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第一章(高一春)
3:久城 楪
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ザワザワとした教室、自分に向けられた視線、こうなる事は予想していたが耐えきれず、思わず眉をひそめた。
そして、こう思わずにはいられなかった
「………どうして、僕はΩなんだろう。」
第2性別がΩと言うだけで、この世界は残酷だ。Ωには社会的地位が無いに等しい。ヒートのせいでまともに働けないせいだ。
加えて、僕は「蒼い瞳持ちΩ」であることが
さらに世間に刺激を与えた。蒼い瞳を持つΩは、
優秀な個体らしい。そして、僕のような完全な蒼い瞳のΩは今まで一人もいなかったそうだ。青みがかった人は数人いたらしいが、Ωのほとんどは紫の瞳だった。
まあ、そんな都市伝説級のΩがいれば、話題にもってこいだもんな。生きづらい世の中だ。
幼稚園の頃、それが理由でいじめを受けて以来、
小中は通信で通わせてもらっていたが、さすがに高校まで通信で通うわけいはいかないということで、登校してきた訳だが、早くも帰りたいっっ…。
廊下の窓にふと目をやると、嬉しそうな顔でこちらを見てくる叔父叔母の姿を見て、もう少し頑張ろうと決意した時、ふとなんとも言えない感覚に襲われた。
先程の入学式の挨拶の時のだ。急に激しい動悸に襲われた。先程は、大勢の前で見世物みたい目にあったので、緊張していたのだろうと深く考えなかったが、今は違う。何かがおかしい。
何かに怯えるような、でも何かを求めているようなそんな甘く痺れるような感覚に襲われる。
「………はぁっ。」
ガタガタッという音と共に、椅子から落ちてしまった。自分の体温が急に上がるのを感じる。
「楪!!!」
何かを察した叔父が教室に入ってきてくれた。
「晴久…叔父さ…ま。」
激しい動悸のせいで、頭が真っ白になりかけたその時だった。それまで自分に向けられていた視線が教室の扉に向けられた。
なんで、このクラスにこの人たちが…!?そんなザワザワした声を聞き、視線を扉に向けたその時
「……あぁ。いた。」
低いその声は一瞬で僕を包み込んだ。アッシュグレーの髪、燃えるような彼の紅い瞳を見て
感じた思いに、僕は怖くなった。
先程まで、自分を襲っていた動悸はびっくりするくらい収まっていて、胸の奥から熱い思いが込み上げてきた。
ー彼に愛されたいー
そうか。あなたなんだね。僕の運命は。
驚いたように目を見開いた彼を見て、自分が涙を流していることに気づく。
「楪?」
心配そうな叔父さんがこちらを見つめてくる。
大丈夫だよと伝えなければならないのに、上手く言葉が出てこない。そして、湧き上がってくる熱に耐えきれず、彼に微笑み意識を手放した。
「初めまして。僕の運命。一生会いたくなかったよ」
次に目を覚ますと、そこには見慣れない白い天井があった。そして、自分に刺さっている点滴を見て、重度のヒートを起こしていたことに気づく。
「そうか。あれはヒートの前の症状だったんだ。また迷惑かけちゃったな。」
教室でヒートを起こすなんて最悪だ…。教室に行きづらいな。そう思いながら、これからのことを考えていると、バンッと勢いよく病室のドアが開く。
「楪!!大丈夫か??」
と叔父と叔母が、心配そうに病室に入ってきた。
「お医者様からは点滴もしてあるから、今は落ち着いてるけど1週間ヒートが続くだろう…って」
「もうそろそろかなとは思っていたが、急に教室でヒートが来るなんて。」
「心配ばかりかけて、ごめんなさい…」
「いいのよ。今日は病院でゆっくり寝て休んで?」
明日の朝すぐ迎えに来るからねと優しく叔母は声をかけてくれた。
叔父に優しく頭を撫でられ、安心感に包まれ、疲れていたせいかまたすぐ眠ってしまった。
そして、こう思わずにはいられなかった
「………どうして、僕はΩなんだろう。」
第2性別がΩと言うだけで、この世界は残酷だ。Ωには社会的地位が無いに等しい。ヒートのせいでまともに働けないせいだ。
加えて、僕は「蒼い瞳持ちΩ」であることが
さらに世間に刺激を与えた。蒼い瞳を持つΩは、
優秀な個体らしい。そして、僕のような完全な蒼い瞳のΩは今まで一人もいなかったそうだ。青みがかった人は数人いたらしいが、Ωのほとんどは紫の瞳だった。
まあ、そんな都市伝説級のΩがいれば、話題にもってこいだもんな。生きづらい世の中だ。
幼稚園の頃、それが理由でいじめを受けて以来、
小中は通信で通わせてもらっていたが、さすがに高校まで通信で通うわけいはいかないということで、登校してきた訳だが、早くも帰りたいっっ…。
廊下の窓にふと目をやると、嬉しそうな顔でこちらを見てくる叔父叔母の姿を見て、もう少し頑張ろうと決意した時、ふとなんとも言えない感覚に襲われた。
先程の入学式の挨拶の時のだ。急に激しい動悸に襲われた。先程は、大勢の前で見世物みたい目にあったので、緊張していたのだろうと深く考えなかったが、今は違う。何かがおかしい。
何かに怯えるような、でも何かを求めているようなそんな甘く痺れるような感覚に襲われる。
「………はぁっ。」
ガタガタッという音と共に、椅子から落ちてしまった。自分の体温が急に上がるのを感じる。
「楪!!!」
何かを察した叔父が教室に入ってきてくれた。
「晴久…叔父さ…ま。」
激しい動悸のせいで、頭が真っ白になりかけたその時だった。それまで自分に向けられていた視線が教室の扉に向けられた。
なんで、このクラスにこの人たちが…!?そんなザワザワした声を聞き、視線を扉に向けたその時
「……あぁ。いた。」
低いその声は一瞬で僕を包み込んだ。アッシュグレーの髪、燃えるような彼の紅い瞳を見て
感じた思いに、僕は怖くなった。
先程まで、自分を襲っていた動悸はびっくりするくらい収まっていて、胸の奥から熱い思いが込み上げてきた。
ー彼に愛されたいー
そうか。あなたなんだね。僕の運命は。
驚いたように目を見開いた彼を見て、自分が涙を流していることに気づく。
「楪?」
心配そうな叔父さんがこちらを見つめてくる。
大丈夫だよと伝えなければならないのに、上手く言葉が出てこない。そして、湧き上がってくる熱に耐えきれず、彼に微笑み意識を手放した。
「初めまして。僕の運命。一生会いたくなかったよ」
次に目を覚ますと、そこには見慣れない白い天井があった。そして、自分に刺さっている点滴を見て、重度のヒートを起こしていたことに気づく。
「そうか。あれはヒートの前の症状だったんだ。また迷惑かけちゃったな。」
教室でヒートを起こすなんて最悪だ…。教室に行きづらいな。そう思いながら、これからのことを考えていると、バンッと勢いよく病室のドアが開く。
「楪!!大丈夫か??」
と叔父と叔母が、心配そうに病室に入ってきた。
「お医者様からは点滴もしてあるから、今は落ち着いてるけど1週間ヒートが続くだろう…って」
「もうそろそろかなとは思っていたが、急に教室でヒートが来るなんて。」
「心配ばかりかけて、ごめんなさい…」
「いいのよ。今日は病院でゆっくり寝て休んで?」
明日の朝すぐ迎えに来るからねと優しく叔母は声をかけてくれた。
叔父に優しく頭を撫でられ、安心感に包まれ、疲れていたせいかまたすぐ眠ってしまった。
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