この奴隷は!今は私たちが話しているのがわからないのですか?」

「司祭様、申し訳ありません。しかし、それは不味い事になるかと・・・・・・」

「何が不味いですか!謝るならさっさと下がりなさい!」

「おい!何を勝手なことを言っている」

 この客室に入って来た人物に、マリーや部下達は目を見開いて固まってしまった。

「「「「「「「大司祭様!」」」」」」」

 なんと、入室してきたのは教会の大幹部の大司祭だった。

「マリー、帰るぞ!このままではお前の首がとぶことになる」

「何を言っているのですか?」

「お前、商人ギルドにも使者を送っただろ?それが問題になっておる」

「あーあ。マリーさん、商人ギルドにも使者を送っていたんだ?早まった事をしたね」

「何を!」

「まさか儂も驚いたよ・・・・・・商人ギルドがヒロトシのポーション屋を潰すなら、商人ギルドだけじゃなく、冒険者と生産ギルドが聖教国領から撤退すると言ってきた」

「なんですって!なんで聖教国よりヒロトシの店をとるのですか?」

「そりゃ当然だろ?俺は、商人ランクSSSなんだぜ?商人ギルドだけじゃなく、どれだけ利益を出していると思っている?」

「ヒロトシよ。今回は教会が引いてやる。しかし、その首洗って待っておれ!」

 大司祭は、その顔を真っ赤にしてマリー達を連れて帰っていった。

「負け惜しみを!」

「くっ」

 聖教国もまさか、ヒロトシを擁護するとは思ってなかったようだ。ヒロトシが、他の店と同じなら聖教国をとっていたであろう。
 しかし、ヒロトシにポーション屋を止めろなんて言ったら最後、王国領の店まで止められたら大損害になるからだ。
 ギルドはヒロトシの性格なら、王国領を離れてしまい、自分の土地でギルドが手出し出来ないようにするはずだと思っていた。

 それなら、聖教国は捨てヒロトシについたほうが絶対に良かったのである。
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