雨の上がる時・・・

本条蒼依

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13話 ミスフラワーコンテスト始まる

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 明美は、クラスメイト達と花校祭を楽しんでいた。途中、博也の姉の美尋に会い、コーディネイトが上手く行っているのを見て抱きつかれる始末だった。

「やっぱ、明美ちゃん可愛いね」

「ちょ、ちょっと美尋さん……」

「もうすぐミスフラワーが決まるわね。明美ちゃん頑張ってよ」

「は、はい……多分優勝は無理かもしれませんが、出来る事は手伝ってもらったのでがんばります」

「何言ってんのよ。クラスメイトの反応で自信がついたでしょ?もっと自信を持ってね」

「そうだよ立花さん!あたし達、すっごい驚いたんだよ。絶対グランプリとってね」

「「「「そうだそうだ!俺達応援しているからな」」」」

「みんなありがとね」

「あの……美尋さん、村田君は今日来ていますか?」

「うん、来ていたはずだけど、多分サッカー部の出店を手伝わされていると思うよ」

「そ、そうですか……見てくれると嬉しかったんだけど、先輩の手伝いならしょうがないですね……」

「大丈夫よ。ミスコンテストだけは抜け出してみるって言ってたから、明美ちゃんはコンテストの事だけを考えて頑張ってたらいいよ」

「そ、そっか!村田君抜け出せるんですね」

 明美は、博也がコンテストは見れると聞いて笑顔になった。

「もう!ホント、明美ちゃんは可愛いね」

 明美は、美尋に又抱きつかれて、焦りまくっていた。

「ちょ、ちょっと美尋さん止めてくださいってば……」

 美尋は、アオの時もそうだったが、かわいいものに抱きつく癖があるようだ。それで、アオもこの一週間で美尋をみると、警戒し身構えるようになっていた。

『お知らせします!ミスフラワーコンテスト出場する方はステージ裏に集まってください。繰り返します。ミスフラワーコンテスト出場する方はステージ裏に集まってください。』

「ほらほら。明美ちゃんがんばってね!」

「はい!」

 明美は、ステージ裏の集合場所に急いで走った。するとそこには、久保田美佐や先輩達が集まっていて緊張がはしったのだった。出場するだけあって、みんな容姿に自信のある人ばかりで、女の明美の目から見ても凄く眩しかったのだ。

「美沙、あの子やっぱり来てないみたいね」

「そりゃそうよ。あんな陰キャ出場するだけ、笑いものになるだけだからね」

「「そりゃそうよね」」

 美沙と取り巻きの二人は、明美が来てないと思っていて陰口をたたいていた。

 出場人数は、明美を入れて10人だった。3年生3人、2年生が4人1年生3人で優勝候補は3年生の坂下佳織で今回優勝したら3連覇という偉業が成り立つのである。

 そして、その偉業を止めるかと言われていたのが、久保田美佐である。

「ねえねえ、美沙あの子誰?」

「知らないわ……見たことない子ね」

「でも、ミスコンテストに出るみたいよ」

 久保田美沙は、気になって明美の所に近寄ってきたのだった。明美もそれに気づき身構えたのだった。

「あなたこの学校の生徒ですよね?」

 美沙は見たことがない生徒だった為、一応先輩の可能性をいれて普通に話しかけただった。
 
「あ、はい……久保田さん今日は負けません!」

「なっ⁉あ、あなた……立花明美?」

「そうですが何か?」

 明美の返事に、美沙と取り巻きの2人は驚いて声を上げた。その様子に出場者の人達はこちらを見たのだった。
 美沙を始め、他の出場者は明美の姿を見て焦ることになった。少なからず明美とは違い、ライバルの事は知っていたからである。
 明美はただ、美沙から強引に出場させられたため、他の人間には興味がなかっただけなのである。

「何、そんな気合入れてんのよ!」

「何言っているの?久保田さんがあたしにミスキャンパスに出場しろと言ったんじゃない。あたしだって、花校祭のメインイベントに出るからには、あのままで出れるとは思わないわ」

「だ、だからって!」

 美沙は、明美に出場しろと言ったのを後悔し始めていた。前はこんな風に立てつくような子ではなかったに、自信が持ち始めて言いかえしてくるようになっていたのだ。

「今日は、あたしもこうして準備をしてきました。今日はお互いに頑張りましょう」

 明美は内心ドキドキしていたが、これまで協力してくれた博也と美尋さんと博則さんの為にも、頑張らないといけないと思っていた。

 そして、ステージ前にはこの花校祭のメインイベントと呼ばれるミスフラワーを一目見たいと思っていた観客で、ステージ前は埋め尽くされていた。


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