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12話 花校祭
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明美は、昨日博也の兄の博則にヘアスタイルをカットしてもらっていた。そのスタイルはバッサリ短くしてもらいユルふわヘアで、今までの自分では考えられないほど、視界が拡がっていて緊張していた。
それは、昨日髪をカットしてもらい、家に帰った時の父俊蔵の反応にあった。
「た、ただいま……」
「おかえ……り……って、どうしたんだ!」
「へ、へんかな?」
「お、お前、村田君にフラれたとか……」
「えっ?……何で、村田君にフラれるって、あたし達付き合ってもいないよ!」
「だって、女の子が髪をバッサリ切るって……」
「お父さんの馬鹿!」
「わんわん!」
明美の声に、アオも吠えるという始末だった。しかし、俊蔵は明美に謝りフラれたとかそういうのではなく、いきなりイメチェンした事で驚いたことを正直に話し、よく似合っていると褒めたのだった。
「明日は花校祭なんだろ?」
「うん……でも、緊張しているんだ」
「何で緊張を?」
「うん……何でかわからないんだけど、いつの間にかミスコンテストに出る事になったんだ」
「本当か?なんで⁉」
「だから、いつの間にかなんだってば」
「そうか、だから髪を切ったのか」
「うん……」
「でも、その姿を見たら優勝間違いなしだな!」
「もう……お父さんってホント親ばかなんだから」
「何を言う!本当の事だ!お前は引っ込み思案な所があるが、もっと自信を持った方がいいと思うぞ」
「そんな事言ったって……」
「明美は俺の自慢の娘だ。明日はお父さんも花校祭に行って応援するぞ!」
「ええ!恥ずかしいから来なくていいよ……」
俊蔵は、娘の言葉にがっくり肩を落とした。
「ハア……こうして世の中のお父さんは、娘に敬遠されて寂しい人生を送るのか……」
「もう!お父さんは大げさすぎるのよ!」
「じゃあ、行ってもいいか?」
「分かったわよ来てもいいから、そんなに落ち込まないで!」
「そ、そうか!いやぁ~~~、明日は楽しみだなあ!」
「でも、仕事は大丈夫なの?お父さん在宅ワークじゃない……」
「明日は休み!なにがなんでも花校祭に行くって決めた」
明美は、父の態度にため息をつくしかなかった。そして、次の日部活をしていない生徒は、朝から参加はしなくてもいいのが花校祭である。
今は、地元のお祭りのようなものだが、花校祭の成り立ちは、部活の新入生勧誘から始まったので、参加しない生徒もいた。なので、明美もミスコンテストの時間にあわせて登校したらよかった。
これは、博也の作戦でもあった。ギリギリまで他の生徒に、明美の姿を見せないでギャップを狙ったものである。
明美もその作戦に同意し、朝から美尋に教えてもらったコスメのやり方をして、衣装である私服を着て登校したのだった。
明美は普段でも、地味な服装で化粧もしていなかったが、今日の日の為に美尋に服を一緒に選んでもらった明るめの服装で、ナチュラルメイクをばっちり決めて学校の中に入った。
すると花校祭は賑わっていて、新入生勧誘のような事はなく、学園祭のような雰囲気だった。
運動部や文化部の先輩達が、この日の為に準備をしてきて、出店でたこ焼きとかを売っていたのだった。その他にも、町の店も又で店を出していて、本当にお祭りだった。明美もその雰囲気に楽しくなり笑顔になっていた。
すると、周りの雰囲気がおかしい事に、明美は気づいた。何やら、周りの人間が明美を見てヒソヒソ話しているのだ。明美はその様子に不安になり、自分の見た目がやっぱり似合っていないのかと不安になった。
「なあ、あの娘むっちゃ可愛いな……」
「ああ、俺のタイプだ」
「今年の新入生であんな娘いたか?」
「他の学校で遊びに来たんじゃないのか?」
男子生徒は、そんな事を話していた。
「ったく、男ってちょっと可愛い娘を見たらデレデレしちゃって」
「ホント、男っていやよねえ」
「あたし達だって本気出せば可愛いんだからね」
「ホントかよ!いつものお前達を見てて、あの娘にはおよばないだろ?」
「失礼しちゃうわね」
