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震えた声で言うエイクズ殿下に、彼女は即座に反応した。
どうやらやっと私の他にも、この場に人がいる事に気が付いたようだ。
私から視線をそらし、ちらりとスピカ様とスーザン様を見ると、エイクズ殿下の上から慌てて降りる。
先程まで私を睨みつけていたのが幻だったかの様に、フルフルと震えている様は、愛くるしい顔とあいまってか弱き小動物のようだ。
「女!演技をしても無駄だ。その様な下手な演技に騙されるのはそこに居る馬鹿か、肉欲だけを求める屑ぐらいだ」
スピカ様は、汚いものを見るように、彼女を一瞥し、そのままエイクズ殿下を睨みつけた。
「何かと理由をつけ、王太子としての勉学も公務にも励まず遊び歩き、陛下に何度お叱りを受けてもその変わらぬ態度。馬鹿だ馬鹿だと思ってはいたが、繁殖期の獣の方がまだ知性的だ…その汚い体を早く隠せ。女!お前もだ!」
怒鳴りつけるスピカ様に、恐怖を感じたのか、体を震わせたエイクズ殿下は、ベッドの下に落ちていたシーツを慌ててつかみ取り、彼女と共に体に巻きつけようとするが…
彼女の怒りが爆発した。
「もう我慢できないわ。何が姉よ。私のことが汚いですって?不敬だわ!この国を継ぐのは王太子であるエイクズ様であって、あなたじゃないのよ!偉そうに。あなたはエイクズ様の姉なのかもしれないけれど。ここで一番偉いのは次期国王になるエイクズ様なの。私はヒロインで幸せが約束されていて、今エイクズ様と真実の愛で結ばれているの!将来の王妃になる尊い身分なのよ!」
フルフルと小動物のように震えるのをやめた彼女は今は怒りで体を震わせている。
普段の可愛らしい顔を歪め、別人のような顔となった彼女は、スピカ様に不敬な物言いをした。
場の空気が凍りつく。
彼女は…なんと命知らずなのだろうか…
どうやらやっと私の他にも、この場に人がいる事に気が付いたようだ。
私から視線をそらし、ちらりとスピカ様とスーザン様を見ると、エイクズ殿下の上から慌てて降りる。
先程まで私を睨みつけていたのが幻だったかの様に、フルフルと震えている様は、愛くるしい顔とあいまってか弱き小動物のようだ。
「女!演技をしても無駄だ。その様な下手な演技に騙されるのはそこに居る馬鹿か、肉欲だけを求める屑ぐらいだ」
スピカ様は、汚いものを見るように、彼女を一瞥し、そのままエイクズ殿下を睨みつけた。
「何かと理由をつけ、王太子としての勉学も公務にも励まず遊び歩き、陛下に何度お叱りを受けてもその変わらぬ態度。馬鹿だ馬鹿だと思ってはいたが、繁殖期の獣の方がまだ知性的だ…その汚い体を早く隠せ。女!お前もだ!」
怒鳴りつけるスピカ様に、恐怖を感じたのか、体を震わせたエイクズ殿下は、ベッドの下に落ちていたシーツを慌ててつかみ取り、彼女と共に体に巻きつけようとするが…
彼女の怒りが爆発した。
「もう我慢できないわ。何が姉よ。私のことが汚いですって?不敬だわ!この国を継ぐのは王太子であるエイクズ様であって、あなたじゃないのよ!偉そうに。あなたはエイクズ様の姉なのかもしれないけれど。ここで一番偉いのは次期国王になるエイクズ様なの。私はヒロインで幸せが約束されていて、今エイクズ様と真実の愛で結ばれているの!将来の王妃になる尊い身分なのよ!」
フルフルと小動物のように震えるのをやめた彼女は今は怒りで体を震わせている。
普段の可愛らしい顔を歪め、別人のような顔となった彼女は、スピカ様に不敬な物言いをした。
場の空気が凍りつく。
彼女は…なんと命知らずなのだろうか…
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