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第2章(高一冬~)
13: あらし
しおりを挟む「1ヶ月も経てば、だいぶクラスの雰囲気にも慣れてきたね~!主に橘兄弟の雰囲気にだけどね?」
日下部は、そう言って無人の橘の席を睨みながら、僕のお昼ご飯のサンドイッチを食べている。
「日下部。僕のお昼ご飯をなぜ食べてるんだ?自分のがあるだろう?」
「いつも同じものだとつまらないじゃん!ユズくんの叔母さん料理上手なんだね?すっごく美味しい!!」
「………………。これ僕が作ってる。」
言おうかどうか迷ったが、あまりに褒めるのでむず痒くなり、言ってしまった。叔母の料理は壊滅的で、叔母の唯一の欠点と言ってもいい。男の手料理なんて気持ち悪いと言われても仕方がないとさえ思っている。
それを聞いた日下部は、ゴホッゴホッとむせてしまったみたいだ。
「大丈夫か?これでも飲め。」
「ありがとう…って、これみそ汁!?美味しい…これもゆずくんの手作りか…。」
「そうだが、何か不満か?やっぱり男が手料理って気持ち悪いかな?」
「いや!………。そういう事じゃなくて、
僕はユズくんの手料理食べれて嬉しいけど、命が惜しいんだよなぁ………。」
どいう意味だろう?味は叔父叔母のお墨付きだし、僕の料理を食べて体調を崩した人も見た事がない。僕の料理を食べて、命の心配をするなんて大袈裟だ。
「味は心配無いはずだ。叔父さまと叔母さまのお墨付きだから。」
「味はめちゃくちゃ上手いよ!?店出せるくらい!」
「そこまで言われると照れくさいが………。
では、なんの心配をしている??」
「そ、それは…………。」
日下部が視線を逸らして、口をモゴモゴさせていると後ろから声をかけられた。
「あっれ~?美味しそうなもの食べてるね?僕にもちょーだい?♡」
「「た、橘?!」」
「やっほー!一昨日ぶりだね?」
「お前最近学校によく通ってるな?仕事はいいのか?」
「やだな~。僕が仕事人間だと思われてたんなら心外だ…!友達と学園で過ごしたいって純粋な気持ちくらい持ってるよ!」
橘はそう言って、ハンカチを目元に持っていき、シクシクと言い出した。日下部は完全にゴミを見る目だな。怖すぎる。
「そんなことより!そのサンドイッチ、僕も食べたい!」
「?全然構わ「ダメに決まってるでしょ??ねぇ?ユズくん?」
全然構わないと言おうとしたのが、バレたのか日下部に遮られ、無言の圧をかけられている。
なんでダメなんだろうか。
「えぇー?ひどくない?僕はユッキーを助けてあげようと思ったのに~。」
「何言ってんの?」
「ユッキーは既にそのサンドイッチ食べたんだよね?それをとある人が知ったらどうなるかな~?多分あの人は手料理まだ食べたことないんだよ?それを先に食べた…なんて知られたらどうなるかな??」
「やっぱり!!まだだよなぁ!やからしたわ」
「一体誰の話だ?僕の手料理を食べたい人なんているわ…け。」
そこまで言って僕はハッと気づいてしまった。いや、いるな。僕の手料理を食べたそうな人が。でもその人には今はあまり会いたくないし、作る気もなかった。まぁ、そんなことで日下部が怒られたらたまったもんじゃないしな。
「日下部…。そのとある人が僕の思いつく人なら、もし怒られたら僕が庇うよ。」
「ユズくん…!その優しさめちゃくちゃ嬉しいけど、もっと怒りを買いそうな予感がするよ……」
「そーそー!今さロキくんは、僕に逆らえないから僕も食べて庇ってあげるって言ってるの!」
「ロキくん?」
「ユズくんが今思い浮かべてるとある人の事だよ。下の名前、ひろきでしょ?」
「なるほど!」
「ということでいただき!!」
橘は、サンドイッチを1つ手に取り、もぐもぐと食べてご馳走様と言ってきた。
「じゃあ、僕は今からロキくんに呼ばれてるから!じゃあねん!」
「あいつマジで嵐すぎる。」
日下部それについては酷く同感だ。
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