「痛ぇ!お前達はその暴力的な所から直すべきだ!」
「あんた達がいらんこと言うからでしょ!」
女生徒は、同級生の男生徒の頭をはたいていた。そんな中、花校祭を楽しむためにやって来た男子生徒もやってきていた。
「ねえ、君むっちゃ可愛いね。一緒に花交際をまわらない?」
明美は、自分に声をかけられているとは思っていなくて、周りの雰囲気に耐えられなくて、その場から立ち去ろうとしていた。
「ねえちょっと、無視しなくてもいいじゃん」
その男子生徒は、明美の肩を持ったのだった。肩を持たれた明美は
いきなりの事でびっくりした。
「えっ?あたしですか?」
振り向いた明美は、更にびっくりしたのだった。明美に声をかけてきたのは、クラスメイトだったからだ。
「えっ?角谷君……」
「えっ?なんで俺の名前を知っているの?どこかで会ったかな?」
この男子生徒は、明美のクラスメイトの角谷智弘だった。クラスでも明るく博也と同じくクラスでも人気のある生徒である。
「あ~智弘ったら、またナンパしてる!」
そこに、クラスメイト達が集まってきたのだった。
「うるせえよ!こんな可愛い娘にお近づきになりたいと思うのは当然だろ」
智弘は、照れ隠しにそうおちゃらけて見せた。
「ねえ、あなた智弘は軽薄だから騙されちゃ駄目だよ」
クラスメイトの室谷保奈美がそう言ってきたのだった。いつも教室で楽しく会話している保奈美も、明美の事が分かっていなかった。
「室谷さんおはよう」
明美の声を聞いた、保奈美はびっくりして大きな声を出した。
「えっ⁉」
「なんだ、保奈美の知り合いか?こんな可愛い娘がいるなら紹介してくれよ」
「何言ってんのよ。この子、立花さんだよ!」
「「「「「はっ⁉」」」」」
明美の周りにいた、クラスメイト全員が絶句したのだった。保奈美を始めクラスメイトが、明美のイメチェンに大騒ぎしたのだった。
「むっちゃ可愛いじゃん。いったいどうしたの?」
「この服むっちゃ可愛い!」
「ねえ、いったいどうしたの?」
明美の周りには、クラスメイトの女子が集まっていて、明美はアオの時以来のクラスの中心にいた。そして、先輩達が出している出店をクラスメイト達とまわって楽しんだのだった。
そして、明美は、クラスメイトが可愛いと言ってくれたおかげで自信が持てるようになっていたのだった。
それは、昨日髪をカットしてもらい、家に帰った時の父俊蔵の反応にあった。
「た、ただいま……」
「おかえ……り……って、どうしたんだ!」
「へ、へんかな?」
「お、お前、村田君にフラれたとか……」
「えっ?……何で、村田君にフラれるって、あたし達付き合ってもいないよ!」
「だって、女の子が髪をバッサリ切るって……」
「お父さんの馬鹿!」
「わんわん!」
明美の声に、アオも吠えるという始末だった。しかし、俊蔵は明美に謝りフラれたとかそういうのではなく、いきなりイメチェンした事で驚いたことを正直に話し、よく似合っていると褒めたのだった。
「明日は花校祭なんだろ?」
「うん……でも、緊張しているんだ」
「何で緊張を?」
「うん……何でかわからないんだけど、いつの間にかミスコンテストに出る事になったんだ」
「本当か?なんで⁉」
「だから、いつの間にかなんだってば」
「そうか、だから髪を切ったのか」
「うん……」
「でも、その姿を見たら優勝間違いなしだな!」
「もう……お父さんってホント親ばかなんだから」
「何を言う!本当の事だ!お前は引っ込み思案な所があるが、もっと自信を持った方がいいと思うぞ」
「そんな事言ったって……」
「明美は俺の自慢の娘だ。明日はお父さんも花校祭に行って応援するぞ!」
「ええ!恥ずかしいから来なくていいよ……」
俊蔵は、娘の言葉にがっくり肩を落とした。
「ハア……こうして世の中のお父さんは、娘に敬遠されて寂しい人生を送るのか……」
「もう!お父さんは大げさすぎるのよ!」
「じゃあ、行ってもいいか?」
「分かったわよ来てもいいから、そんなに落ち込まないで!」
「そ、そうか!いやぁ~~~、明日は楽しみだなあ!」
「でも、仕事は大丈夫なの?お父さん在宅ワークじゃない……」
「明日は休み!なにがなんでも花校祭に行くって決めた」
明美は、父の態度にため息をつくしかなかった。そして、次の日部活をしていない生徒は、朝から参加はしなくてもいいのが花校祭である。
今は、地元のお祭りのようなものだが、花校祭の成り立ちは、部活の新入生勧誘から始まったので、参加しない生徒もいた。なので、明美もミスコンテストの時間にあわせて登校したらよかった。
これは、博也の作戦でもあった。ギリギリまで他の生徒に、明美の姿を見せないでギャップを狙ったものである。
明美もその作戦に同意し、朝から美尋に教えてもらったコスメのやり方をして、衣装である私服を着て登校したのだった。
明美は普段でも、地味な服装で化粧もしていなかったが、今日の日の為に美尋に服を一緒に選んでもらった明るめの服装で、ナチュラルメイクをばっちり決めて学校の中に入った。
すると花校祭は賑わっていて、新入生勧誘のような事はなく、学園祭のような雰囲気だった。
運動部や文化部の先輩達が、この日の為に準備をしてきて、出店でたこ焼きとかを売っていたのだった。その他にも、町の店も又で店を出していて、本当にお祭りだった。明美もその雰囲気に楽しくなり笑顔になっていた。
すると、周りの雰囲気がおかしい事に、明美は気づいた。何やら、周りの人間が明美を見てヒソヒソ話しているのだ。明美はその様子に不安になり、自分の見た目がやっぱり似合っていないのかと不安になった。
「なあ、あの娘むっちゃ可愛いな……」
「ああ、俺のタイプだ」
「今年の新入生であんな娘いたか?」
「他の学校で遊びに来たんじゃないのか?」
男子生徒は、そんな事を話していた。
「ったく、男ってちょっと可愛い娘を見たらデレデレしちゃって」
「ホント、男っていやよねえ」
「あたし達だって本気出せば可愛いんだからね」
「ホントかよ!いつものお前達を見てて、あの娘にはおよばないだろ?」
「失礼しちゃうわね」
「痛ぇ!お前達はその暴力的な所から直すべきだ!」
「あんた達がいらんこと言うからでしょ!」
女生徒は、同級生の男生徒の頭をはたいていた。そんな中、花校祭を楽しむためにやって来た男子生徒もやってきていた。
「ねえ、君むっちゃ可愛いね。一緒に花交際をまわらない?」
明美は、自分に声をかけられているとは思っていなくて、周りの雰囲気に耐えられなくて、その場から立ち去ろうとしていた。
「ねえちょっと、無視しなくてもいいじゃん」
その男子生徒は、明美の肩を持ったのだった。肩を持たれた明美は
いきなりの事でびっくりした。
「えっ?あたしですか?」
振り向いた明美は、更にびっくりしたのだった。明美に声をかけてきたのは、クラスメイトだったからだ。
「えっ?角谷君……」
「えっ?なんで俺の名前を知っているの?どこかで会ったかな?」
この男子生徒は、明美のクラスメイトの角谷智弘だった。クラスでも明るく博也と同じくクラスでも人気のある生徒である。
「あ~智弘ったら、またナンパしてる!」
そこに、クラスメイト達が集まってきたのだった。
「うるせえよ!こんな可愛い娘にお近づきになりたいと思うのは当然だろ」
智弘は、照れ隠しにそうおちゃらけて見せた。
「ねえ、あなた智弘は軽薄だから騙されちゃ駄目だよ」
クラスメイトの室谷保奈美がそう言ってきたのだった。いつも教室で楽しく会話している保奈美も、明美の事が分かっていなかった。
「室谷さんおはよう」
明美の声を聞いた、保奈美はびっくりして大きな声を出した。
「えっ⁉」
「なんだ、保奈美の知り合いか?こんな可愛い娘がいるなら紹介してくれよ」
「何言ってんのよ。この子、立花さんだよ!」
「「「「「はっ⁉」」」」」
明美の周りにいた、クラスメイト全員が絶句したのだった。保奈美を始めクラスメイトが、明美のイメチェンに大騒ぎしたのだった。
「むっちゃ可愛いじゃん。いったいどうしたの?」
「この服むっちゃ可愛い!」
「ねえ、いったいどうしたの?」
明美の周りには、クラスメイトの女子が集まっていて、明美はアオの時以来のクラスの中心にいた。そして、先輩達が出している出店をクラスメイト達とまわって楽しんだのだった。
そして、明美は、クラスメイトが可愛いと言ってくれたおかげで自信が持てるようになっていたのだった。
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